「ふたり」について
胸が締め付けられるほど共感しやすい歌詞、優しい雰囲気を持つ歌声が特徴的な女性シンガーソングライターMACO。
そんな彼女が2014年4月にリリースした、1stミニアルバム「22」に収録している「ふたり」。
MACOの前向きだけど、どこかメランコリックに思える歌声、そしてセンチな気持ちに浸れる儚いメロディは聴くだけでもグッときます。
互いに愛し合っていたけれど、離れ離れになることを余儀なくされたカップルの心情を歌った切ない失恋ソングです。
MACOといえば、リアリティある恋模様をストレートに表現する歌が印象的。今回は“関係の終わりを迎え、違う道を歩む男女”の姿を歌詞で再現しています。
“まだ好きだけど、お互いの為に別れるしかない”という恋の経験したことのある人が聴いたら「分かる…。」と頷いてしまうこと請け負いな内容。
ある意味で“生々しさ”すら感じるレベルかも?
収録アルバム「22」
MACOの記念すべき初ミニアルバムである「22」。
「ふたり」の他にも、20代前半の等身大の姿を歌ったリード曲「22」やR&Bミュージシャンのマット・キャブとコラボした「My Boy, My Girl feat. Matt Cab」などを収録♪
全8曲収録なので、興味のある方は是非他の曲にも目を向けてみてくださいね!
1. 22
2. HERO
3. Love Lie
4. Missing You
5. My Boy, My Girl feat. Matt Cab
6. この世界中で
7. ふたり
8. I Wanna Go
出典: 22/MACO
「ふたり」の歌詞を確認!
では早速ですが「ふたり」の歌詞について解説していきます♪
本作で描かれる切ない別れ方をしたカップルの姿に、思わずホロリと来ちゃうかも?
恋人を失ってから上手く立ち回れない日々
なにも上手くいかない
笑顔だって上手く作れない
心が凍えてる
自分がやるべきこと
しなくちゃって思うたび
君の笑顔が頭をよぎるの
出典: ふたり/作詞:MACO 作曲:MACO・Marchin
歌の物語は愛する彼氏との関係に終わりを告げ、喪失感に苛まれている女性の視点で描かれています。
「なにも上手くいかない 笑顔だって上手く作れない」。
心の支えだった最愛の人と別れ、悲しみや不安の感情が心に渦巻いている瞬間。
仕事や勉強をしなくちゃいけない時でも、大好きだった彼のことがどうしても頭に浮かび、どうにも手につかない。
心の拠り所を失うと誰しも虚脱感に支配されて上手く立ち回れないものです。
「心が凍えている」とは、まさにそんな辛い現状を露わにする表現。
まるで心が凍りついてしまったかのように、自分の笑顔ですらどこか違和感を覚える始末…。
老若男女問わず、失恋を経験した人なら誰もが共感できる場面ではないでしょうか?
虚構(映画)と現実のギャップに苦しむ
こないだ観た映画のヒロインが
彼とよりを戻すシーンで
君と重なって
苦しくなったけど
あたしとあなたは
別々の道行くの
出典: ふたり/作詞:MACO 作曲:MACO・Marchin
そんな状態で観ていたとある映画のワンシーン。歌詞から察するにラブロマンスをテーマにした映画でしょうね。
「彼とよりを戻す」とある通り、一度破局を迎えてしまったけれど、ある出来事を機に再び彼と一緒になる。
映画を観ていた女性の心はきっと羨望と後悔の念に押し潰されそうになっていたことでしょう。
フィクションの世界では物事が都合よく運び、紆余曲折あって結果ハッピーエンド。
自分の人生もこんな風に良い結末を迎えられたらどんなに幸せか…。
画面の中にいる、再び交際をスタートしたカップルと現実の自分を照らし合わせて胸が張り裂けそうになってしまう。そんな悲しい姿が情景に浮かんできます。
しかしもう過去の幸せだった日常には決して戻れない。
だからこそ、私とあなたはそれぞれの幸せを掴むためにお互い違う道を歩むことを決めた。
そう決心したはずなのに、心の奥では“もう一度彼に会いたい、やり直せるならそうしたい”という感情が燻っているようにも思えます。
【サビ】今はもう無理だけど、いつかまた笑い合えるはず…!
行かなくちゃ
あなたのいないところへ
もっと遠くへ
もっと見えない場所へ
いまはまだ2人
結ばれちゃいけない
大人になったら
また逢おう ありがとう
出典: ふたり/作詞:MACO 作曲:MACO・Marchin
まだ未練や後悔の気持ちは残っているけれどこのままではいけない。あなたの影、存在感がチラつかないくらい遠くへ離れていきたい。
サビの部分で、彼との決別の意思を感じさせています。
別れた恋人同士というのは往々にして、お互いを意識しないよう離れて生きていくことを望みがちです。
ケンカ別れだったり裏切りで破局した場合は、憎しみなど負の感情から相手を遠ざけたがるもの。
ですがここまでの流れを見る限り、今回は何か事情があって別れざるをえなくなり、相手を尊重して自ら遠くへと去っていきたいと考えているように感じます。
未だに恋人だった彼を想っているけれど決して結ばれない。だから私から身を引いて満たされていた日々に終止符を打つ。
なんとも言えないやるせなさが伝わってきて、読んでいるだけで胸が苦しくなります…。
しかし後半の部分はどこかポジティブ。
あくまで“今は”彼と一緒に過ごすことが叶わなくても、“いつの日か”再び笑い合える日が訪れるかもしれない。
そんな可能性を胸に秘め、彼に「また逢おう」と再会を誓う。
確かに交際が一旦破綻したからといって、それが今生の終わりというわけではありません。
生きていれば将来また関係が修繕されるケースだってあるわけですからね。