再び歩き始めていく

行き交う人の流れに逆らい 今あたしは何処へと向かうのだろう
徒然なる夜には 月明かりの中で君を思い出そう

出典: タユムコトナキナガレノナカデ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊

なんとか立ち上がり、歩み始めた主人公。

しかしまだ目的の場所があるわけではなく、どうすればいいのかと悩んでいるようです。

そんな悩みを少しでも晴らそうと、心の中で君のことを考えます。

主人公にとって、君は心の支えとなる人物なのでしょう。

君がいるからあたしは頑張れているのだと噛み締めているようです。

この部分の歌詞は主人公の弱い面を描いていると捉えられる一方、成長している過程を描いているともいえます。

周囲に頼ったり、誰かのせいにしてばかりいた過去。

その主人公が彷徨いながらも、今は自分の足で歩いているのです。

特に一行目の前半は、そういった能動的な姿勢や反骨心を描いているように思えます。

まだまだできる

生まれた有りっ丈の声よ 一向に伸びやかに 行け
途切れた行くあての無い道 いつの間に忘れていた自分

出典: タユムコトナキナガレノナカデ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊

心の赴くままに。

主人公のそんな心情が読み取れます。

挫折を味わう中で、目指していた夢を見失い、諦めてしまったのでしょう。

彷徨いながらではありますが再び歩き始めたことで、かつての情熱が蘇ってきたと歌っています。

「今」を大切に生きる

孤独さの上に見たものとは何だったのか 気が付いた日々の重さを
ある一定の距離を計ろうとしていたんだ 遠ざかる明日をめざして

出典: タユムコトナキナガレノナカデ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊

挫折していた頃の自分を思い返しています。

誰かに頼ったり、誰かのせいにすることでしか他人と繋がれていなかったあの頃。

心の中では淋しさを抱えていました。

希望を見出すこともできず、見出そうともせず、ただ生きているというだけの日々。

立ち直ることができた今だからこそ、時間を蔑ろにせず、大切にしなければならないと考えられるようになったのです。

「未来」を見据えて「今」何ができるか

行き交う人の流れを掻き分け 今あたしは何かを探すのだろう
敬虔なる祈りは 月明かりの中で何を奏でよう

出典: タユムコトナキナガレノナカデ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊

今の自分なら、また新しい目標を見つけることができる。

そんな心情を描いています。

目指すべきものなく歩いている主人公にとっては、それが今一番必要なことなのでしょう。

そして二行目からも成長が感じられます。

一番では心の支えである君を思うことで、生きる気力を保とうとしていました。

それが二番では君でも他の誰でもなく、自分自身の未来を思い、何ができるだろうかと考えているのです。

以前の主人公であれば、未来を憂いていただけだったのかもしれません。

今の主人公にとっては、未来のためにできることを考える時間が生きる気力となっているのです。

どんな「今」も糧になる

弛まぬ時の流れに 今あたしは
何を思い何を見て何を感じながら生きるだろう
恐れることそれすら包み込める 全て愛し続けよう

出典: タユムコトナキナガレノナカデ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊

力強い言葉が並びます。

時間を蔑ろにし、ただ生きていたというだけの過去もありました。

今では一秒たりとも無駄にはできないと考えています。

どんな困難も糧になるのだと立ち向かっていく背中は、以前の主人公からは考えられないほどたくましいです。

希望と誇りを胸に

過ぎ行く人の流れに逆らい いざあたしは明日へと踏み出すから
確かなもの一つを手に入れたら いつの日か君と分かつ

果てなき旅路の上に今あたしは君を想い
夢を歌い 日々を感じながら生きてゆこう
息づくこの歌がね、きっと届く 弛まぬ流れの中で…

出典: タユムコトナキナガレノナカデ/作詞:山下穂尊 作曲:山下穂尊