「人間交差点」
移籍第一弾シングル
ジャパニーズヒップホップの先駆者として常にシーンをリードしてきたRHYMESTER。
2001年のメジャー移籍後はキューン・ソニー内のレーベルに所属して作品をリリースしてきました。
2014年、彼らはJVCケンウッド・ビクターへの移籍を発表します。
そして同時に、自身が主宰する新レーベルも設立しました。
「人間交差点」は、新レーベル移籍第一弾シングルとして2015年4月にリリースされたのです。
「Still Changing」という曲との両A面シングルでした。
CDは通常盤のほかに前年のツアー映像を収録したブルーレイ、DVDが付いた初回限定盤もリリースされました。
RHYMESTERは別名「キング・オブ・ステージ」と呼ばれるほどライブに定評のあるグループです。
こちらもぜひ見ていただければと思います。
プロデュースはDJ JIN
RHYMESTERの曲は外部のトラックメイカーのプロデュースで製作されることも多いです。
しかし「人間交差点」の作曲・プロデュースはメンバーのDJ JINが担当しています。
新レーベルに移籍しての第一弾として、ここから行くぜ!という勢いが感じられる曲です。
まずはPVをご紹介しましょう。
スタイリッシュな映像とともにお楽しみください。
あのファンク・バンドが参加!
「人間交差点」の制作時にキーワードとしてあったのは「アガる曲」だったそうです。
実際、非常に盛り上がる曲になっていると思います。
打ち込みではなく、生のバンドが参加している点もポイントだと思います。
さて、「人間交差点」で熱い演奏を聞かせてくれているバンドは誰でしょうか?
それはMountain Mocha Kilimanjaro(マウンテン・モカ・キリマンジャロ、通称モカキリ)です!
フジロックをはじめ、各地のフェスでも熱狂的なステージを展開するインスト・ファンク・バンドです。
「人間交差点」の持つ熱さや興奮はモカキリの熱狂的なグルーヴがもたらしていると言ってもいいと思います。
サビのリフで何度も繰り返される「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」がカッコいいですね。
サンプリング元ネタはこれだ!
「人間交差点」のリズムやリフには元ネタとしてサンプリングされている曲があります。
レイ・バレットの「Together」という曲です。
レイ・バレットはNY出身のパーカッショニスト、ドラマーです。
2006年に76歳でこの世を去りましたが、1950年代から活躍したミュージシャンです。
彼の音楽はラテンミュージックやサルサと呼ばれるジャンルです。
ドラマーでありながら、自身のリードアルバムを数多くリリースし、
「人間交差点」に限らず、ヒップホップでも多く彼の曲がサンプリングネタとして使用されています。
ここでその「Together」を聞いてみましょう。
「Together」の持つ高揚感や思わず踊ってしまうようなリズムが実によく「人間交差点」に活かされていると思います。
収録アルバム
記念すべき10thアルバム
「人間交差点」は2015年7月29日にリリースされたアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』に収録されています。
RHYMESTERにとって記念すべき10枚目のアルバムです。
RHYMESTERはリリックにも明確なメッセージ性を込めることで知られています。
そのテーマは社会性を持ったものから、日本のヒップホップシーンに言及したものまで様々です。
もちろん単におふざけなパーティーソングもたくさんあります。
でも間違いなく「言うべきことを伝える手段としてのヒップホップ」を常に意識しているグループだと思います。
このアルバムもそういう意味で彼ららしいメッセージ性を持っています。
テーマは生きることの難しさや素晴らしさ、人それぞれの人生の尊さみたいなことだと思います。
アルバム一貫した流れのあるコンセプト・アルバムとして制作されています。
「人間交差点」もアルバムの流れで聞くと、単発で聞いた時と違う印象を持って聞こえてきます。
ぜひ、アルバムを最初から通して聞いてみてください。