変態紳士クラブセカンドEP収録曲
変態紳士クラブの「YOKAZE」は、2020年4月にリリースされたセカンドEP「HERO」に収録されています。
ゆったりとしたテンポとリリックが印象的な楽曲です。
歌詞からはどんな嫌なことがあっても不安や不満は吹き飛ばそうというメッセージを感じられます。
そして「自分の人生は自分のものだ!」という勇気を貰える楽曲です。
理由はあの悪夢
悪夢を追い払いたい
不安や不満を飛ばすため
窓を開けたHigh way
車は走ってく 理由はあのNightmare
出典: YOKAZE/作詞:VIGORMAN・WILYWNKA作曲:GeG
このフレーズから歌詞の世界が始まります。
「High way」は幹線道路のことです。
主人公が幹線道路を走っている車の中で窓を開けている情景が浮かんできます。
「Nightmare」は悪夢という意味の言葉であり、主人公は悪夢のような出来事を体験してしまったのでしょう。
走っている車の窓を開けると、車内の空気が入れ替わり、気分転換できます。
主人公は悪夢のような経験で抱えてしまった不安や不満を吹き飛ばしたいようです。
この部分では、そんな主人公の心情が描かれています。
俺は俺の人生を
ただ争ったっていいだろこれは俺の人生さ
なるようになるさ大抵 失敗すらいつかDigest
出典: YOKAZE/作詞:VIGORMAN・WILYWNKA作曲:GeG
1行目の歌詞からは、自分の人生に対する力強い意志が感じられます。
どんな悪夢のような出来事があったにせよ、勝ち目がない相手と争うことになろうとも気にしないのでしょう。
なぜなら他ならぬ自分の人生だから、という力強い意志が感じられる歌詞です。
起こってしまった悪い出来事が、例え自分の失敗からくるものだったのかもしれません。
それでも、その失敗もいつかはダイジェストになるという、前向きな気持ちが感じられます。
これは一種の開き直りの心境とも読み取れますが、主人公の人生観をストレートに表現している歌詞です。
夜の高速
風にゆられて
風に揺られる 夜の高速
星を眺める 今何思う?
誰かの影が付き纏う
逃げた先にある崖にでも飛ぶ?
oh baby
出典: YOKAZE/作詞:VIGORMAN・WILYWNKA作曲:GeG
主人公を乗せた車は、幹線道路から今度は高速道路に入って走っているようです。
風は先ほどよりも早く、そして多く車内の中を吹き抜けていきます。
そして、パーキングエリアに停車し、夜の風に吹かれながら星を眺める主人公の姿が想像できるでしょう。
2行目の「今何思う?」というのは、ここには居ない誰かに心の中で問いかけている台詞です。
また、3行目の誰かとは一体誰のことなのかが気になります。
おそらく、主人公の悪夢のような出来事に関わっている人物でしょう。
ここでは主人公から恋人を奪った人と解釈しました。
つまり、この主人公は最愛の恋人を奪われてしまったのです。
そして、奪われてしまったかつての恋人に対して問いを投げかけています。
しかし、奪われたとはいっても恋人の意思はどこにあったのかはわかりません。
恋人も合意の上であり、主人公のもとを自ら去っていったのかもしれません。
自分のもとから別の恋人を作って逃げてしまったかつての恋人への反抗心を表しているとも感じられます。
かつての恋人とその相手を、想像の中で崖からふっ飛ばしているのです。
しかし、まだ主人公は恋人に未練があるのでしょう。
もう恋人ではないのにもかかわらず、つい恋人のように呼んでしまう主人公が居ます。
恥だけの人生への苦悩
恥だらけこの人生
引けず未だに粋がってる
死にたくて生きたくてもう
頭がパンクして今に壊れそう
出典: YOKAZE/作詞:VIGORMAN・WILYWNKA作曲:GeG
この部分では、主人公の葛藤が描かれています。
1行目は、誰しもが1度は思うことではないでしょうか。共感を生み出す重要な歌詞です。
そして、過去の失敗や過ち、恥ずかしいことも心に抱えながら強がってしまうという描写が続いています。
この文脈から読み取れるのは、恋人を略奪されてしまった自分のふがいなさ、情けなさです。
情けないとは思いつつも、未だに粋がってしまっている自分に対する苛立ちも読み取れます。
更に3行目で描かれているのが、この先の人生を生きる上での矛盾した2つの感情による葛藤です。
恋人を略奪されたという恥ずかしい過去を背負って生きる上で、考えすぎてしまっているのでしょう。
考えすぎた結果、自分が壊れてしまうのではないかという不安も描写されています。