ハードにスウィングする1曲「キャンドルの灯を」
今回は、2010年4月21日にリリースされた9mm Parabellum Bullet(以下9mmと略します)の3rdアルバム「Revolutionary」の9曲目に収録されている「キャンドルの灯を」という曲を紹介します。
彼らの楽曲の中では一風変わった雰囲気を醸し出すこの曲。
彼ららしさは保たれたまま、でもいつもとは一味違う9mmの魅力をここからお伝えしていきます。
アップライトベースを採用
怪しげなギターリフから始まり、キメを経て激しく疾走していく。
少し聴いただけでも9mmだとわかる強烈なイントロは流石ですね!
デビュー当初から、彼らのサウンドのアイデンティティは確立されたものでした。
そんなイントロもカッコイイのですが、この曲で注目すべき点は、彼らの他の楽曲にはない、ジャズ的な要素が散りばめられているところでしょう。
普段はエレキベースをメインに演奏する中村和彦ですが、この曲ではジャズなどで主に使われるアップライトベースを採用しています。
アップライトベースはエレキベースとは演奏性がまた異なることから、中村の演奏に対してのポテンシャルを感じさせますね!
また1番サビの後のギターソロにも注目です。
普段は攻撃的なギターが売りの滝善充ですが、ここでは色気たっぷりのジャジィな音色を披露しています。
スウィングするビート、至る所で垣間見えるジャズ要素。
それでもいつものハードなサウンドはそのままに、見事に共存させていますね。
シンプルさが9mmらしい!MVを紹介
「キャンドルの灯を」のMVも公開されているので、紹介しておきます!
MVの内容は、メンバーの演奏の様子がモノクロの映像で映されるもの。
他に目立つ演出などはなく、彼ららしい非常にシンプルなMVとなっています。
特に注目なのはやっぱり、アップライトベースを構える中村和彦でしょうか!
普段激しいパフォーマンスを見せることで知られる彼ですが、身動きが取れないアップライトベースを構えても、髪を振り乱し、らしさを損なわないパフォーマンスを見せています。
もちろん他のメンバーもカッコイイのは言うまでもないですね!
是非ご覧ください!!
「キャンドルの灯を」の歌詞を紹介
「キャンドルの灯を」で描かれるのは、希望を失った街で生きる主人公の姿です。
聴く人の想像を掻き立てるような、情景の浮かぶ歌詞になっています。
その内容をここから紹介していきます!
ギターコードも合わせて載せておきますので、是非参考にしてみてください!
主人公の生きる街を描写
F#m7 B7 EM7 AM7 D#m7(♭5) G#7 C#m7 EM7
人 は あま りに 弱 すぎ て
F#m7 B7 EM7 AM7 D#m7(♭5) G#7 C#m7 EM7
し がみ つけ ない 幸 せ に
F#m7 B7 EM7 AM7 D#m7(♭5) G#7 C#m7 EM7
だ けど 冷 たい この 街 を
F#m7 B7 EM7 AM7 D#m7(♭5) G#7 C#m
手 放 せな いで 過ご して る
出典: キャンドルの灯を/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充
まずは1番Aメロから見ていきましょう。
舞台となる街ですが、歌詞から感じるイメージは鬱屈とした暗い様子が浮かびます。
そこに住む人たちは、自分たちの生活からは程遠い幸せな暮らしを思い描きはしますが、諦めムード全開のこの街で実際に行動に移すような人はいません。
それは、そんな生活叶えられるわけがないという思いももちろんですが、鬱屈としたこの街に住み慣れて、逆に手放せなくなってしまった様子も描かれています。
コード進行は7thコードを多用したオシャレな響きになっています。
見た目と違い、コードを押さえること自体は難しくないのですが、コードチェンジが非常に目まぐるしいので、練習が必要かもしれませんね。
ただ一つ支えになったもの
A G# C#m A G# C#m A G# C#m
ああ あなた がくれ た 言葉 は 嘘に ならな い
B A B C#m
なにひと つ な にひと つ
A G# C#m A G# C#m A G# C#m
ああ あなた の声 もか らだ も 忘れ ないよう に
B A B C#m
キャンドル の灯 をとも す
出典: キャンドルの灯を/作詞:菅原卓郎 作曲:滝善充
続いて1番サビの歌詞を見ていきましょう。
そんな街で暮らす主人公に、ただ一つ希望を捨てずにいられる支えとなるものがありました。
それは「あなた」からの言葉。
ここで登場する「あなた」はきっと過去にこの街で暮らしていたのでしょう。
そして希望を捨て去ったこの街でも、希望を捨てずに日々を生きているような人だったのでしょう。
タイトルにもなっている「キャンドルの灯を」という言葉が出てきますが、キャンドルに灯をつけて、2人が夜な夜な語り合った思い出でもあるのでしょうか?
それとも、ただ道しるべを残すという意味でこの言葉が使われているのでしょうか?
いろいろと想像できますね。
コード進行は極めてシンプルです。
相変わらずコードチェンジは速いですが、バレーコードを使って形をそのままスライドさせれば、簡単に弾けますね!