「あなたは自分が始めたことを理解しているの?

私はただパーティーのためにここに来ただけよ

それなのにいまや私たちは艶めかしい振り付けをしながらダンスフロアで揺れ動いているの」

上述した通りこの日の私はただストレス発散のためだけにクラブに出向いています。

しかしいまや運命の人とめぐり逢ったと心ときめかせながらあなたと踊っているのです。

いまこうして艶かしく踊っているのはすべてあなたのせいなのというニュアンスを感じ取ってください。

一部の動物と同じく求愛のためにダンスを踊る人がほんの一握りですがこの世界にはいるのです。

こうした人々にとっていい男・いい女の条件はスマートに踊ることができるかにかかっています。

私とあなたはこの点では最初から合格圏内の実力がある人なのでしょう。

クラブには色々な人たちが集いますし、踊り方などいっさい決めごとがなくなっています。

多様な踊り方が許されていて、どんな風に楽しんでも構わない空間でしょう。

とはいえやはり物事には上手い人というものがいるのです。

洗練されたスタイルで踊ることができる人は周囲の目を惹きます。

目立つことだって大事な価値なのです。

私とあなたはダンスフロアでかなり目立つふたりだったのでしょう。

クラブの薄暗い空間でライトに照らされながら踊るふたりの夢中さが目に浮かぶようです。

ふたりの心のうちにはすでに恋の炎が燃え盛っています。

急速に距離を縮めてしまったふたりはこの先どうなるのでしょうか。

実は最後までふたりの未来は描かれません。

「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」はすべてこの夜の出来事だけで完結するのです。

ラブソングのように思えるしロマンスはあるのですが、メインテーマは別のことなのでしょう。

急接近する私とあなた

リアーナ【ドント・ストップ・ザ・ミュージック】歌詞を和訳&解説!あの曲を引用?一晩中盛り上がろう♪の画像

Your hands around my waist
Just let the music play
We're hand in hand, chest to chest, and now we're face to face

出典: ドント・ストップ・ザ・ミュージック/作詞:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney 作曲:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney

「あなたは私の腰に手を添える

音楽が鳴るままにしているのね

私たちは手と手を取り合って、胸と胸を合わせて、いまや顔と顔を向かい合わせているのよ」

出逢ったばかりのふたりでも身体を密着させて踊ることが可能です。

ただし双方に理解がないといけません。

これは何ごとおいてもそうなのですが理解ないところで羽目を外すのはアウトです。

クラブで弾けたいからといって誰彼構わずに身体を密着させていると怖い人に怒られます。

怒られるだけならまだマシかもしれません。

クラブでも相応の節度は保っていてください

私は出逢ったばかりのあなたにすっかり心を預けてしまいます。

それどころか肉体的な接触さえ嫌がらないのです。

この夜にあなたのすべてを知りたいという気持ちがあるのでしょう。

クラブで一緒に遊んでも夜が明けると他人に戻ってしまうのが普通ですから。

ふたりのキラキラした姿を美しく思うその憧れをリアーナと制作チームは引き出したかったはずです。

クラブでのパーティーではどんなことも起きうるから外に遊びに出かけて欲しい。

そして人生をエンジョイすることが何よりも大事だと教えてくれているのです。

ダンスフロアあれこれ

リアーナ【ドント・ストップ・ザ・ミュージック】歌詞を和訳&解説!あの曲を引用?一晩中盛り上がろう♪の画像

I wanna take you away, let's escape into the music, DJ, let it play
I just can't refuse it, like the way you do this
Keep on rockin' to it
Please don't stop the, please don't stop the music

出典: ドント・ストップ・ザ・ミュージック/作詞:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney 作曲:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney

「私はあなたをさらってゆきたいわ

音楽の中に逃げ込みましょう

DJはそのまま音楽を鳴らしていてね

私はもう拒めなくなっているわ

あなたがこんな感じにするから

踊り続けなさい

どうかお願い 音楽を止めたりしないで」

コーラスというかサビに当たる部分です。

実際にはこのラインを2回繰り返しますが、紙幅の関係でリピートは割愛しました。

タイトルがここで歌われています。

この箇所こそがメインテーマを示唆してくれているのです。

私とあなたのふたりは刹那な愛を育てながらも音楽に没入しています。

一心不乱に踊るには音楽との一体化がどうしても必要になるからです。

恋心は別腹のようなものなのでしょう。

本能的に踊ることの楽しさと恋への情熱というのは併存しえます。

指摘した通り求愛のダンスというものがあるようにダンスと恋愛というのは非常に親しい関係です。

人生の悦びを思い切り身体で表現するということ。

その悦びが愛にまつわるものであることですからダンスと恋は共時性があるのです。

悦びを覚えて思わず身悶えしたり、身体が動いたりすることは誰でもあることでしょう。

そうした感情と身体での反応の一致の仕方に一定の儀式性を持たせたものがダンスの起源です。

それは古代の祭式の中から誕生したものでしょう。

本来は神への愛を捧げるものであったのが、恋愛のために踊ることへと変わってゆきました。

封建時代の舞踏パーティーなどは現代のダンスフロアの原型かもしれません。

「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」は恋のバックグラウンド・ミュージックでしょう。

一方で音楽やダンスすること自体への讃歌にもなっています。

どんな恋の背景にも音楽は鳴り響いているからDJはプレイを止めてはいけないのです。

一方で音楽の中でも踊るための音楽が至高だとリアーナと制作チームは思っているかもしれません。

ダンス・ミュージックにある祝祭感は音楽から獲られる悦びの中でも最上級のものです。

だからこそ私は音楽を止めてはいけないと祈るように願っています。

1対1の関係で

異空間だからこそ弾ける

リアーナ【ドント・ストップ・ザ・ミュージック】歌詞を和訳&解説!あの曲を引用?一晩中盛り上がろう♪の画像

Baby, are you ready? ’Cause it's getting close
Don't you feel the passion ready to explode?

出典: ドント・ストップ・ザ・ミュージック/作詞:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney 作曲:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney

「ねえ、あなたの準備はできているの こんなに近付いて来ているのだから

パッションが破裂しそうなのをあなたは感じているの?」

私の恋心は一度発車したら止まることを知らないようです。

同じような気持ちがあなたにあるのかを確かめずにはいられません。

こうして恋心を隠さない人は素敵です。

恋の悦びを素直に表現できるのはひとつの才能に違いありません。

もちろん歌の中でのお話であり、フィクションであることが大前提です。

私たちは自分の恋心を相手にどう伝えるのか悩み続けます。

こうして悩んでいる時間も恋にとって大切な瞬間であることは確かでしょう。

しかしこの歌の語り手の私のように自分の気持ちをストレートに伝えられることを羨ましく思います。

色々と思い悩むのが人間というもののいいところです。

しかしなぜか不思議なのですがクラブやパーティー空間では気持ちを伝えることに迷わなくなります。

日常とは異空間であることが心を解放させるのかもしれません。

クラブに来る女性にはナンパされに踊っている人もいます。

素敵な人がいたら声をかけてみてください。

しかし中にはとにかくストイックに踊りに来ている人もいます。

むしろこうした人の方が多数かもしれません。

そうした人に声をかけてもいいことはありません。

このふたつのタイプに見分け方はないでしょう。

当たって砕けることが大事ですがストイックな人にとってナンパは迷惑行為です。

そこから派生するトラブルにこの記事は一切の責任を負いかねます。

どうぞご注意ください。

リアーナとふたりきりのショー

リアーナ【ドント・ストップ・ザ・ミュージック】歌詞を和訳&解説!あの曲を引用?一晩中盛り上がろう♪の画像

What goes on between us, no one has to know
This is a private show, oh

出典: ドント・ストップ・ザ・ミュージック/作詞:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney 作曲:Mikkel Storleer Eriksen Frankie Storm Michael Jackson Tawanna Dabney

「私たちふたりの間で起こることは誰も知りようがないの

これはプライベートなショーよ」

公然とクラブで行っていることなのですが誰にも知られないということはどういうことでしょうか。

クラブによく行くリスナーにはお分かりでしょうが、あまり他のカップルの動向など意識しません。

かかっている音楽と自分、もしくは自分たちのことで精一杯なので気が散ったりはしないのでしょう。

もしくはあの暗がりの中の固有な密室感のようなものが秘密を守ってくれるような気がするのかも。

一方でリアーナはあなたといいながら私たちリスナーに語りかけている可能性があります。

特にショーというワードが出てくる辺りがそうした想像を活発にさせるのです。

リアーナとリスナーとの間で行われるプライベートなショーを想像してみるとワクワクするかもしれません。

あなたについての描写はオーラについての言及しかないのです。

なぜかと考えるとリスナーがあなたに自分の姿を投影しやすいようにしたという可能性が浮かびます。

「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」自体がクラブでかけられることを目的としているでしょう。

一方、自宅でくつろぎながら聴いている人もいます。

むしろ自宅で鑑賞している人の方が絶対数では多いです。

そうしたリスナーはクラブにいることを想像しながら聴いているのです。

ここではリアーナとリスナーは1対1の関係になります。

まさにプライベートなショーという状況が生まれているのです。

このリスニング空間で行われていることはもちろん誰も知るはずがありません。

「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」は讃歌

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