切ない大人の恋

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2010年にドラマとのタイアップで発表された「瞳の奥をのぞかせて」。

もどかしく、そして切ない大人の恋心を歌った曲です。

秘めたる恋にハマりゆく気持ちを切々と歌い上げています。

「瞳の奥をのぞかせて」の世界の扉を開いていきましょう。

この歌の設定は

クローズドな関係

歌詞の詳細を追う前に、この歌の設定について考えてみます。

もだえ苦しむ恋、と一口にいってもいろいろなパターンがあるもの。

この歌の主人公が苦しんでいる恋は、クローズドの恋であるようです。

人目をはばかり、公にできない恋。

ひと昔前であれば、オフィスラブや年の差のある恋もそのような恋の一つでした。

恋愛が比較的自由である現代においてはもっと深い秘密と想像できます。

不倫恋愛や、三角関係など。

解決することが難しい壁のある秘密の恋に苦しむ主人公なのではなでしょうか。

通常の恋愛の辛さに加えて状況に阻まれる恋。

そんな苦しい恋に心を焦がす物語をみていきましょう。

愛しても苦しくて

残されしもの

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空のワイングラスの横で 私の目覚めを待っているのは
千切られた紙切れに列んだ 青いインクで書かれた美しい文字
ふたりで夜に漕ぎ出しても 夜明けの頃にはひとり置き去り
愛してはならぬと拒んでも 抱かれてはならぬと解いても

いけない時間は甘噛みのように 淡い赤色 消えない跡を残して

出典: 瞳の奥をのぞかせて/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁

主人公が目覚めたのはどこでしょうか。

ホテルの一室、または主人公の部屋。

昨夜、主人公とその愛する人は共通の時間を過ごしました。

ワインを開けて、そして静かにシーツに滑り込んだ。

美しい川の流れのようによどみなくそれらの行為は前に進んだでしょう。

主人公は甘美な時間に酔いながらいずれ来る寂しさについても理解していました。

いえ、わかりたくないと思いつつ、流されたのかもしれません。

物事は常に表裏一体です。

愛するから苦しみがあり、悲しみがあるから人を想う。

表裏のバランスが取れているうちは、心の均衡を保つことができますが、それが一旦崩れたなら。

愛することの幸せより、苦しいことのほうが大きいであろうことを主人公はわかっていました。

それを知りつつ昨夜もまたあの人を愛した主人公です。

自分の判断が招いた事象であるという事実に、その苦しみはさらに深みを増していきます。

悲しいメモ

もし二人が信頼し合うカップルであったなら。

寝ている間に残された置手紙も、愛情の一環として嬉しくとらえられたでしょう。

二人の間に信頼がないと、全ての出来事はマイナスの方に捉えてしまうことがあります。

出て行き際にしたためられたメッセージは、愛ゆえの行為ではなく義務感からの紙切れだと。

また、去り際にメッセージを残す相手のもの慣れた対応に寂しくなってしまうのかもしれません。

主人公にとっては、今この時間も、そして昨日の跡も全てが恋の続きとして自分の中で生きています。

あの人はどうなんだろうか。

メッセージを残し、ドアを閉めた瞬間に二人のことは頭から離れているのかもしれない。

主人公は残された部屋で自分と相手との温度差に苦しめられています。

心を開いて

あなたの気持ちがわからない

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こんなにもあなたのことを想っているのに
時々どうしようもないほど憎くなる
あなたは瞳の奥をのぞかせない
そのくせ私の心は何もかも見透かされてる

ピアノのように磨き上げた あの黒い車はどのあたり?
この「さよなら」はひと時のため? それとも永久の別れなのか

失い続けるばかりの時間 無垢な笑顔ではしゃいでたのは遠い日

出典: 瞳の奥をのぞかせて/作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁

恋をしていると、自分の恋心は相手にばればれであるように感じられます。

しかし、相手の心はよくわからない。

ときにわかったような気がしても、次の瞬間にはそれが間違いであるように思えたりします。

冷静に考えると他人の気持ちなどわかることはないのです。

相手の性格の理解と、相手への信頼が、わかっているという感覚にさせるだけでしょう。

そして信頼を共有することは、実際の理解へと自然とつながっていきます

「心がわからない」そう思う主人公は、相手を信頼していません。

信頼できるだけの材料を相手が渡していない状態であるともいえます。

どれほど長く見つめあっても、本当に欲しいものが見えない瞳。

自分の心だけ明け渡す虚しさに主人公は疲弊していくようです。