ここからは気になる歌詞の内容を読み解いていきましょう。
「ホロネス」の歌詞は「偽りの自分」を表現したもの。
鏡の中の自分と対峙した主人公には一体どんな結末が待ち受けているのでしょうか。
他にはない独特な言い回しにも注目してみてください!
他人の理想に流されること
君は言う「もう楽になれるよ」と
今思えば それが甘い罠に なっていたんだ
今日も人の理想で
私は具現化されていく
虚構 虚言 虚像 虚心で
作り上げた自分で
出典: ホロネス/作詞:美波 作曲:美波
自分を貫くというのはすごく覚悟のいることです。
それを思うと一般的に良しとされる他人の理想に流されるのはすごく楽なこと。
しかしこの歌の主人公は楽な方へ流されたことを後悔している様子です。
自分に嘘をつき続けるのは覚悟を固めることとは全く別の苦痛が伴います。
楽な方に流されることは長期的に見れば楽ではなかったりするのですね。
嘘なのか本当なのか
正直者は 狼少年
嘘つきは そろそろ被害者面で
嘘泣き始める時間だ
否(ああ)こんな3次元なんて
逃げたくなるに 決まってんだろ
出典: ホロネス/作詞:美波 作曲:美波
「正直者は狼少年」という歌詞が印象的ですね。
これは自分の気持ちが嘘なのか本当なのかわからなくなっている様子を表しているのでしょう。
嘘を重ねてきた原因は全て自分にあることを棚上げにして、こんな状態もう嫌だと泣き出す主人公。
流されてきた結果は否定したくなるような自分の姿でした。
嘘を作り上げる
To virtualize a lie
非科学的現状と架空的言論
何でもよかったよ 愛をくれよ
愛してくれよ 言葉は
もう私を癒せやしない
出典: ホロネス/作詞:美波 作曲:美波
「To virtualize a lie」は直訳すると「嘘を仮想化する」となります。
ここでは「嘘を作り上げる」のほうが腑に落ちる響きかもしれませんね。
自分の意志からは程遠い現状と、心の籠らない言動。
嘘だらけの主人公を本当の意味で愛してくれる人などいなかったのではないでしょうか。
もうちょっと側にいてよ
足りない生きてきた証は
傷 傷 代わりになって
お願い 鏡の中の Doppelgänger
出典: ホロネス/作詞:美波 作曲:美波
「Doppelgänger」はドイツ語でもう一人の自分を表す言葉です。
鏡に映ったのは偽りだらけのもう一人の自分。
「それは本当の自分ではない」
そう言い聞かせることで、主人公は自分の意志を持たず生きてきた自分を誤魔化そうとしているのでしょう。
自分を正当化しようとする主人公
変わり果てた姿で
私に偽りの笑みを浮かべていた
また嘘を吸い込んで
君は新しい偽を作って吐くのでしょう?
器にすぎない あいつにはなれない
全て作り上げた 理想鏡
出典: ホロネス/作詞:美波 作曲:美波
ここで歌われているのは、「鏡の中の自分と主人公は全く別物だ」という内容でしょう。
嘘をついているのは全て鏡の中のアイツであって、自分ではない。
あれは他人の言いなりになって作り上げた、ただの理想であると。
嘘を積み重ねてきた自分を正当化しようとしている主人公の様子が浮かびます。