茫然自失の主人公

現実を受け止められない…

それから幾日が過ぎたある冬の日。

男性はあっけなくこの世を去ったのです。

主人公が男性の容態について知っていたかは分かりません。

看病のために付き添ったのか。あるいはまったく知らされなかったのか。

それもわかりません。

もしかしたら男性は事故で亡くなっていたかもわかりません。

しかし、それもこれも今となっては主人公にとったらどうでもいいことです。

最も重要なのは、あんなに大好きだった男性がもうこの世にいないことです。

唐突過ぎた男性の死を、主人公はいまだに受け止められません、

心に大きく空いた悲しみの穴は主人公をどんどん、暗闇の中に落としていったのです。

あとを追いたい…

2番の歌詞は主人公のどん底に落とされた気持ちを表しています。

つまり、男性の元へ自分も行こうと思う心理状態を、です。

主人公は約束してくれていた海岸へ無意識に行っていました。

場所は砂浜ではありません。高台です。

だから周囲の人たちが「おかしい」と思ったのでしょう。

視線が定まらない主人公は、誰の目にも思い余った表情をしていたのでしょう。

「あとを追って私もあの人のところへ行きたい」。

それを思いとどめたのは、亡くなった男性の優しい声が聞こえたのかもわかりません。

純愛を貫いた主人公の一途な恋

「会いたい」は1990年代を代表する泣ける歌の双璧です。

主人公の女性にとったら、まさに純愛を地で行く恋だったのでしょう。

恋した相手はやはり間違いがなかった。

全てが自分の心を熱くさせるほど燃え盛る。

恋とはこれほど素晴らしいものだったのか。

この情熱とときめきは他の何物も変えられない。

これからの人生。この人といっぱい楽しむんだ!

そう思った矢先に起こった不幸。

人生とはなんとはかなくてむごいのか。

人の命なんて、いつでもそこにあるものだと思っていた主人公にとったら残酷すぎる結末でした。

歌詞はこの先の主人公の暗示は与えてくれていません。

でも、亡くなった男性の面影をそっとしまって気丈に生きてゆくことを願わずにはいられないでしょう。

「会いたい」の歌詞は奇跡的なシンクロニシティ

「会いたい」の歌詞は、沢田知可子の実体験を元にして作られたのではないか。

そう思っている方が多いかもしれませんが、実は違います。

作詞者の沢ちひろが、恋人の死をテーマにして書いた歌詞であって、実話ではありません。

しかし、ちょっと不思議な「偶然の一致」が、この歌詞に潜んでいるのです。

怖いぐらいのシンクロニシティ

沢田知可子が歌手になろうと決めたのは高校生の頃。

その頃バスケ部に所属していた沢田知可子は、同部の男性の先輩部員に夢を打ち明けました。

先輩は、一番目のファンになるからと言ってくれたそうです。

しかし数日後、先輩は事故に遭い、この世を去りました。

作詞をした沢ちひろは、沢田知可子のこうした体験を知らないまま「会いたい」の歌詞を書いたのです。

それなのに、歌詞と実体験がこんなにも重なるなんて!

世の中には不思議なことがあるものですね。

綺麗事で終わらない歌詞が魅力の「会いたい」

【沢田知可子/会いたい】実話かと話題になった歌詞の意味に迫る!意味を紐解くと彼を亡くした悲しみが!の画像

恋人が死んでしまったら「不幸なことだ」「仕方がない」と割り切る人は少ないはずです。

いつまでも恋人のことが忘れられなかったり、自分のせいではないかと自責の念にかられてしまったり。

忘れたくないし、忘れられないし、叶わないと知っていても時間を巻き戻して運命を変えたい

そう思うのが普通ではないでしょうか。

「会いたい」の歌詞に登場する女性の言動は、少し身勝手に感じるかもしれません。

しかし、それが現実なのです。

死を受け入れられずに嘆き悲しむ歌が「21世紀に残したい泣ける名曲に選出されている理由が分かる気がします。

悲しいなら泣けばいい。願い続ければいい。生き返って欲しいと思ってもいい。

辛い状況に直面したとき、「会いたい」の歌詞に救われる人がきっといます。

泣ける名曲といえばこちら!

今日は泣かないぞ!と心に誓ってもこの曲を聴くと泣くしか無い……。

BUMP OF CHICKEN名曲中の名曲「K」の歌詞は知らなきゃ損です!

BUMP OF CHICKENの「K」は以前行われたファン投票による名曲ランキングでも2位だった人気曲。楽曲としてのかっこよさは勿論、発売から時間が経った今も愛され続ける理由は感動的な物語を持った歌詞でしょう。今回は「K」について振り返り、歌詞が持つストーリーを紹介します。まだ聴いたことがないという人は特に必見ですよ。