人気ボカロPによる夏のヒット曲
「n-buna(ナブナ)」とは?
今回取り上げるのは「n-buna(ナブナ)」による『夜明けと蛍』です。
夏の匂いが漂う、とても綺麗な楽曲になっています。
制作した「n-buna(ナブナ)」さんとは、どういった方なのでしょうか?
初めに簡単にご紹介しておきます。
代表曲として『ウミユリ海底譚』
『夜明けと蛍』は「n-buna(ナブナ)」の15作目の作品でした。
2014年11月にニコニコ動画に投稿されています。
しかし、ナブナさんと聞いてまっさきに思い浮かべる曲といえばこの曲。
それは『ウミユリ海底譚』ではないでしょうか。
こちらはナブナさんの13作目の作品です。
2020年3月現在でなんと驚異の650万回再生となっています。
ボカロP「n-buna(ナブナ)」の名を世に知らしめたのは間違いなくこの曲でした。
楽曲のイメージは?
ナブナさんの制作する楽曲には「夏」のイメージが多く使われています。
今回取り上げる「夜明けと蛍」も同様。
動画に使用されているイラストもプールサイドが舞台です。
そこで少女が裸足で水遊びをしているという構図。
ノスタルジーな魅力たっぷりな動画に仕上がっています。
そして青春といえば、季節としてはやはり夏でしょう。
郷愁や青春のほろ苦さが、夏という場面やキーワードによって表現されているのです。
MVのご紹介
プールサイドとそこへ佇む少女。
とてもロマンチックな情景になっています。
表現されているのは夏のイメージ、もっといえば学生時代の夏休みのイメージでしょう。
枕草子にもあるように、夏といえば夜です。
文学的なナブナさんのことですから、きっとそれもイメージされてのイラストだと思います。
ご覧になったことのある方が多いと思いますが、ここで改めて視聴してみてはいかがでしょうか。
難解に見える歌詞を読み解いていく
「n-buna(ナブナ)」の特徴である文学的な歌詞
それでは「夜明けと蛍」の歌詞を読み解いていきましょう。
まず、決して明るい歌詞ではないことは初めて聴いた方にも感じていただけるのではないでしょうか。
曲調も、ロックサウンドでありつつ切なく悲しい感じがします。
ただ、歌詞がかなり詩的な表現であるために解釈が難しい曲となっているのは確か。
これはナブナさんの楽曲の特徴で、一筋縄ではいかない味わい深さがあります。
ということで、散りばめられたキーワードを手がかりに歌詞の全体像を追っていきましょう。
キーワードを抜き出してみると…
タイトルにもあるように、まずキーワードとなっているのは「夜明け」や「朝」です。
主人公の「僕」は徹夜明けなのでしょうか、明け方の道を歩いているよう。
そして次に重要なのは、「蛍」だったり「夏」といったキーワードです。
ちなみに蛍は真夏ではなく、夏がやってくる直前や初夏に見ることができます。
6月くらい、というイメージをお持ちいただくとよいでしょう。
ですので主人公の「僕」は、「思い描いていた今年の夏」の手前にいることになります。
その夏を本来彩るはずだったのは「君」なのでしょう。
歌詞には「君」という単語がたくさん使われています。
「僕」と「君」の関係が重要になってきそうですね。