Mr.Childrenの「祈り ~涙の軌道」が泣ける!
前作から3年7ヵ月ぶりにリリースされたMr.Children待望のシングル「祈り ~涙の軌道」。それは心に響くバラード曲でした。
「祈り ~涙の軌道」は2012年の8月に発売され、オリコンチャートで週間1位を記録するなど大ヒットとなりました。
ミスチルが帰ってきた!と喜ぶファンも多いでしょう。
ボーカルの桜井和寿が小脳梗塞という病気に襲われて以来10年、デビュー20周年という節目を迎え、Mr.Childrenに何か心境の変化があったのでしょうか?
歌詞の意味を深読み
味わい深い出だし
悴(かじか)んだ君の手を握り締めると
「このまま時間が止まれば...」って思う
覗き込むような目が嘘を探してる
馬鹿だな 何も出てきやしないと笑って答える
出典: 祈り ~涙の軌道/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
さっそく歌詞を見てみます。
まず、彼女であろう「君」と僕のいるワンシーンが綴られています。
寒い日に彼女の手を握ると幸せで、それに浸っていたいと思うもの。そんな幸せにあふれる感情を歌った出だしです。
そして、純粋な目でウソをついていないかと問いただされたり、ウソなんてついてないよ、と言ってみたり、微笑ましい恋人同士の姿がすっと頭に浮かびます。
彼女との良い恋愛関係がイメージでき、とても幸せな気分になれる出だしです。
どうなるのかは運命に任せる
遠い未来を夢見たり 憂いたり
今日も頭の中で行ったり来たり
触らないで なるだけ手を加えぬように
心の軌道を見届けたい
出典: 祈り ~涙の軌道/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
ここで、これは失恋ソングなのでは!?という想いが湧いてきます。
将来を考えるけれど、考えれば考えるほど、その考えははっきりせず、道に迷ってしまうことは恋愛中ならよくあることです。
ここでは、この先2人がどうなってゆくのか、それは運命に任せるようです。
なるべく純粋なままで、何もせずに2人の運命がこの先どうなっていくのか見守っていたいという意味に解釈できます。
自分の醜さに別れを告げる
さようなら さようなら さようなら
夢に泥を塗りつける自分の醜さに
無防備な夢想家だって 誰かが揶揄しても
揺るがぬ想いを 願いを 持ち続けたい
出典: 祈り ~涙の軌道/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
さようならと別れを告げるのは、自分の中に存在する醜さのようです。
そして同時に、彼女との別れも意味しているのかもしれません。
今までは夢は現実的ではないと、平気で夢を壊すような考え方をしていたのではないでしょうか。でもそんな自分には別れを告げ、楽観的に夢を見る決意を固めます。
誰になんと言われようと、自分の信念を持ち続けたいんだと決意を固めるのです。
そして自分の信念とは、「夢を見ること」なのではないでしょうか。
さようならというのは、単に彼女との別れだけではないはずです。つまり、この曲は、単なる失恋ソングではないようです。
邪気のある自分に嫌気がさす
見慣れた場所が違う顔して見えるのも
本当は僕の目線が変わってきたから
「純粋」や「素直」って言葉に
悪意を感じてしまうのは
きっと僕に もう邪気があるんだね
出典: 祈り ~涙の軌道/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
現実を見据えることは大切だけど、純粋に夢を見ることができない自分にそろそろ嫌気がさしてきているのかもしれません。
若い頃は純粋な言葉たちに悪意を感じることなど少なかったのに。大人になって、純粋なものや純粋に夢見ることではなく、現実が見えるようになってきたと考える時期はとても苦しいものです。
そのことに、どうしようもない違和感を感じている時期なのでしょう。
色づいてゆく心
忘れようとして でも思い起こしたり
いくつになっても皆 似たり寄ったり
失くしたくないものが ひとつまたひとつ
心の軌道に色を添えて
出典: 祈り ~涙の軌道/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿