「どんなに二人一緒に居ても分かり合えなくて」という歌詞から長い間一緒にいたことがわかります。
最低な話ですが片思いされている側からすると、相手が思いを伝えて何かを求めてこない限りは、常に自分を好きでいてくれる存在なのです。
ですから、自分に片思いしている相手といるのはとても居心地がいいのです。
しかし、それは、片思いしている側のどうしようもなく辛い我慢や努力の上に成り立つ関係。
長い間「あなた」といる「私」は、彼との関係を壊さないために相当我慢してきたのでしょう。
それでも、やっぱり「好き」と言われてみたい。
「あなた」が「好きなあの娘」になって、「あなた」が「好き」という声を聞いてみたい。
その幸せを感じてみたい。
そんなの当たり前なのに、当たり前に「私」だって幸せになっていいはずなのに。
「あなた」の「好き」しか求めていない「私」にはその幸せは何よりも遠く、絶対に手に入らないものなのです。
あなたの気持ちは遠くなるばかりなのに、どうして優しくするの?
あなたに惹かれあなたに恋して
好きだから好きのまま走って
でもねあなたは遠くなるばかり
私の気持ち知ってて
諦めたくなっても あなたまたほら優しくするでしょう
同じ気持ちじゃないなら
そんな言葉や態度なんていらない
だけど悔しい程あなたが愛しい
あなたの傍にいたいどんな形でも
出典: https://twitter.com/buchiko815/status/907076187532304384
「あなた」のことが好きだから、好きという気持ちのままつっ走ると、「あなた」の気持ちは離れて行くばかり。
でも、「あなた」を諦めて離れようとすると、「あなた」が優しくするから離れられない。
私をこの気持ちから救い上げてくれないのなら、手を差し伸べてきたりしないで。
私はきっとあなたが好きであるかぎり、ずっと期待し続けてしまう。
ずっと期待し続けて、その度に裏切られて、また傷ついてしまうから。
そんな「私」の悲痛な叫びが、胸に迫るように聴こえてくるような気さえしてきます。
「私の気持ち知ってて」これをやっている「あなた」はひどい男です。
でも、「私」だってそんなことわかっていて、それでも、悔しいけど、どんな形でもいいから。
「あなた」と一緒にいたいと、そう思ってしまうのです。
一人では抱えきれない恋心は「大きな片思い」
叶わない恋だと知っているから
気持ちはもっと熱く強くなり哀しくなり
あなたの前じゃ笑う事しか出来ず
沢山の涙はあなたを想う切ない恋心
「好き」というたったそれだけの気持ちで動いた
大きな片思い
出典: https://twitter.com/buchiko815/status/907076187532304384
「叶わない恋だと知っているから」、気持ちは「もっと熱く強くなり哀しくなり」という歌詞。
この言葉に、片思いを長く続けている人たちのたくさんの感情が詰め込まれていると思います。
絶対に手が届かないと知りながら、それでももしかしたら届くかも、と思わせる距離にいつもあるもの。
悲しいことに人間は、それを諦めることがなかなかできない生き物です。
また、何かや誰かをずっと追いかけてしまう。逃げられるほどに、それを諦める事ができなくなってしまう。
恋愛においてそのような傾向に陥る人も、男女問わず一定数は必ずいるのではないでしょうか。
それでも今日も「あなた」といたいから、「私」は笑うことしかできないのです。
人生の貴重な時間の多くを平気な顔で奪って行くようなこの恋は、一人では抱えきれないくらい「大きな片思い」です。
もしみなさんが「私」だったら、この恋を追いかけ続ける限り一生報われることはなくても、追いかけ続けるでしょうか?
この答えにはほとんどの人がNOだと思いますが、実際に「私」になってみたら、何も答えられなくなるはずです。
他人の話には冷静にアドバイスできるのに、いざ自分のことになると周りが見えなくなり、冷静な判断ができなくなる。
なぜなら、それが恋というものだからです。
「NAO」という曲名の意味
最後にその歌詞の内容を踏まえて、この「NAO」という曲名の秘密について考えてみましょう。
この「NAO」というタイトルは、実はある言葉の頭文字を取ってつけられたものなんだそう。
歌詞の解釈を読んでわかった方もいると思いますが、「NAO」は「N」何度でも、「A」あなたを、「O」追いかける(想う)。
この3つの言葉の頭文字を取って、つけられた曲タイトルだったのです。
そして、この歌詞のモデルになった片思いをしていた、ボーカルの仲宗根泉さんの親友のなおこさん。
彼女の愛称でもある言葉なんだそうです。
曲名の意味を知ると、さらに切ない気持ちになりますね。
おわりに
HY「NAO」の歌詞と曲名の意味を紹介しましたが、いかがでしたか?
失恋ソングではありますが、多くの人に共感されている意味がわかったのではないでしょうか。
筆者は現在既婚ですが、この曲が出た頃は中学1年生で何も知らなかったので、この曲を聴きながら、恋愛ってすごいなあ、こんな風になる人もいるんだなと思っていました。
しかし、今回記事を書くにあたって改めて歌詞を読み返すと、恋愛ってこういうものだったと、必死で、馬鹿みたいに色んなものを犠牲にして恋していた頃の感情を思い出しました。
つまり、HYの「NAO」は今片思いをしている人にとっては共感できる歌詞。
本気の恋をしたことがない人にとっては、こんな恋をしてみたいと思うような歌詞。
そして、今はパートナーがいるという人にとっては過去の恋愛を思い出すような歌詞といえるのではないでしょうか。
だからこそ、これだけ長く愛される楽曲になっているのでしょう。
今この曲を聴いて感じる思いを残しておいて、10年後の自分がどう感じるかと比べてみてもいいかもしれません。
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最後に、本記事とあわせてぜひチェックして頂きたい解説記事を2つご紹介致しましょう。
今回ピックアップしたのは、「NAO」と同じくHYによって歌われている名曲の歌詞を解説したものです。
HY「366日」
まずこちらはHYの「366日」の歌詞について解説した記事です。
「NAO」と同じくらい、またはそれ以上に多くの人に愛される楽曲である「366日」。
この曲も大勢の人々に共通する、恋愛の切なく苦しい気持ちをとても繊細かつ鮮やかに描写した1曲です。
誰かを好きになったことのある人であれば、一度は抱えたことのある気持ち。
そんな心情を思い出しながら、ぜひこの曲を聴いてみて頂ければと思います。
またこちらの記事では、楽曲タイトル「366日」の秘密についても解説してくれていますよ。
【366日】HYの切ない名曲「366日」に込められた想いとは?歌詞を徹底解釈! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
HYの「366日」は切ない失恋ソングです。最近恋をしていないという人も、失恋してしまったという人も、この名曲を聴いて、その歌詞に酔いしれてみてはいかがですか?タイトルに隠された意味も紹介しますよ。