斉藤和義「かげろう」

アルバム「斉藤」の先行シングル

【かげろう】斉藤和義が映画『潔く柔く』を表現したバラードの歌詞を徹底解説♪完全生産限定のCDも話題にの画像

まずは「かげろう」の基本情報に触れていきましょう。

この楽曲は、彼の16枚目のアルバムである「斉藤」の先行シングルとしてリリースされました。

また、このアルバム2013年10月23日にリリースされ、17枚目のアルバムである「和義」との同時リリース、そして、本人の名前をアルバムタイトルに掲げたことで話題になりました。

斉藤和義の音楽人生の中でアルバムを同時に2枚もリリースしたのは初めてのことで、デビュー20周年記念イヤーである2013年を華々しく彩ったリリースとなりました。

これだけ長く第一線で活動しているにも関わらず、2枚同時リリースが初めてというのは意外ですね。

さらに、アルバムの収録曲としては「かげろう」以外にもシングル曲として「やさしくなりたい」、「月光」、「ワンモアタイム」が収録されています。

特に「やさしくなりたい」は、テレビドラマ「家政婦のミタ」の主題歌に起用され、聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。

そんな耳馴染みの良い曲に加えて、楽曲提供した曲のセルフカバーなども収録され、盛り沢山の内容に仕上がっています。

そして、彼の特徴である自身で全ての楽器を演奏し、レコーディングしていくスタイルがこのアルバムにも存分に生かされ、デビュー20周年といえどチャレンジを欠かさない彼のすごさが垣間見えます。

また、オリコン週間チャートでは2位を記録しており、彼の不動の人気の高さが際立った結果が出ています。

そんなこのアルバムの9曲目に「かげろう」は収録され、その前には先行シングルとしてリリースされたのです。

それでは、次に先行シングルとしての側面を紹介していきましょう。

完全生産限定のCDも話題に!

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先行シングルとしての「かげろう」は、2013年10月16日にリリースされ彼の43枚目のシングルとなりました。

また、このシングルは収録曲がなんと1曲のみであり、カップリング曲が収録されていません。

今の時代、シングルでも4曲前後収録するアーティストが多い中、これは珍しいリリースパターンと言えるでしょう。

さらには、10000枚完全生産限定でのリリースとなっており、このどちらも斉藤和義にとっては初めてのチャレンジとなりました。

デビュー20周年を迎えても、これだけ攻めたリリースのできるアーティストは少ないのではないでしょうか。

人気のある彼だからこそ成り立つシングルであり、オリコン週間チャートでは12位を記録し、完全生産限定にも関わらず好セールスを叩き出しています。

そして、この楽曲映画「潔く柔く」の主題歌として書き下ろされ、歌詞映画の世界観を踏襲していることが話題になっています。

それでは、次に映画「潔く柔く」について紹介していきましょう。

映画「潔く柔く」

漫画が原作!

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映画「潔く柔く」は、元々はいくえみ綾の漫画が原作であり、今回、シングル「かげろう」のジャケットはこのいくえみ綾が描き下ろしています。

また、漫画自体は集英社の「Cookie」で過去に連載され、女子高生の日々や恋愛模様を様々な登場人物を交えて描いたオムニバス形式の作品となっています。

そして、2013年10月26日に長澤まさみと岡田将生を主演に据えて映画化がなされました。

映画版では「大切な人を失っても、人はまた愛することができるのでしょうか。」というキャッチコピーのもと、漫画の最終章を飾った「カンナ編」を中心にストーリーが進んでいきます。

その内容は、辛い過去を抱えながら大人になった主人公2人を待ち受ける運命を描いたラブストーリーとなっており、観た人は胸がキュンとなった人も多いようです。

それでは、次にそんな映画の世界観を表現した渾身のバラードである「かげろう」の歌詞を徹底解説していきます。

映画を表現したバラードの歌詞を徹底解説♪

強くなりたくて歩き出してみる

【かげろう】斉藤和義が映画『潔く柔く』を表現したバラードの歌詞を徹底解説♪完全生産限定のCDも話題にの画像

泣いたよ 泣いたよ 小さな海ができるほど
ひとりで ひとりで 鍵をかけた夏の中で
蝉が鳴いているね あの日と同じように
ごまかそうとしたけど 心は知ってた

出典: かげろう/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義

まずは、導入部分です。

過去を回想しながら、そこに想いを馳せて泣きながら自分の心と向き合うような歌詞になっています。

これは、映画の中で描かれた2人の主人公の抱える辛い過去に対する切ない想いが表現されているのではないでしょうか。

強くなりたくて 歩き出してみる
止まった時計を 胸に抱いたまま
人混みに押されて とりあえず覚えた笑うフリ

出典: かげろう/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義

過去に引きずられて辛く苦しい気持ちにはなっているものの、それを払拭し前に進もうとポジティブな部分もちゃんと見受けられます。

しかし、簡単には辛い過去を拭い去ることはできません

それを「止まった時計」という言葉で表現しています。

それでも、日々は過ぎていくし、生活はしていかなければなりません。

そうやって過ごしていく中でどんどん大人になっていき、たとえ辛い過去を抱えていても人前では気丈に振舞うことを身に付けていきます。

このように、ここの歌詞では心は過去に縛り付けられたままでも、時間は平等に過ぎていってしまう時間の無情さが描かれているのではないでしょうか。

何故だか気になる 心のドアをたたく人
どうして どうして 同じ目をしているんだろう
ごまかそうとするけど 心がざわめく
蝉が鳴いているね 道にはぬけがら

出典: かげろう/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義