Suchmosのライブ
今や日本を代表するバンドSuchmos
NHKサッカーテーマソングや、コマーシャルにもタイアップされるなど、今や日本を代表するバンドに成長したSuchmos。
彼らはライブでもその魅力を発揮しています。
チケットの当選倍率は数十倍と言われ、オークションサイトでは定価の数倍の値段がつけられていることもあるほどです。
そんなSuchmosのライブに興味を持っている人も沢山いることでしょう。
しかし彼らのライブにどこか敷居が高そうなイメージを持ってしまうのは私だけでしょうか?。
これまでのJ-POPになかったクールでハイセンスな音楽が、そんなイメージをふくらませてしまうのかもしれません。
『うまくノれるかな?』『おしゃれしないと浮いちゃうかな?』などと、心配になってしまいます。
そこで彼らがどんなライブをするのか?またSuchmosのライブ会場の雰囲気についてもお伝えしたいと思います。
極上のBGM
Suchmosのライブにおいて、音楽は極上のBGMとなります。
空間を作り上げる音楽と言っても良いかもしれません。
ヴォーカルのYONCEのステージングはクールそのものです。
無理に盛り上げようとするのではなく、ただその場にある音楽に合わせて漂うように歌っています。
メンバーもパフォーマンスするというより、淡々と演奏しながらオーディエンスに『好きに楽しんで』と言わんばかりです。
見る人によっては彼らのライブスタイルを物足りなく感じるかもしれません。
ですが彼らはオーディエンスの一人一人を信頼して、楽しみ方の選択を任せてくれているのです。
一緒に歌うもよし、気持ちよく踊るもよし、ただ音楽に耳を澄ますもよしといった具合に。
Suchmosのライブは一人一人が自分のスタイルで楽しみ方を選択できるような、自由な雰囲気に満ちています。
ファンの年齢層の幅広さ
『若い子の中で自分だけ浮いてしまわないかな?』なんて心配される方もいらっしゃるかもしれません。
ライブ会場では若い世代が多いのは間違いありませんが、Suchmosは若い世代だけでなく、幅広い世代から人気を集めています。
最近ではユーミンやクレイジーケンバンドの横山剣もSuchmosのファンであることを公言しています。
Suchmosの音楽はおしゃれやクールと形容されますが、その中にも懐かしさや暖かみを感じさせるところがあります。
それも彼らが幅広い世代に愛される理由でしょう。
Suchmosの真の魅力はライブでこそ発揮される
メンバーひとりひとりの演奏力が半端ない!
Suchmosは『ライブバンド』だと言ってもいいかもしれません。
それ程彼らの生の演奏力は日本の音楽シーンの中でも秀でています。
ドラムのOKのタイトでありながらグルーヴィーなリズムは、抜群の安定感でビートを刻みます。
そこに日本人離れしたリズム感と圧倒的なフレージングセンスでベースのHSUが加わり、会場を揺らしていくのです。
ここぞという時に必ず決定的な仕事をするTAIKINGのギターと、TAIHEIのセンス溢れるキーボードの掛け合いは見事です。
そこにDJのKCEEが効果的なアクセントをちりばめながら楽曲を引き締めていきます。
最後にYONCEの自由自在なヴォーカルが重なり、見事なケミストリーが生まれるのです。
ここまで一人一人が個性を活かしあうバンドはSuchmos以外には見当たりません。
この6人が同時に音を出す瞬間を見られるのはライブだけなのです。
高いアドリブ力が成す『その日その時だけの音楽』
代表曲『YMM』のライブ映像ですが、CDに収録されている演奏とアレンジに違いがあります。
特にベースのHSUのアドリブが効いたソロパートはライブならではの即興性を感じさせてくれます。
演奏のテンションもCDよりやや高め。
オーディエンスとバンドの興奮が伝わってくる名演ですね。
SuchmosがCDの演奏をそのままなぞったような演奏をするバンドではないことがわかります。
彼らのルーツとしてあげられるHIPHOPやソウルミュージックなどのブラックミュージック。
最近ではそんなブラックミュージックにおいても、コンピューターと同期しながらライブを行うスタイルが主流です。
しかしSuchmosは生演奏にこだわります。
この映像を見ていると、彼らが音楽を生き物のように扱っていることに気付いていただけるのではないでしょうか?。
彼らは会場の雰囲気やオーディエンスのテンションに合わせて、曲を生まれ変わらせていきます。
つまり彼らのライブとは、二度と聞くことができない『その日その時だけの音楽』なのです。
音楽に身を任せて
Suchmosの音楽にはこれまでのJ-POPにあまり見られなかったブラックミュージックの影響を強く感じます。
慣れない人にとってはリズムが掴みづらく、『うまくノれない』と不安になるかもしれません。
そんな時は全身の力を抜いて音楽をただ感じてみてください。
そうすると自然に体が反応してくれるかもしれません。
あまり自分で体を動かそうと思うと逆に硬くなってしまうものです。
ただ流れる音楽に身を任せていれば、Suchmosが最高の場所に連れて行ってくれますよ。きっと。