GRANRODEOのメンバーは二人
声優・谷山紀章
ほとんどの場合、谷山紀章(たにやま・きしょう)が紹介される際には「声優界の異端児」と言われ、逆字引的に「声優界の異端児」で検索すると「谷山紀章」と出てくるほどの浸透ぶりを示す最強の異端児。
金色に近い茶髪にメッシュカラーでシャギーを入れたヘアスタイル、年齢不詳の若々しさ、派手なヒョウ柄などの衣装もカッコ良く着こなす、細身だけれど貧弱ではない体格。
発言も自由気ままでひょうひょうとしていて、キャッチフレーズは「Love & Peace + Eros」というのも納得なほど、赤裸々にエロを語るあっけらかんとした姿勢。
というか、下ネタがあまりに頻繁過ぎて驚きます。
しかし演じれば、気の強い俺様でも、ほんわか可愛いアイドルでも、ちょっと脳みそ足りない系の田舎者でも、まるで同一人物の声とは思えない演じ分けをする、本能で役者をする仕事人でもあり。
同じ声優界には「杉山紀彰」という、字面の似た人がいるため、「谷あり山あり紀章あり」と覚えてもらえれば、とどこかで言ってもいました。
しかし、見た目や声質、その圧倒的な歌唱力とは裏腹に、カエルと絶叫マシンと飛行機が苦手だというギャップがまた素敵(笑)。
さらに、飲むとキス魔になるそうで、男性の声優仲間の首筋にキスマークをつけるなど、やっぱりエロさは天然のようです。
ですが、意外にもインドア派で、趣味は読書や家でのDVD鑑賞だとか。
また、有名な話ではありますが、「キショウ」という珍しい名前は、建築士である父が尊敬する黒川紀章氏からいただいたそうです。
それを知らなかった谷山紀章が、上京して初めて住んだ部屋が黒川紀章氏が設計したものだったという、不思議なご縁もあったとか。
声優としてのデビューは1988年に、ほとんどちょい役で出演しただけでしたが、その後着々と人気を伸ばしていきます。
GRANRODEOでは「KISHOW」名義で活動し、ヴォーカルとすべての作詞を担当しています。
ミュージシャン・飯塚昌明
GRANRODEOでは「e-ZUKA」としてギターとすべての作曲・編曲を手掛けています。
ジャンルを問わず幅広い音楽を聴き、基本的に嫌いなギタリストはいないとのこと。
主に洋楽のギタリストからの影響を大きく受けているようですが、楽曲を製作する時には、ベースやドラムだけではなく、キーボードやウクレレまで演奏することもあるそうです。
その上、2011年度からはアメリカにあるMI JAPAN・GIT(ギター科)のスペシャルアドバイザーに就任するほどの腕前を持っています。
また、ギターオーディション「GITマスターズ」においては、審査委員長やスーパーバイザーを務めるなど、聴く方の能力も買われています。
ミューズ音楽院で講師を務めていたこともあり、かの有名な音楽制作集団「Elements Garden」の代表である、上松範康氏も教え子だとか。
アンプの音にも非常に強いこだわりを持ち、自ら楽器屋に出向いては、さまざまな機種を試奏するそうです。
ライブや雑誌に掲載されることも増えたため、自分の容姿よりも、ステージ上の機材の見た目を気に掛けるほどの熱の入れ具合。
まさしくプロのミュージシャンです。
では、まずは「Can Do」のオフィシャルのPVをご覧ください。
アニメ『黒子のバスケ』の主題歌に
ジャンルなんてない
GRANRODEOが所属する音楽レーベルは、主にアニメやゲーム、声優関連に強いLantisです。
KISHOWとe-ZUKAがGRANRODEOを結成したのは、2005年。
テレビアニメ『君が望む永遠』で、谷山紀章が演じるアニメのキャラクターソングを作る時に、谷山紀章が作詞し、そのアニメやゲームの楽曲を多く手掛けていた飯塚昌明が作編曲をしたことがきっかけです。
基本的には、二人が共通して好んでいるハードロックやヘヴィメタルを軸にした楽曲が中心。
しかしそれだけではなく、ポップスやオルタナ、メロコア、果てはパンクもファンクもフォークも、という、まったくジャンルに縛られない楽曲を作っています。
主役ではないけれど
今では音楽活動をしている声優は多いですし、その声優が主役級のキャラクターである場合には、そのアニメのOP曲やED曲として、その声優の楽曲が使用されていることも多々あります。
しかし、GRANRODEOの16枚目のシングル曲である「Can Do」が主題歌となった『黒子のバスケ』では、声優・谷山紀章はそう登場の多くはない、ライバル高校の氷室辰也という役でした。
主人公の黒子テツヤ役である声優の小野賢章も、2014年から本格的に音楽活動を開始していますが、アニメ『黒子のバスケ』がスタートしたのが2012年4月だったためか、主題歌を担当していません。
しかしこの楽曲は非常に青春がうまく表現されていて、ポップでキャッチーな流れの中に、「いかにも部活!」という、ある一時期の貴重な期間を切り取ったような爽やかさがあります。
サビの部分は結構高音ですが、敢えて地声を出しているのだとか。
また、少し前に引退した、プロ野球・阪神タイガースの小嶋達也投手が、2014年のシーズンから入場曲として使用していました。
やはりスポーツや青春など、熱い場面にはピッタリの楽曲なんですね。
それでは、アニメOP版の動画をどうぞ。
歌詞も思い切り青春
誰にでも当てはまる
『黒子のバスケ』は、その名の通りバスケットボールを扱ったアニメですが、「Can Do」はすべてのスポーツに共通するようなファイト感を漂わせている楽曲です。
そして、スポーツだけにとどまらず、勉強に四苦八苦している学生でも、毎日愚痴りたくなる社会人でも、恋愛に失敗した女性でも、相手やシーンを問わずに元気付けられるものでもあります。
そんな歌詞を見ていきましょう。
だから言ったじゃないか
弱さをウリにしたって前になんか進めやしないんだぜ
ねえ 儚い自分
演出したって誰も無感動
出典: Can Do/作詞:KISHOW TANIYAMA 作曲:MASAAKI IIZUKA
可哀想だとか、弱くて儚い脆い人間を演じても、誰も感動してかばってはくれません。
一時的に同情はされても、それも長くは続かないでしょう。
だからそんなことはしない方がいい、と先に言っていたのでしょうね。