ケツノポリス2に収録されているシングル曲
「手紙」は、2001年に三枚目のシングルとして発売されました。
このシングルは、過去、現在、未来の三部構成で収録されています。
翌年には2ndアルバムの「ケツノポリス2」が発表され、「手紙」も収録されました。
この「手紙」という曲は、デビューして10年以上が経った「今」だからこそ聴いておきたい曲です。
最近ケツメイシのファンになった人には、彼らの軌跡を辿ってこれるでしょう。
また筆者を含め当時からケツメイシをこよなく愛していたファンにとっては感慨深くなるはずです。
「手紙 過去~」が持つ意味
当時の心境
何も⾒えないまま 流れていく⽉⽇の影 ⾃分のために
我慢に我慢をかさねた毎⽇ かさね合わせた⼿と⼿で祈り
実りある今⽇ ⽣きるために ⼀⼈歩き 外の⾵に
吹かれながら 歩いていた 時に泣きながら 歩いていた
出典: 手紙 過去~/作詞:⼤塚亮⼆ 作曲:⽥中亮
「手紙 過去~」を一言で解釈するなら、「デビュー前に書いていた日記」です。
まさにメンバーたちがもがきながら曲を作っていた心境が伝わってきます。
「いつ芽が出るかはわからないけれど、今の心境を書き記しておこう」
この手紙は「宛先人不明」になるだろうけれど、当時の気持ちを残しておこうと決意したのでしょう。
その後は皆さんもご存知のように、当時の苦しかった毎日が「手紙」という曲を通じて開花していきます。
目標を立てたあの時
開いたばかりの⽩いノートに
書きつづったページのスタートに
誓ったあの⽇の思いを
思い出しまた 歩いてく
出典: 手紙 過去~/作詞:⼤塚亮⼆ 作曲:⽥中亮
ノートの最初のページを開くと罫線のページと白紙のページが出てきます。
その「白紙」のページに10年後の目標を大きな字で書くイメージです。
新年の抱負のように「今年こそは絶対やってみせる!」という決意が伝わってきます。
新年の抱負を立てたばかりの頃は誰しもワクワクするでしょう。
しかし六月頃には「何だっけ?」と思い出せない人も多いはずです。
もしくは「全然続いていないから厳しいかも」と諦めてしまうこともあるでしょう。
そんな自分に発破をかけるために、強い想いを書いたのではないでしょうか?
生半可な決意では動かないことに気づいているのかもしれません。
だから「今」そのページを見たときにやるべきことを思い出せるようにしたのだと思います。
歩いてきた距離
周りも ⾒えずいつの間にか 遠回りを
歩き続け 後で気付く中⾝の 変わり様
時にたまに 頭に来る事を温めて
後でまさに⽢さに 気付き 俺ここにいる
まだ まだまだだ これからだ
俺が⽴ったところから⾒れば まだ半ば
だから ⼀歩踏み出すと きっと打ち勝つ
そう信じて 前へ進む君とスタート
出典: 手紙 過去~/作詞:⼤塚亮⼆ 作曲:⽥中亮
あの時に書いた目標を見ただけではどの程度進んだのかはっきりわかりません。
でもあの頃書いていた「日記」を読み返せば、どのくらい進んだのかわかりやすいはずです。
「あの頃できなかったこと」が今はできるようになったと気づきます。
そして「あの頃はイラついていたこと」も冷静になれている自分に気づきました。
日記がなければ「まだまだ遠い目標」に対してモヤモヤしていたかもしれません。
しかし「俺たちは少しずつ進んでいるんだ」という実感を日記を通じて確かめ合うことができます。
「毎日この日記を見ることが目標への一歩になる」という心境が伝わってきます。
軌跡を振り返る
話が少し脱線します。
「手紙 過去~」が収録されている「ケツノポリス2」に「ケツメの作り方」という曲があります。
この曲にはケツメイシ結成時のことが面白可笑しく凝縮されています。
当時のケツメイシはメディア露出も少なかったため、彼らのことを知る数少ないツールでした。
まさに大量生産ではなくハンドメイドで作られたバッグのように、聴きこむごとに味が出る曲です。