「ハガレン」とは
正式名称は「鋼の錬金術師」。
2001年から2010年まで月刊少年ガンガンで連載され、単行本の累計発行部数は7000万部を記録した漫画です。
ストーリー
とある片田舎に生まれ育った主人公、エドワードとアルフォンス兄弟。
高名な錬金術師である父親、ヴァン・ホーエンハイムのもとで錬金術を磨いていきます。ところがある日父親が失踪。
兄弟は母親トリシャによって育てられますが、ある時病気で彼女が亡くなってしまいます。
その後、錬金術師のイズミ・カーティスのもとに弟子入りした兄弟。厳しい修行を経て実力をつけていきます。しかしそれにはとある目的がありました。
なんと錬金術最大の禁忌である人体錬成で、母トリシャをよみがえらせようと考えていたのです。
しかし錬成は失敗。エドワードは左脚、アルフォンスは全身を失う結果となってしまいます。
どうにかアルフォンスの魂だけでも取り返そうと、エドワードは自分の右腕を代償にし、成功。空っぽの鎧にその魂を定着させます。
そんな中、国家錬金術師のロイ・マスタングが優秀と噂の兄弟をスカウトにやってきますが、2人の姿を見て起きたことをさとり、叱責(しっせき)します。
そして「自分の身体を取り戻したいなら訪ねてこい」と言い残して去っていきます。
失意の中にあった兄弟ですが、その言葉を聞き「身体を取り戻すため軍の狗(いぬ)として生きる」覚悟を決めるのでした…
「RAY OF LIGHT」は父親への気持ちをつづった歌詞が魅力
この曲を歌う中川翔子さんは、作詞もつとめています。
鋼の錬金術師の主人公、エドワードとアルフォンスは幼いときに失踪した父親を憎んでいて、父親と同じ錬金術師になった事への葛藤を抱えています。
中川翔子さんもミュージシャンの父親を早くに亡くしており、同じように歌を歌うことに葛藤があったと語ります。
けれど、初めてコンサートを開いたとき、憎しみだけではなく彼に一歩近づくことができたのです。
答えは出ない、悩みは消えない、けれど歩み寄る事はできた。そんな気持ちを込めて作詞したのだそうです。
実際のところ、特別な言葉選びをしている曲ではありません。
葛藤を感じつつも、ひたむきにそれに向かい合おうとする前向きな歌詞が特徴です。
それは等身大の中川翔子という女性の想いであり、誰でも共感できる内容となっていると思います。
歌詞を徹底解釈!
何かを許せずにいた
あの日からずっと
泣かないと決めてきたけど
痛みを重ねても
何かを許せずにいた
もう戻れない いくつもの日々
僕はまだ何もできずに
君のいた記憶の破片
またひとつ消えてゆく
出典: RAY OF LIGHT/作詞:中川翔子 作曲:鈴木健太朗、木村篤史
父親を失った日。その日から決して泣かないと決めてきた。
けれど、辛い思いをどれだけ重ねても、許すことはできない幼さ。
きっと許せないのは、自分以外の何かではなくて、自分自身の幼さなのでしょう。
けれど、幼いがゆえにそれを認めることができない。そんな葛藤を感じます。
過ぎ去ってしまった懐かしい日々。
受け入れられないまま、拒むこともできないまま、少しずつ記憶だけが薄れていくのです。
この声がいつか届くように
今日よりもっと
強くなりたい
この声がいつか届くように
歩き続けて
風が止んだら
君を探して空見上げるよ
夜明けの先に光が射すよ
出典: RAY OF LIGHT/作詞:中川翔子 作曲:鈴木健太朗、木村篤史
いつか父と語らえる日が来るように。そんな兄弟の想いを前向きに歌っています。
強く優しい光が射す未来を目指し、歩き続ける。
その先には、きっと葛藤を超えて自分と向き合える日がくるはずだから。