スキマスイッチ
約3年振りとなる、7枚目のオリジナルアルバムのリリースを目前に控えるスキマスイッチ。
前作となるセルフタイトルの6thアルバム『スキマスイッチ』で、当時の自分が表現したいものを出し切った感、達成感を感じていたという彼ら。
この3年の間のいろんな人たちとの出会いや、たくさんのライブからも刺激を受け、新しい曲作りに取り組んだようです。
初の外部プロデュースとなるこのアルバムのタイトルは、『新空間アルゴリズム』。
このアルバムに伴うツアーも発表されています。
4月から8月に渡って、全国にスキマスイッチの新しい音を届けます。
ソールドアウトの会場も続出、大阪、愛知、東京の3都市では追加公演も発表されました。
アルバムリリースそしてツアーと、2018年もスキマスイッチの話題は尽きることがなさそうですね。
「マリンスノウ」
2種のベストアルバムに収録
今回ご紹介する「マリンスノウ」は2007年にリリースされた10thシングルです。
オリジナルアルバムには収録されず、2007年のベストアルバム『グレイテスト・ヒッツ』に初めて収録されました。
このベストアルバムには、この時点でリリースされていた全てのシングルの表題曲と、アルバム収録曲からなる全15曲で構成。
全ての曲がリマスタリングされました。
w-inds.に曲提供した「キレイだ」も収録されています。
このベストアルバムは、メンバー二人のソロ活動に伴う2008年の活動休止前最後のアルバムとなりました。
そして「マリンスノウ」はもう一つ、2013年にリリースされたベストアルバム『POPMAN'S WORLD〜All Time Best 2003-2013〜』にも収録されています。
MVはコチラ!
モノクロで、とても雰囲気のあるMVですね。
スーツ姿の男性が、生い茂る木をかき分けて、海岸から流したものは、メッセージボトル。
流れついたメッセージボトルは女性に拾い上げられ、壁に貼られます。
男性は、何度も何度もメッセージボトルを送ります。
そのたびに、どんどんスーツはボロボロに、ひげも髪もぼさぼさに伸びていきます。
まるで、無人島に取り残されたかのよう。
女性は、メッセージボトルの中身を、その度に壁に貼っていきます。
出来上がっていくのは、恋人が並んだ姿。
最後のメッセージボトルを流す男性は、もはやボロボロです。
そしてメッセージボトルは、荒波にゆられ、サメに襲われ、女性の手まで届きません。
壁の写真は、男性の顔の部分が無いまま、完成しないのです。
男性が取り残されたのは、失った愛の島でしょうか。
もう誰も訪れることのない島。その愛から離れられない男性。
受け取る女性は、もう終わったことだと振り切っているよう。
最後の男性の想いは、永遠に彼女に届かず、彷徨うのです。
「マリンスノウ」の歌詞
ではここからは、「マリンスノウ」の歌詞を見ていきましょう。
思い出から逃れられない
僕は孤独の海 放り出されて もうさ 溺れてしまうのかなぁ
とはいえ這い上がれない
どうせ堕ちるなら朽ちて 深海魚のエサになれ
君のこと 空気みたいだと思っていた 失くしたら息苦しくて
体がただ沈んでゆく 遠ざかっていく空 群青に埋まっていく
僕らもっと色濃く混ざり合えていたなら…
君のいない海を逃れようとしたけど 想い出の重さで泳げない
出典: マリンスノウ/作詞:大橋卓弥・常田真太郎 作曲:大橋卓弥・常田真太郎
長い間一緒にいたら、それが当たり前になってしまう。
それって、怖いことですよね。
あんなに大切に、離れたくないと思っていても、それが当然になって、今度はいろんな注文をつけたり不満をぶつけたりしてしまう。
空気は意識しなくても、そこにあるもの。
でもなければ生きていくことができない、人にとって大切なもの。
君がそれだけ大切だっていうことを、失って初めて気が付いたのでしょうか。
なくても平気だと思ったくせに、失ったらもう立ち直れなくなってしまう。
マリンスノウのように、決して浮き上がっていくことはなく、フワフワと思い出の海を彷徨います。
思い出なんか、いらないと振り払えればそれもいいけれど、それもできない。
君の存在の大きさが、あらためて思い知らされます。
存在を愛情に求めていた 行為はカタチだけになっていた
感覚が鈍っていく 何も聴こえない 目を閉じてるかもわからない
君のしぐさ 君の中のぬくもり 浮かんでは消えていくんだ
世界が今断ち切られて 藻掻けば絡まり 絶望に染まっていく
僕がもっと君の瞳を見ていられたなら…
出典: マリンスノウ/作詞:大橋卓弥・常田真太郎 作曲:大橋卓弥・常田真太郎
後悔に後悔を重ねます。
それでも、時すでに遅し。君はもう、戻っては来ません。
君のことばかりを思い出して、現実と夢の区別がつかなくなりそうです。
世の中の様々なしがらみも、仕事も、何もかも放り出して、ただひたすら、失った愛のことばかりを考えます。
失う前にこの大切さに気が付いていたなら。
今考えてもどうしようもないことばかりが、頭を駆け巡ります。
絶望に飲み込まれて、日常生活もままならない状態です。
君は、何かを言おうとしていた。そのことに心のどこかで気付いていながら、知らないふりをした。
君がいなくなるなんて、思いもしなかったから。
救いようのない想いばかりが、堂々巡りを繰り返します。