Suchmosの哀愁漂う1曲「Fallin'」
今回はSuchmosの哀愁漂う1曲「Fallin'」という曲を紹介します。
この曲は2015年4月8日にリリースされた彼らの1stEP「Essence」、また同年7月8日にリリースされた1stフルアルバム「THE BAY」にも収録。
MVが制作された作品も、Suchmosにとってはこの曲が一番最初だということもあって、彼らにとって思い入れのある1曲なのではないでしょうか。
和製ジャミロクワイの称号を欲しいままにし、日本のメジャー音楽シーンでは一際異彩を放つSuchmos。
そんな彼らの原点とも言えるこの曲を、今回は紐解いていきましょう!
夜の街を舞台に
夜の街を舞台に、思い思いに過ごす男たち。
1人タバコをふかす者、スケボーに乗ってただただ街を走り回る者、仲間と集まりダンスをする者。
夜は若者たちにとって特別な時間。
街が寝静まった後の、自分たちだけの世界。
そんな不思議な魅力を感じたことはありませんか?
楽曲解説
哀愁の漂うギターフレーズに、無表情にビートを刻むリズム隊、浮遊感を称えるシンセの音色。
静まり返った夜の街の空気をまさに表現したかのようなイントロからこの曲は始まります。
続いてのAメロ部分では、けだるさを感じさせるヴォーカル。
まるで夜の街を背に、物思いにふけっているかのようです。
楽曲は特に盛り上がりもなく、淡々と進行していきます。
そしてBメロではなんと、ベースとヴォーカルだけになるという、この曲で1番耳を引くアレンジを展開。
このシンプルかつ斬新なアプローチが、どこか神秘的にも響きます。
途中から後ろで流れ出すおぼろげなギターが、その雰囲気を更に煽っていますね。
最後にサビ部分。ここでもそれまでとはテンションは変わらず。
それでも、メロディもリズムもダンサブルに。
一貫してローテンションを貫きつつも、ブラックミュージックをルーツにしたSuchmosの真骨頂を見せてくれます。
そしてなんとこの曲、収録時間は5分近くあるのに、1番しかありません。
これはなんとも不思議な感覚にさせられる1曲ですね。
シンプルさが多くを物語る「Fallin'」の歌詞を紹介
ご覧いただくとわかるのですが「Fallin'」の歌詞は、その曲の長さには比例せず、短くてシンプルです。
でもだからこそ、聴く人の想像を掻き立てる内容になっています。
ここからは、その歌詞を少しずつ紐解いていきます!
ささやかな喜び
雨が降り止んだ Like a wonder
味の無いサイダー 気まずいライター
出典: Fallin'/作詞:YONCE 作曲:Suchmos
まずはAメロ前半から見ていきましょう。
雨が降り止んだことを、奇跡のようだと言っています。
ひっそりと夜の街へと繰り出そうにも、雨が降っていてはそれも台無しです。
これは「止んでよかったな」というささやかな喜びの表れではないでしょうか。
街へ繰り出して、味の無いサイダー(炭酸水?)を飲みながら、タバコをふかす。
ライターを持っているのが気まずいのは、彼が未成年だからでしょうか?
それとも、禁煙していて、隠れてタバコを吸っているのでしょうか?
歌詞がシンプルなだけに、いろいろと想像が膨らみますね。
愛は稲妻のよう
愛とはなんだ Like a thunder
しらけたムービー 古臭いシアター
出典: Fallin'/作詞:YONCE 作曲:Suchmos
続いてAメロ後半です。
「愛は稲妻のようだ」という、なんだか気恥ずかしいフレーズが登場します。
英語にすることで、その気恥ずかしさも中和されている気がしますね。
人を愛する感覚は、稲妻に打たれて全身に電撃が走る衝撃のよう…といった感じでしょうか。
続く歌詞から推測するに、これは映画の中で登場するセリフなんでしょう。
夜の街へ繰り出して映画を観る…レイトショーですね。
それにしても、本当にしらけた映画です。(笑)
落ちていく
Fallin' fallin' blue
Fallin' fallin' love
出典: Fallin'/作詞:YONCE 作曲:Suchmos