楽曲「愛が降る」
加藤ミリヤの新たな挑戦
加藤ミリヤさんの楽曲「愛が降る」は2019年6月にリリースされました。
結婚し、第一子の妊娠中に発表したこの楽曲は母性に溢れた優しい雰囲気に包まれています。
かつての楽曲は力強くて勢いのあるイメージがあった彼女ですが、今回は系統がガラッと変わりました。
筋書き通りにいかない恋愛のもどかしさを描いた楽曲は同世代の女子を魅了し、多くの人から支持されています。
そんな加藤ミリヤさんも30代という節目を迎え、青春をともに生きてきた同世代のファンも30代となりました。
中には彼女のように結婚して子供がいる人もいるかもしれません。
人生の新たなステージに立ったことにより、今までの恋が全てを包み込む愛に変わっていきました。
視野が広くなり、今まで見えていなかった世界が見えてきたのでしょう。
亡くなった父親に捧げる歌
加藤ミリヤさんの父親は幼い頃に亡くなっています。
「愛が降る」は自身の母親が父親に対して抱いている気持ちを歌っているのです。
愛する人に出会って恋をしたのに永遠に会えなくなってしまう辛さ…。
なんとなく分かっていてもそれを歌にすることはなかなかできずにいたのでしょう。
加藤ミリヤさんも当時の両親と同じくらいの年齢になり、大切な人に出会いました。
そんなタイミングだからこそこの楽曲にもよりリアルさがましていくように感じます。
「愛が降る」のMVを解説
「愛が降る」のMVはほぼ加藤ミリヤさんの歌唱シーンで構成されています。
過去のMVのようにカラフルで個性的なものとは違い、自然豊かで壮大な映像です。
シンプルでありながらも楽曲のイメージを表現するものがいくつか含まれています。
YouTubeには現在ショートバージョンの映像が公開されていました。
短くても雰囲気は掴み易いので、歌詞に込めた想いと映像の意味を重ねてご覧下さい。
白い服を着た優しい加藤ミリヤ
「愛が降る」の映像の中で一番印象的なのはやはり加藤ミリヤさんの雰囲気ではないでしょうか。
華やかなメイクと個性的なファッションが多くの若者から支持されていた彼女。
斬新で刺激的なイメージは楽曲や映像にも反映されていました。
しかし今回の映像では白い衣装にナチュラルメイクの加藤ミリヤさんの姿を見ることができます。
雰囲気の違いにびっくりしたファンも多かったかもしれません。
また、ここでの白い衣装が意味するものは"まっさらな自分"なのではないでしょうか。
今までのカラフルな恋愛ソングに区切りをつけ、ここからまた新しい加藤ミリヤをスタートさせていく…。
結婚式のウエディングドレスの意味とも少し似ているように思えます。
白はこれからどんな色にも染まることができるのです。
彼女の特徴でもある赤いリップも今回は塗っていません。
自身の結婚を機にアーティスト加藤ミリヤとしての人生も更に豊かになっていくような気がしました。
花と空が意味するもの
全体的に明るい映像には広大な空と美しい花が登場します。
花は様々なシーンで活用されることが多いので、意味は一つだけではないような気がしました。
まずは父親への追悼の意味での花、母親の象徴としての花、そしてこの世に産まれてくる新しい命に捧げる花です。
それぞれの花に意味がありますが、その全てに"愛"が込められています。
受け取った花からは、その人の愛情を感じることができるのです。
そしてもう一つは空。
映像に広がる空はとても青く澄んでいます。
空に手をかざしたり、時折見上げているのは父親に向けて歌っているという意味ではないでしょうか。
楽曲の歌詞からも序盤で愛する人が亡くなってしまっていることが分かります。
それでも空から見守ってくれていると信じているからこそ毎日を強く生きていくことができるのです。
白い衣装の加藤ミリヤさんと花と空。
この三つが「愛が降る」の世界観をより魅力的に表現していました。
母親になったからこそ分かる感情
母親の気持ち
「愛が降る」は父親に捧げる楽曲なのですが、歌詞は彼女の母親目線になっています。
つまり母親の愛する気持ちを代弁しているのです。
これまで様々な愛を代弁してきた加藤ミリヤさん。
ですが今回は身内の愛を代弁しています。
身近な人の愛を楽曲にするのにはかなり勇気が必要だったかもしれません。