唯一の提供曲も素晴らしい

Superfly【0】アルバム収録曲解説!タイトルの真髄を表現する豪華な楽曲のラインナップを深堀りの画像

唯一の提供曲です。

作詞は元スーパーカーのいしわたり淳治、作曲は蔦谷好位置。

この曲もシングルとして発表されました。

シングル発表時から「愛をこめて花束を」のアンサーソングとして売り出されます。

作詞のいしわたり淳治は「愛をこめて花束を」でも歌詞を書いているのです。

いまではすっかり職業作詞家として大成功を収めたいしわたり淳治。

スーパーカー時代はシンプルな言葉にこだわったのがいしわたり淳治です。

しかしこの曲や「愛をこめて花束を」ではしっかりとしたドラマを紡ぎます

彼の詩に応えるのが蔦谷好位置です。

Superflyデビュー10周年を祝う楽曲でもあります。

オーケストラを導入して非常に感動的な楽曲に仕上げました。

ピアノの切ない音色と越智志帆の落ち着いたボーカルでしっとり聴かせます。

さらに曲が進むうちに壮大なスケールになる素敵な楽曲です。

うっとりとしてため息をつきたくなるような美しさを感じさせてくれます。

「愛をこめて花束を」のその後

誰も気づかないかもしれない
こんなささやかな花には
いまは頼りないけど いつか
綺麗な永遠の花を咲かせられるわ
あなたとならば

光に包まれて
あなたと手を取って
眩しい未来へと
あなたと歩いてゆく

出典: Bloom/作詞:いしわたり淳治 作曲:蔦谷好位置

幸福な愛に満ちた希望あふれる歌詞になっています。

永遠の愛に訴えるような固い絆で結ばれた愛が基本になるのです。

片思いの歌詞が続いた後は幸せを感じる愛が歌われます。

愛もテーマでありますが希望というものの大切です。

歌い出しでは辛い状況も歌うのですがこのクライマックスでは未来への希望が開かれます

ずっとふたりで一緒に生きてゆきたいという思いを壮大なサウンドに乗せて歌うのです。

「愛をこめて花束を」で贈られたあなたへの思いが報われた未来を描きます。

あのふたりが幸せに将来を約束するという結末に胸を熱くなる人も多いはずです。

提供曲ではありますがSuperflyらしさが全開であふれてくる楽曲になっています。

10.「サンディ」

隠れた名曲になりそう

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そろそろ終盤に差しかかります。

波乱万丈、色々な楽曲を体感しましたがクライマックスにかけては安心できる楽曲が並ぶのです。

越智志帆は楽曲の配置にかなり悩んだことでしょう。

温かい思いを最後に感じて欲しいというはからいを優先させたようです。

これぞSuperflyの円熟ぶりを示す楽曲で、越智志帆が到達したポップスの到達点を示します。

既発表曲ではない新曲ですが安心して聴ける楽曲に仕上がりました。

アルバム全体を幸せの中にパッケージングするような隠れた名曲の誕生です。

リスナーに語りかけたものは

コツン 靴音が階段かけて 風の中に溶けた
遠く 離れていても 冷めない温もりを あげるよ

道に迷うのも 時々はいいものさ
好きな人に会えるかも
そんなストーリー 聞けるといいな
一日頑張って
ぐっすり眠ろうよ
からだ中にときめきを 光浴びて花となれ

出典: サンディ/作詞:越智志帆 作曲:越智志帆

越智志帆の柔らかい声音で希望について歌うのですから名曲にだってなります。

語り手は越智志帆自身でしょう。

彼女自身の姿は具体的には登場しません。

君という存在に語りかける歌詞になっています。

人生の応援歌的な側面が非常に強い歌詞になっているのです。

そうなると君はリスナーそれぞれになります。

私たちリスナーの幸福を祈りながらこの歌詞を贈ってくれるのです。

そのメッセージは力強くリスナーを鼓舞するというタイプではありません。

温かい視線で私たちの幸せを祈ってくれる歌詞になっているのです。

陽射しの中で幸福を感じながら生きてゆくことの大切さを教えてくれます。

挨拶のような軽さというものが一貫しているのです。

越智志帆自身がファンとの距離を身近に感じている証拠がここに現れているようでしょう。

そのままの私たちを全肯定して前へ行こうと歌います。

アルバム「0」にかける理念のようなものをリスナーの人生にも分けてくれるのです。

今日や明日を境にして新たなスタートをしようと歌います。

11.「Gifts」

クライマックスは超名曲で

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アルバムのクライマックスもまた安心できる楽曲です。

2018年10月10日発表、Superflyの通算24作目のシングルですでに名曲といっていいでしょう。

感動的な楽曲は越智志帆と蔦谷好位置の共作です。

聴きやすいサウンドですから間口が広く、多くのリスナーに支持されます。

制作のきっかけは中学生の合唱の課題曲を作るというものです。

いわゆる普通の中学生を対象にしているのですからソフトな印象を持つサウンドになっています。

公式MVが非常に興味深い内容ですので、記事とあわせてご覧ください。

このページからYouTubeへのリンクを貼りました。

9分もある大作のMVで、ドキュメンタリーになっています。

希望に満ちたこの曲でアルバムを閉じることで聴き終えた後の満足感は相当なものになるのです。

歌詞をご覧いただきましょう。

良質な文化との出会いの大切さ

でもね
あぁ 聴きたい 歌や 声が あるから
あぁ 泣いた 本や 映画が あるから
あなたを導く夢はある 照らしてみせてよ

ほらね
あぁ 強く まるい 心が あるから
輝くはずさ
涙に負けない あなたが生まれてゆく

出典: Gifts/作詞:越智志帆 作曲:越智志帆, 蔦谷好位置