YOASOBIの第1作目の配信限定シングル
星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』を原作にした楽曲
楽曲は、小説投稿サイト「monogatary.com」で掲載されている星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』を元に制作されています。
楽曲の理解が深まるため、原作小説と君視点で綴られた続編「夜に溶ける」を読むことがおすすめです。
どちらも短編で、5分程度あれば読めます。
タナトスの誘惑 | 物語詳細 - monogatary.com
タナトスの誘惑 - 物語詳細
MVも話題に
MVは、東京藝術大学に在学中のクリエイターである藍にいなが手掛けました。
ポップですがどこかグロテスクな雰囲気を感じるアニメーションは、物語の世界観にぴったり合っています。
さて、それではここからは楽曲の歌詞について考えていきたいと思います。
この楽曲では、歌われているメッセージはどのような内容なのでしょうか。
歌詞を見ていこう
死を連想する
沈むように溶けてゆくように
二人だけの空が広がる夜に
出典: 夜に駆ける/作詞:Ayase 作曲:Ayase
歌い出しは、恋人と2人だけの甘い夜を連想させる歌詞からスタートしています。
しかし、歌の原作となった『タナトスの誘惑』は、死を扱った作品です。
MVでも、女性が屋上から飛び降りるシーンが描かれています。
この曲で歌われている夜とは、「死」という意味。
歌詞に出てくる人物は、恋人と心も体も混ざり合ったうえで飛び降り自殺がしたいと考えている様子です。
この後の歌詞から考えるとこの時点では、君が死にたいと考えていると考察できます。
それでは、次の歌詞も見ていきましょう。
死にたい君
「さよなら」だけだった
その一言で全てが分かった
日が沈み出した空と君の姿
フェンス越しに重なっていた
出典: 夜に駆ける/作詞:Ayase 作曲:Ayase
恋人からさよならと声を掛けられると、別れ話なのかと考えてしまいます。
しかし続くフェンスという単語から、君のさよならの一言とは「この世からのさよなら」のこと。
つまり死を意味しています。
君が夕方に屋上から飛び降りようとしていることを僕は見抜いていました。
君もさよならの一言で死のうとしている自分の前に、必ず僕が現れることが分かっているのでしょう。
本当に死にたいなら自分1人で死ぬはずです。
わざわざ僕にさよならと声を掛ける君には何か目的がありそうです。
君に惹かれる僕
初めから死にたいと思っている君
初めて会った日から
僕の心の全てを奪った
どこか儚い空気を纏う君は
寂しい目をしてたんだ
出典: 夜に駆ける/作詞:Ayase 作曲:Ayase