back number「パレード」
15thシングル「僕の名前を」収録
「パレード」は、back numberのシングル「僕の名前を」のカップリングとして収録された曲です。
2016年5月に15枚目のシングルとして発売されたこの作品は、オリコン週間チャートで6位を記録しました。
表題曲「僕の名前を」は、人気漫画を原作とした映画「オオカミ少女と黒王子」の主題歌となっています。
大切な人への真摯なメッセージを歌った「僕の名前を」とは対照的に、「パレード」は恋する男の子の勘違いと嫉妬を明るい曲調で描くポップで軽い仕上がりの曲に仕上がっています。
back numberの中心人物・清水依与吏とは?
back numberの全ての作詞・作曲を務めているギターボーカルの清水依与吏さん。
これまで世に送り出されてきた数々の恋愛ソング・失恋ソングは彼の手で作られてきました。
バンドを始めるきっかけになったのは「彼女をバンドマンに寝取られたこと」、バンド名back numberの由来は「自分よりバンドマンを選んだ彼女にとって、自分は型遅れ(バックナンバー)だ」というものと、バンド誕生のきっかけには彼の失恋がとことん関連しています。
「失恋ソングの帝王」という異名までできるほど「失恋」というテーマに強いこだわりを見せる彼のソングライティングには、そんな過去の出来事が強く影響しているのでしょう。
穏やかで控えめに、リアルな言葉で「恋」を見つめて表現していくその世界観は、「恋愛に控えめ」と評される近年の若い世代を中心に共感を呼んで多くの支持を集めています。
「パレード」の歌詞を紐解く
今日からは片想い
さようなら両想い(仮)
こんにちは片想い
寄りかかって来たあの時も
普通につまずいただけさ
今は祈ろう彼が浮気でもして
君にビンタされる日を
僕はそんな事しないと思うので
今度ぜひ僕の腕の中へ
出典: パレード/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
歌詞は、曲の主人公が自分の片想いに気づくところから始まります。
「さようなら両想い(仮)」という表現からは、今まで好きな子と両想いだと主人公が自分だけ勝手に思い込んでいたことが分かりますね。
寄りかかられたりした経験から「これは脈ありだ」と思ったのでしょうか。
しかし、そんな「君」には実は彼氏がいました。それを知って主人公のさびしい「片想い」が始まります。
彼氏の存在を知り、そいつが浮気でもして「君」に嫌われてしまえばいい、とこぼす主人公。
そんな愚痴を呟きながら「僕はそんな事しないと思うので」と自分を推す一言も織り交ぜてくる主人公のくじけない姿勢はある意味で凄いですね。
勘違いに気づいて
思い切りの良い勘違いを
し続けられなかった僕はこれから
片想いゾーンに突入
あと少しのとこで危うく
好きとか言うとこだった
まさか彼氏がいるとは
思いもしなかったな
共通の友人の話では割と
普通にうまくいってるそうだ
出典: パレード/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
もし「君」に彼氏がいる事実を知らないままだったら、主人公は幸せな勘違いの中にい続けることができたのでしょうか。
しかし、このままだったら主人公は確信と自信を持って「君」にアタックし、「彼氏がいるの、ごめんなさい」と撃沈する結末を迎えていたことでしょう。
それを考えると、事前に気づいて救われたと見ることもできますね。「危うく」恥をかくところでした。
好きな子には彼氏がいる。しかもどうやらうまくいってるらしい。これでは主人公の立ち入る隙はありません。
想像なんてやめよう
さようなら両想い(仮)
こんにちは片想い
やけに近かったあの時も
少し飲みすぎていただけさ
さぁ堪えよう彼だけに見せる
あんな姿こんな姿の
君など想像してないで
あぁなんで 僕だって見たいのにな
出典: パレード/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
そうして片想いになった主人公。
飲み会で距離が近かった「君」。そんな思わせぶりな言動が、主人公を勘違いさせる結果を生んだのでしょうか。
「君」が思わせぶりだったのか、主人公が思い込みの強い性格だったのか、それは部外者の私たちには分かりません。
好きな子に彼氏がいるということは、その子の色々な姿を見られる男が存在するということです。
少し前まで自分がその立場になれると思っていた主人公には、その事実に耐えるのは中々難しいことでしょう。
「僕だって見たいのにな」と諦めのつかない心情がうかがえます。
ひっそりと二人を呪って
君を奪い去る為に足りないものは何?
顔、身長、判断力、お金、特技、
あとほらオシャレな服とか
出典: パレード/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏