「ハイキュー!!」のエンディングテーマとしてもお馴染みの「マシ・マシ」
NICO Touches the Walls(以下NICO)にとって2016年は1つの節目となりました。
3度目の武道館公演に10か所以上のフェス出演。
そして原点回帰ともいえる20枚目のシングル「マシ・マシ」のリリースです。
「ハイキュー!!烏野高校 VS 白鳥沢学園高校」のエンディングテーマとしての顔も持つ「マシ・マシ」。
今回はその魅力に迫ってみようと思います。
2度目の「ハイキュー!!」でのタイアップ
週刊少年ジャンプで連載されている人気漫画を原作としたアニメ「ハイキュー!!」。
ジャンプのスポ根漫画という王道路線に男子バレーボールという新境地を開いたレジェンド的作品です。
中でも主人公率いる烏野高とライバル白鳥沢学園との対決編はファンからも圧倒的支持を得る名シリーズ。
私も涙なしでは観られませんでした..。
NICOが「ハイキュー!!」に楽曲提供を行うのは2度目。
第1期のエンディングテーマは2014年の15thシングル「天地ガエシ」でした。
全日本バレー界のスター選手が出演した「マシ・マシ」のMV
美しいモーショングラフィックを駆使したMVも話題となった「マシ・マシ」。
冒頭映し出されるバレーボールコートのクリアな映像は青春時代に立ち返ったような錯覚を覚えます。
そして「ハイキュー!!」の世界から飛び出してきたような華麗なジャンピングフローターサーブ!
実は全日本バレー界のスター選手柳田将洋選手と山内晶大選手です。
自身も大の「ハイキュー!!」ファンだというNICOの面々。
実際に柳田選手のビッグサーブを受けたことが今も自慢だと語っていました。
メンバーも感動したアニメ映像
アニメ版のエンディング映像も併せてご覧ください。
近年のアニメのグラフィックスの美しさは目を見張る物があります。
アニメの世界観とNICOの楽曲が融合した映像にはメンバーもいたく感動したそうです。
光村さんは自身の曲であることも忘れ「この曲作ったヤツは天才だ!」と見入ってしまったそう...。
等身大のNICOの姿を投影した「マシ・マシ」の歌詞
ここからは「マシ・マシ」の歌詞をじっくり検証してゆきましょう。
本題に入る前に前回「ハイキュー!!」で使用された「天地ガエシ」を思い返してください。
青春時代を想起させるようなNICOの普遍的なメロディーは共通しています。
しかし「マシ・マシ」の全編で奏でられるアコースティックギターの柔らかいカッティング。
なによりも和田さんの歌声が包み込むような優しさを含んでいます。
このサウンドの変化は2016年のNICOが等身大の自身をさらけ出した結果です。
NICOのメンバーは4人揃って体育会系スポーツは未経験。
「天地ガエシ」と「マシ・マシ」はロックバンドのチームプレイをバレーに例えて制作されています。
つまり両曲にはその時々のNICOの音楽への姿勢がそのまま描写されているのです。
このことを踏まえると2014年と2016年でNICOの音楽へのスタンスが変化していることが分かります。
「リベンジ」をテーマに据えた「天地ガエシ」。
対して「きみしだいで何かが変わるよ」と歌いかける「マシ・マシ」。
グッとリラックスした等身大のNICOに立ち返っているのが「マシ・マシ」の味わい深いところです。
チャンスは目の前にある
力ずくじゃまだ届かず終い ギリギリで繋いで放つ願い
ただ人やタイミングにゃ恵まれてへこたれずにいられてる
真っ向から勝負したい 迷ってもじっと堪えとこう
チャンスはそこにある
出典: マシ・マシ/作詞:光村龍哉 作曲:光村龍哉
チームスポーツを経験したことがありますか?
バレーボールはチームに1人天才的な選手がいたとしても勝負に勝つことができません。
ボールを繋いでいく過程でコート上の選手の気持ちが1つにならなければ得点に繋がらないのです。
このことはロックバンドにも当てはまると光村さんは話しています。
楽曲の基盤を支えるリズムセクション、聴衆に旋律を届けるギターとボーカリスト。
どこか1つでも暴走した瞬間にどれほど美しい楽曲であろうと破綻してしまうのです。
そもそも団大競技もバンドも現在のメンバーが巡り合ったのは偶然なのかもしれません。
その奇跡に感謝を込めて放つサウンド。想いを込めて放つトス。
どんな逆境にも一筋のチャンスが訪れる。
じっと堪えてチャンスを待つ。
そして掴まえよう!