buck numberとは

buck numberの原点に帰る楽曲『重なり』の画像

清水依与吏(しみず いより)
1984年7月9日 生まれ、群馬県太田市出身。ボーカル、ギター担当。全楽曲の作詞、作曲を手掛ける。
小島和也(こじま かずや)
1984年5月16日 生まれ、群馬県伊勢崎市出身。ベース、コーラス担当。2005年10月加入。
栗原寿(くりはら ひさし)
1985年7月24日 生まれ、群馬県伊勢崎市出身。ドラムス担当。元メンバーの斎藤とは以前同じバンドに所属しており、2006年5月に加入した。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Back_number

ギャップで魅了する一曲『重なり』

buck numberの原点に帰る楽曲『重なり』の画像

今回は、buck numberの魅力を改めて感じることができる 『重なり』に焦点をあててみました。

この『重なり』という曲。 実は、bucknumberがインディーズ時代にリリースした 1stミニアルバム『逃した魚』に収録された一曲なんです。

2009年にリリースされているので、 もう8年前になりますね。

そんな『重なり』ですが、男女の別れを感じさせるような歌詞で、 一見切ない失恋ソングなのかな?とも思ったんです。

でも耳に入る音はとてもロックで、疾走感を感じられるほど、 かっこいいんです。 そんな『重なり』に秘められた歌詞について調べてみました。

ひとつため息をついてあなたは
投げ掛けられた疑問の答え合わせを始めた
最初の一言で気付いた
何も知らないのは僕だけ

出典: 重なり/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

この曲の出だしだけで、大切な人との別れを想像できた人はどれくらいいるでしょうか。

でも、大切な人から投げ掛けれられた疑問に、 一人戸惑い、孤立している「僕」の苦悩が感じられますね。

5分もない曲ですが、その最初から二人の不穏な空気を感じることができる一節に なっています。

実際曲を聴いてみると、とてもロックな曲になっていて、 ロック×大切な人の別れのコントラストがとても素敵です。

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抱きしめてよ そうすればほら
誰も憎まずに暮らせるから

出典: 重なり/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

”~だから””~できるから”という時、 人は理由を求めます。

抱きしめてくれたら、 何かが変わるかもしれないという願望を

抱いているのが読み取れます。

朝まで笑って重なり合って繋いだその手が
まだ心の片隅で繋がっているなら
解らなくなって傷付け合って流した涙が
教えてくれた事を覚えてるなら

深い海の底に沈んだ潜水艦の中で息をするように
最後は残された空気を分け合いながら消えて行こう

出典: 重なり/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

この二節で情景描写、心理描写を想像させることができるのは 作詞・作曲を手掛けるVo.の清水依与吏の魅力でもありますね。

「僕」と「大切な人」との想い出 「僕」そして「大切な人」の悲しみ

実は「僕」だけではなく、別れを告げた「大切な人」も この状況に悲しんでいるのだというのが

”分け合いながら”とあることから、 実は悲しんでいるのは1人ではないことがわかりますね。

心の片隅で繋がっているほど愛し合っている時には、 現在のような状況になるとは、 この時の二人には想像していなかったのかもしれませんね。

こういう出来事を、歳を重ねるにつれて誰もが経験したことが あると思います。

そんな歌詞に反して、疾走感のあるテンポで演奏していくので、 聴いていても切なさとかっこよさが入り混じっていくんですよね。

抱きしめてよ そうすればほら
君が望む 僕に戻れるかも

出典: 重なり/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

A面で”誰も憎まずに暮らせるから”に対して
”君が望む 僕に戻れるかも”と推量の言葉に変わっています。

断定の言葉から、推量の言葉に変化するほど、
「僕」の弱さ、二人の状況の変化が伺えますね。

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今更もがいて 確かめたって 離れたその手は
もう知らない誰かと繋がってるから
分からないよって 傷つけたって流れる涙は
もう何の意味も無い 分かってるけど

出典: 重なり/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

この一節で、ついに「僕」と「大切な人」の現在を描かれています。

何故、先程の歌詞では”君が望む僕に戻れるかも”だったのか。 その答えがここにあります。

今の”僕”の頑張りはもう意味をなさない……諦めの気持ちになっているのが、 歌詞の中に見え隠れしていますね。

好きな人の気持ちを動かせるなら、 誰だって、動かしたいですよね。

でも、人は神様にもなれないし、大切な人は自分とは違う人と繋がってしまっている……。

その現実を目の前に突き出されて、受けれなくてはいけないと自分に言い聞かせているようにも 感じられます。

でも でも分からないよ
分かりたくもないよ
それでも 今でも

抱きしめてよ そうすればほら
あの頃の二人に戻れるかも

朝まで笑って重なり合って 繋いだその手が
まだ心の片隅で繋がってるなら
分からなくなって 傷付け合って流した涙が
教えてくれた事を覚えてるなら

選んでよ 僕を

出典: 重なり/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

繰り返される言葉はもう「僕」の願望になっています。

「大切な人」を今でも失いたくない。 繋ぎとめていたい、という女々しさ。

理由は判らないけど「大切な人」を 傷付けてしまっていたという真実。

全てをひっくるめて感じていること、 「僕」から去ろうとしている「大切な人」に伝えたいのは

”選んでよ 僕を”

たった一つ、切なる想いだけなんです。

二人の思い出、感情の『重なり』 それはいつしか重なっては、通り過ぎてしまったのだと 感じさせる歌詞にも聴こえます。