アンドロイドと人間の恋を描いたせつないMV
前編
最初は大学の研究室に籠って研究を続ける男の子が出てきます。
研究を重ねてやっとの思いで完成したアンドロイド。
そう、主人公は研究者の彼が作り上げたこのアンドロイドの女の子。
出逢った瞬間は、喜ぶ彼をボーっと眺めるだけでした。
彼女は、彼にいろんなことを教わり、文字を書くことも絵を描くこともできるようになって、一緒に喜びをわかちあっています。
彼の得意なルービックキューブだって特大サイズを作って完成させてみたりするのですが・・・
後編
彼にはどうやらお付き合いをする彼女ができたようです。
彼のスマホの待ち受けになっている人間の彼女を見て、モップを髪に見立てて彼の白衣に寄り添ってみたり、ギターを練習してみたりします。
でも窓の外見ると付き合っている彼女にギターを教えて仲が良く過ごす2人の姿が。
彼の自宅の前まで行ってみるのですが、外から家の様子を見て帰ってきてしまいます。
アンドロイドである彼女は街の人に変な目で見られる自分が嫌になってしまい・・・
はじまりは何もかもが美しい
2人の出会い
宇宙を溶かしたみたいな瞳に
窓が映ってた とても綺麗だった
丘の上で溶けた真実のチョコレート
君の味がした とても甘かった
君は僕のそのネジを緩めてしまった
君が刻んだハイハット メランコリーなBeat
出典: Maybe/作詞:森良太 作曲:森良太
- 最初の2行
最初は彼目線で見た言い方なのですが、彼女にとっては生まれて初めて見る景色。
きっと徹夜続きで何日も?いやおそらくかなりの時間を研究に費やして、何年もかけて完成した彼女の瞳を見た彼の感想でしょうか。
やっとの思いで完成した彼女の瞳に移る景色は本当にすばらしくて、それはそれは美しく見えたのだと思います。
また、アンドロイドの彼女から見ても、その瞳を通して見える景色は何もかもが新鮮で、すべてが感動の連続だったはずです。
最初の歌詞は2人それぞれの目線で見た景色を1つの言葉で表現しているという風に捉えることができます。
- 次の2行
最初は字すらもまともに書けない彼女。
でも彼にとってはそんなこと1つとっても、彼女が目の前で動いていること自体が嬉しく感じられます。
MVを見ると彼にとっては楽しくて仕方がないので、常に笑っている様子です。
このあたりから、この歌詞は彼女目線になっていくイメージになります。
彼女はアンドロイドなので表情や言葉に出したりすることはないのですが、この歌詞がまさに彼女の感じていることを表していると言えます。
初めて見る世界の中で誰かと過ごす楽しさを感じ、何かが溶けていくのを感じています。
- 最後の2行
次のシーンでは彼がびっくりしてカップの飲み物を吹き出しそうになっています。
なんと彼女はめちゃくちゃ上手に字が書けるようになっていたのです。
MVをよ~く見るとわかりますが、彼女が書いているのはまさにこの曲の歌詞を書いているようですね。
彼は大喜び!彼女も表情に出すことはないですが、きっと喜んでもらえて嬉しいという気持ちが大きかったのではないでしょうか。
その様子が君が僕のネジ緩めてしまうと言い方で表現されているようですね。
ここではあくまでMVに沿っての解説になりますが、見るシーンによっていろんな意味に取れそうな感じがします。
2人で過ごす時間
2人の時間を積み重ねていくが…
Maybe 君のすべてが
歪んだ夜に紛れて
滲んだ境目を
何度も確かめ合った
Maybe 君のすべてが
幻になってしまう
どうにも出来ないな
ただ僕はずっと雨の音をきいてた
眠っているふりをして
出典: Maybe/作詞:森良太 作曲:森良太
- 前半の4行
しばらく、Brian the sunの演奏シーンが続きます。
MVを観ていると、ここは彼女の思いを集中して考えるタイミングなのかなと感じられます。
MVではどうしてもダイジェストになってしまいますが、きっと数日間の話ではないのではないでしょうか。
彼女が目覚めてからいろんなことができるようになるまでに彼は彼女の成長を見守って、一緒に過ごしてきたはずです。
彼女自身もそんな日々の中で、アンドロイドでありながらも人の心を持ちはじめたのだと思います。
それは俗にいう”恋心”。
人間とアンドロイドの違いにもどこかで気づきながら過ごしてきた様子がこの歌詞で表現されています。
- 後半の5行
シーンは変わり、彼女に芸術を教えていく彼。でも彼女は首をかしげて理解していないような様子です。
彼女は筆と絵の具を渡されるのですが、なんと、絵の具のチューブを何種類も手に持ち、遠くから絵の具を飛ばして1つの絵にしていきます。
その彼女の独特なセンスにも彼は喜び彼女の頭をなでるシーンが続きます。
このシーンは、彼女のリアルタイム思いとも過去の回想シーンとも取れます。
人間とアンドロイドの違いはどうしようもなくて、自分ではどうにでもできないという思い。
ただただそれに気づかないふりをするように、いつか自分の前から消えてしまう彼を喜ばせることができる今の環境を精一杯楽しんでいる。
そんな様子がこの部分では描かれているのではないでしょうか。
2人なのに感じてしまう孤独
軋んでいく夜に黄金のマーマレード
狂ってしまったんだ 僕ら孤独だった
ビルの屋上煌めく赤いライト
深い海にいたクラゲみたいだった
出典: Maybe/作詞:森良太 作曲:森良太