米津玄師「花に嵐」
2ndアルバム「YANKEE」収録
「花に嵐」は、米津玄師の2ndアルバム「YANKEE」に収録された曲です。
ロックな曲やポップな曲が入り交じったジャンルレスなアルバムの中で、「花に嵐」は正統派ロックナンバーとしてアクセントを効かせています。
「YANKEE」はオリコン週間チャートで2位を記録したほか、iTunesの「Best of 2014 今年のベスト」においてベストアルバムに選ばれるなど高い評価を得ました。
収録曲には「サンタマリア」や「MAD HEAD LOVE」といったシングルのほか、初期の代表曲「リビングデッド・ユース」やYouTubeで高い人気を誇る「アイネクライネ」などが並んでいます。
さらに、ボカロP「ハチ」として投稿した曲「ドーナツホール」のセルフカバーも収録されていて、ハチ時代からのファンにとって嬉しいサービスになりました。
米津玄師を象徴するような曲が詰まった名盤に仕上がっています。
不思議な世界観のロックナンバー
カバー動画でも人気の曲
「花に嵐」はMVは製作されていませんが、カバーでも人気が高くたくさんの弾き語り動画が投稿されています。
アルバム収録曲のひとつとしてあまり目立っている曲ではありませんが、ファンから根強い支持があると分かりますね。
サウンド面を見ると疾走感が溢れる正統派ロックナンバーですが、歌詞では抽象的な表現が並ぶ不思議な世界観が広がっています。
様々な解釈がある「花に嵐」の歌詞。その意味を探っていきましょう。
「花に嵐」の歌詞の意味は?
とある待合室で
雨と風の吹く 嵐の途中で
駅は水面に浮かんでいる
轍が続いて遠い靄の向こう
ひとりで眺めて歌っては
そうだあなたはこの待合室
土砂降りに濡れやってくるだろう
そのときはきっと笑顔でいようか
もう二度と忘れぬように
出典: http://j-lyric.net/artist/a0579b7/l03123d.html
シチュエーションを思い浮かんで、そこから曲を作ることが多いという米津玄師。
「花に嵐」は、人がぽつんと駅の待合室に立っている光景がまず浮かんで、その光景をもとに作られた曲だそうです。
「嵐の途中で」「駅は水面に浮かんでいる」といった表現から、大雨が降って水が溜まっていく中で、まるで水面に浮いているような駅の光景が想像されますね。
そんな駅の待合室に「あなた」が「やってくるだろう」と考えている曲の主人公。
どんなシチュエーションなのか、ぱっと読んだだけではよく分からない抽象的な歌詞です。
「そのときはきっと笑顔でいようか」という言葉の裏にはどんな意味があるのでしょうか。
「あなた」との悲しい記憶
わたしにくれた 不細工な花
気に入らず突き返したのにな
あなたはどうして何も言わないで
ひたすらに謝るのだろう
悲しくて歌を歌うような
わたしは取るに足りなくて
あなたに伝えないといけないんだ
あの花の色とその匂いを
出典: http://j-lyric.net/artist/a0579b7/l03123d.html
続く歌詞では、待合室に来るであろう「あなた」との過去の思い出が描かれます。
その思い出は、「あなた」がくれた花を主人公である「わたし」が突き返したという、あまり幸せではない記憶のようです。
花を突き返されたにもかかわらず、ひたすら謝った「あなた」。どちらかというと「わたし」が悪者に見える光景ですね。
さらにサビでは、自分のことを「取るに足りなくて」と自嘲する「わたし」の心情が描かれます。
「あなたに伝えないといけないんだ」という言葉からは、花を突き返したことへの後悔の気持ちが伺えますね。
「あなた」は救おうとしてくれた?
そうだあなたはこの待合室
風に揺すられやってくるだろう
そのときはきっとぐしゃぐしゃになって
何も言えなくなるだろうな
悪戯にあって笑われていた
バラバラにされた荷物を眺め
一つ一つ拾い集める
思い浮かぶあなたの姿
出典: http://j-lyric.net/artist/a0579b7/l03123d.html