ソナーポケットが贈る奇跡的な出会いを描くラブソング
ソナーポケットのラブソングに自分を重ね、いい意味で泣かされている人は多いと思います。
心に寄り添える音楽を作ることが彼らの信条なので、それも納得できますね。
今回ご紹介する【80億分の1】は、奇跡的な出会いを描く超ベタなラブソングです。
もちろんこちらも、いい意味で、です。
2021年2月に発売されたオリジナルフルアルバムの中のリード曲でもあり、タイトルにもなっています。
MVは田中圭と桜井ユキが出演するドラマ仕立てで、歌詞の内容とリンクさせて楽しむことができるでしょう。
今隣にいる誰かに不満があるなら、この曲を聴いて出会った頃の温かな気持ちを思い出しませんか。
その誰かが自分にとって本当に大切な人だということが、改めて実感できるはずです。
「ぼく」が「きみ」に感じる愛情が溢れる歌詞を、分かりやすく解釈していきたいと思います。
広い世界の中からきみを見つけ出せた幸福
80億分の1から
この広い地球で見つけたよ
たったひとり きみのことを
出典: 80億分の1/作詞:ソナーポケット 作曲:ソナーポケット・KOUGA
冒頭でいきなり登場するのは、後にサビでも歌われることになる歌詞です。
それを曲の始まりに持ってくるのは、これらの歌詞が曲の中心にある思いだからでしょう。
80億というのはおそらく、世界の人口を大まかに表した数だと思います。
ちなみに2021年時点での世界人口は、78億人強です。
78億分の1とするよりは80億分の1とした方が、歌詞としての納まりもいいように感じられます。
細かい数字はさておいても、それだけ途方もない数の中から、たった1人と出会うのはまさに奇跡です。
それが他の誰でもない愛する「きみ」だったということを、感謝しているようなニュアンスもあります。
いつしか手の届く存在になっていた
「嘘みたいだ」
勝手にひとめぼれをして
見惚れていた
きみが今ぼくだけを見てる
出典: 80億分の1/作詞:ソナーポケット 作曲:ソナーポケット・KOUGA
思わず言葉をこぼしてしまうほど、それは「ぼく」にとっては非現実的な出来事なのかもしれません。
かつてはずっと遠くにいた存在が、今は隣で微笑みかけてくれるまでになったのです。
一目惚れする経験は、誰にでも多かれ少なかれあるでしょう。
しかし、それが勝手な憧れ以上になる確率は、高いとはいえないのではないでしょうか。
もしかしたら「ぼく」にとっての彼女は、高嶺の花のような存在だったのかもしれません。
遠くからそっと見守るしか、できなかったのではないでしょうか。
MVの映像からも、何となくその様子が窺えます。
相手との間に格差があると感じる恋愛ほど、成就した時の驚きは計り知れないはずです。
現実離れした、夢の中の出来事のように感じられるのでしょう。
きみに恋して変わっていく現実
恋をすると世界が変わる実感は、誰しも覚えがあるのではないでしょうか。
【80億分の1】の「ぼく」とて、それは例外ではないようです。
分かる分かる!と共感が止まらない、リアルな歌詞が続きます。
ラブソングにも共感できるようになった
はじめて出会った日から
まるで興味がなかった
ラブソングが胸に刺さるなんて
出典: 80億分の1/作詞:ソナーポケット 作曲:ソナーポケット・KOUGA
男性は特に、ラブソングに興味のない人が多いのではないでしょうか。
「ぼく」もまた、恋を知るまではそうだったのでしょう。
それが彼女に出会ってしまって、ラブソングの歌詞が急に身近に感じられるようになったのです。
引用歌詞3行目の「なんて」という部分に、自分の変わりように驚く彼の心境が映し出されています。
ありのままをさらけ出してくれる相手になった
マスクをはずしたきみを
独り占めしてる
夢より夢みたいな現実だ
出典: 80億分の1/作詞:ソナーポケット 作曲:ソナーポケット・KOUGA
「マスク」という言葉の意味には、2通りの解釈の仕方があると思います。
1つは、医療用品としてのマスクの意味です。
もう1つは、「仮面」という意味での解釈です。
【80億分の1】では、後者の方がより意味が通じるのではと思います。
他人に対して裏表なく接するというのは、難しいことです。
程度の違いはあれど、誰もが自分というものに仮面を被せているのではないでしょうか。
「きみ」がマスクを外したというと、それはどういう意味になるでしょう。
つまり彼女は彼にとって、ありのままの自分をさらけ出してくれる相手になったのではと考えられます。
何にも遮られることのない顔を見せてくれる、そんな相手になったということです。
他の誰も見られない彼女の素顔を独占している自分に、彼は夢心地なのでしょう。