「貴方」の誘いが少女を救う
世界は君のものさ、どこへ行こうか、貴方は笑う
踏み外してみようか、後ろめたさが私を誘う
find me in the wonderland
出典: wonderland/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記
家族の元で同じような毎日を繰り返し、小さな小さな自分の殻の中で生きてきた少女。
しかし、顔を上げてみれば世界はこんなにも広かったのです。
まだ幼い少女は可能性の塊で、これからどんなことにだって挑戦できる力を持っています。
そんな少女の「可能性」に気付かせてくれたのは、他でもない彼でした。
MVに登場する彼は、ヤギの被り物をしているように見えます。
これは、何らかの影響で顔を隠さなければならない相手を示していると考えられます。
つまり少女の恋は、決して周りに認めてもらえるような恋ではないはず。
家族に知れ渡れば、彼と会うことすらも止められてしまうかもしれません。
彼と過ごす未来を選べば、その先はいばらの道が続いているでしょう。
今までの生活のすべてを捨て、彼と共に生きるのか……。
それとも後ろめたい気持ちに従い、このまま生きていくのか……。
少女にとって究極の2択ともいえる選択が、今課されているのです。
強い決意のもとに1歩踏み出した少女
背中を押してくれたのは「貴方」
どうしたって
生まれ変わるほどの
強い意志が必要だわ
慎重ないのちだった
私だけじゃ道は見つからない
出典: wonderland/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記
これまで生きてきた中で、最大ともいえる大きな決断に頭を悩ませる少女。
そんな少女の背中を押してくれたのは、愛する彼の手でした。
少女が彼を選ぶということは、偽りであったとしてもこれまで暮らしてきた家族を選ばないということ。
今までの人生をガラリと変える決断になるのは明白です。
それはまるで、生まれ変わってここから新たな人生を始めるかのように……。
恋を始めてからというもの、少女の目には家族がぬいぐるみと同じように見えていました。
それほどまでに、会話もない日々が続いていたのです。
少女は自然と、彼の導く方へ歩を進め始めます。
新たな物語の始まり
星を数え繋ぎ合わせ
まだ知らない夏の星座
見つめあって泣いて朝になって
ここから始まる物語
出典: wonderland/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記
やっと、少女の決断が形になった瞬間でした。
何度も何度も夜に会い、2人の時間を重ねても、お互いの知らないところはまだまだたくさんあります。
それはまるで夜空を彩る星座のように、数え切れないほどの量なのでしょう。
そんな彼の魅力や欠点は、これからも一緒にいなければ知ることはできません。
夜の間だけ会うような関係性では、関係を深めることは難しいでしょう。
ついに2人は、初めて一緒に朝を迎えます。
2人で同じ朝日を見た瞬間、それはまるで希望の光のように2人を照らしていました。
なぜ「目隠し鬼」なのか
もう一人じゃないのよ、夢のようでしょ、私は歌う
寂しさはひるがえり旗の元へと二人は集う
何も思い通りにならないことが始まったから
踏み外してみようか、目隠し鬼の手の鳴る方へ
in your wonderland
出典: wonderland/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記
幸せに包まれたはずの2人ですが、迎えたサビでは少女の周りにもやがかかり始めます。
せっかく手に入れた幸せをかき消すかのように、視界を奪う白いもや……。
彼との恋愛を望まない周囲からの邪魔や陰口が、少女の心を白く沈ませていきます。
2人が結ばれる未来は、決してスムーズには進まない……。
そうわかってはいても、2人の間に立ちはだかる障壁は非常に大きいものでした。
未来が見えず、目隠しをしているような日々の中でも、少女は彼の元へと足を動かし続けます。