エピローグ 「THE ANSWER」

シングルは約1年3カ月ぶり!

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6月13日にリリースされた通算19枚目のシングル「THE ANSWER」

昨年3月発売の「抱きしめたい」以来、何と約1年3カ月ぶりのシングルです。

ボーカル、ギターのフロントマン、チバユウスケ。

曲の幕開けは、彼がグレッチで掻き鳴らすイントロのリフに引き込まれます。

タイトでありながらパワフルなクハラカズユキ(愛称キュウ)のドラムがイン!

そして、チバのしゃがれた歌声がリスナーをグングン引き込む序盤。

やがて、フジイケンジのエモーショナルなリードギターが空間を切り裂き、スリリングな展開が続きます。

サビは疾走感あふれる、ダイナミックなストロークの演奏。チバのシャウトも全開!

生命感を増した曲が空に羽ばたき、どこまでも高度を上げていくようなイメージが広がります。

カップリングは、ハジける「VICIOUS」

カップリングは、いわゆる「一発録り」のようなアレンジ。

痛快無比のロックンロールナンバー「VICIOUS」です。

「ドンドンダンドン ドンドンダンドン」と、シンプルながらド迫力のドラムイントロでスタート。

圧倒的なビートの磁力に吸い寄せられたかのように、怒涛の演奏が繰り広げられます。

「THE ANSWER」とは違うアプローチが新鮮!

バンドの一体感がほとばしる、うねるようなアンサンブルを響かせます。

パンキッシュな詞を叩きつけるように歌うチバの声も艶やか。テンションアップは間違いなしです。

この曲もまた、ライブで聴くのが楽しみですね。

初回限定盤にはファン必見のDVDが

ジャケット写真は2種類

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「THE ANSWER」は通常盤に加え、初回限定盤がプレスされています。

しぼんだ花に、まばらな葉もしおれかけたバラをくわえ、右手を頭に乗せて虚ろな目をしたチバ。

そんな上の写真が、通常盤のジャケットです。

下は初回限定盤。バラの花は生き生きしていますが、彼の表情は大きく広がった葉に隠れています。

双方のカットは一見して異なりますが、茎をくわえたチバのポーズは共通しています。

「赤と黒」の華やかな配色も印象的。どちらも胸騒ぎを誘う、妖艶な雰囲気を醸し出していますね。

初回限定盤に封入されたDVDに収められているのは「THE ANSWER」フルバージョンのミュージックビデオ(MV)。

もう1つのコンテンツは「VICIOUS」のエピソードも紹介したセルフライナーノーツムービーです。

MV監督は山田健人。楽曲の世界観を見事に表現

フルバージョンの公式MVの視聴回数は12万回! The Birthdayが一貫して放つ「ストイックでクール」というイメージにピッタリの、素晴らしい完成度です。

まずは「THE ANSWER」のMVから。

仰向けに倒れたコンクリートの上でおもむろに身を起こし、夜の倉庫をフラつきながら歩くチバ。

やがて、パイプ椅子が1つ、無造作に広げられた空間にたどり着きます。

腰を下ろし、タバコの先にそっと火をつけると顔を上げ、バックに流れるサビの詞をシャウト!

その目には、しっかりと力が宿っています。

ギターソロからの後半は、バンドの演奏シーンがメイン。

再び倉庫をさまようチバの姿が映し出され、先ほどの場面と同じ場所にあるパイプ椅子を蹴り倒します。

夕日に照らされたビルの屋上に横たわるチバが映し出されたところで、MVはカットアウト。

作品を監督したのは、宇多田ヒカルSuchmosなどのMVを担当した新進気鋭の映像作家・山田健人です。

さまよい歩くチバの姿は、何かの「ANSWER」を探し求めていることの象徴なのでしょうか。

時間軸を狂わせるような場面も違和感なくつながり、楽曲の世界観を際立たせる秀逸な作品に。

撮影後の山田監督も「永遠に色褪せないロック」とツイートし、彼らの曲を絶賛しました。

秘話満載!セルフライナーノーツムービー

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そして、セルフライナーノーツムービーです。

「The Birthday」にとっては、もはや定番。

2014年5月発売の7枚目アルバム「COME TOGETHER」から続く、うれしい特典です。

数々の映像に刻まれたのは、自分たちのありのままの姿や思い。

バンド楽曲を深く知り、もっと身近に感じてほしい」

バンドの「内面」をさらすことで、そんな願いをかなえようとしているのでしょう。

さて、今回のムービー。

正式に公開されている動画は見当たりませんが、内容を詳しくご紹介します。

冒頭は、スタジオでレコーディング中のメンバーたちが、誕生日を迎えたフジイをサプライズで祝うオフショット。

「ハッピーバースデー♫」の合唱と、ろうそくの小さな炎が揺れる、かわいらしいケーキも登場します。

とはいえ、誕生日の主役はミドルエイジど真ん中の49歳!

オトナなので!?はしゃぐ姿こそ見られませんが、スタジオはハッピーな雰囲気。

アットホームな空気の中で、缶ビールとタバコを手に、仲間の誕生日を祝うチバの声が。

「疲れたな、もう」

「いつまでもこんなロックンロールやってらんないよ」

「いつまでやれるかね」

彼の口からは、ジョークまじりのゴキゲンなコメントも飛び出します。

「答えはない」

「ない」

「答えねぇなぁと思って」

セルフライナーノーツムービーのインタビューは、そんなチバの言葉で始まります。

「なんで人類が生まれたとかさ。いろんな説があるじゃない。それと一緒」

「わからん 答えは」

「答えはないなと」

「THE ANSWER」という、極めてストレートなタイトルの楽曲

開口一番に放ったのは、「答えはない」という矛盾したような解説です。

盟友キュウとの伝説のバンド「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」時代から、独特の詞世界を繰り広げるチバ。

時に宇宙まで突き抜けるような感性の結晶は、2冊の詩集としてもまとめられています。

そんな「チバ・ワールド」は「THE ANSWER」でも健在です。

研ぎ澄まされながらも固定概念の束縛を許さない詞の中に、「答え」らしいものは何も示されません。

そもそも、具体的に何を問い、どんな答えを欲しているのか、それさえも曖昧です。

ここで思い出されるのは、ノーベル文学賞を受賞したアメリカの偉大なミュージシャン、ボブ・ディラン

代表曲「風に吹かれて」で、彼は「答えは風に吹かれている」と歌いました。

「この世界は、確かな答えなどわからないことばかり」

「だからこそ、人は生き続ける意味がある」

「THE ANSWER」は、そんな普遍的な「答え」にたどり着いたチバの精神性の高さの表れ。

独自の詞世界を切り開いてきた彼にとって、1つの到達点と言えるかもしれません。

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