LiSAが手掛けるFateソングの1つ「THIS ILLUSION」
M.H.が歌うオリジナル楽曲をLiSAがカバー
「THIS ILLUSION」はアニメ・ゲーム共に大人気な「Fate」シリーズを飾る曲です。
切なさの中に秘めたる情熱を感じる楽曲は、リスナーをFateの世界観へ引っ張りこんでくれます。
LiSAさんとFateといえば「oath sign」や、「ASH」など何度も曲を手掛けたお馴染みの組み合わせです。
今回はLiSAさんが歌う曲として紹介しますが、「THIS ILLUSION」は元々彼女が歌っていた曲ではありません。
オリジナルの「THIS ILLUSION」はM.H.さんが歌っており、こちらはFateの原点であるPCゲームのOP曲でした。
つまり、LiSAさんが歌う「THIS ILLUSION」はカバー曲という立ち位置になります。
LiSAさんの「THIS ILLUSION」が収録されているのはFateのサウンドトラックです。
彼女名義のシングルやアルバムにこの曲はないので、購入する際は注意しましょう。
ちなみにアニメ「Fate/stay night」OP曲になったタイナカサチさんの「disillusion」も歌詞は全く同じです。
この「THIS ILLUSION」は原点から歌い継がれてきた、「Fate」にとって特別な曲といえるでしょう。
そんなこの楽曲は、何をどのように描いているのでしょうか。
アニメ「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」挿入歌
LiSAさんの「THIS ILLUSION」はアニメ「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」の挿入歌。
ネットではよく「UBW」と書かれるエピソードで、PCゲームでいういわゆる「遠坂凜」ルートです。
この曲が流れた第12話は1時間枠のスペシャルでした。
この物語は主人公の衛宮士郎と、凜のサーヴァントであるアーチャーの因縁を描くルートとなります。
アーチャーの正体には驚かされた人も多いのではないでしょうか。
そこに挿入される「THIS ILLUSION」が何を意味するのか、非常に気になるところですね。
真っ暗なこれから
未来は誰にも見えません。
見えないからこそ不安になってしまいます。
その不安を解消するには実際に未来へ行ってみるしかありませんが、実はそれが一番難しいことだったりして…。
未来に行くために必要なものは何でしょうか。
見えない未来
夢に見ていた あの日の影に 届かない叫び
明日の自分は なんて描いても 消えない願いに濡れる
出典: THIS ILLUSION/作詞:芳賀敬太 作曲:NUMBER 201
主人公は夢を抱いているようですが、そこにはなかなか手が届いていないようです。
目指した先へたどり着く気配もなく、嘆いているのでしょうか。
どんなに追いかけても届かない夢の前で、主人公は未来に希望を見出せなくなりつつあります。
きっと今が辛すぎて、未来が見えなくなってきているのでしょう。
「明日」というかなり近い未来を思い浮かべようにも、叶わない夢が目の前に現れます。
「結局明日の自分も、求めるものを得られず絶望しているのか」と思っているのかもしれません。
ただでさえ今がネガティブな心境なのですから、明るい未来なんて想像できないでしょう。
このままでは、夢も未来も諦めてしまいそうです。
夢を持って生きるのは大切なことですが、あまりにも叶いそうにないと人は絶望してしまいます。
夜の中へ
こぼれ落ちる欠片を 掴むその手で
揺れる心抱えて 跳び込んでいけ夜へ
出典: THIS ILLUSION/作詞:芳賀敬太 作曲:NUMBER 201
1行目の「欠片」とは何の欠片でしょうか。
主人公が現在進行形で目指している夢?
諦めようとしたり挫折しかけたりしても、どうしても諦めきれません。
諦められないから、たとえ欠片になってしまってもまだ手に持っているのです。
同時に、「自分には無理なのか」と感じているのも確か。
しかし、まだ無理だと結論付ける時ではありません。
主人公が夢を諦めていないからです。
未来が見えなくても、意外とどうにかなることはよくあります。
思わぬチャンスが転がり込んでくることもあるでしょう。
今はまだ不安で怖くても、飛び込んでみることが大切です。
「夜」は未来の入り口のようにも、「Fate」でいう戦いの舞台にも解釈できます。
基本的に聖杯戦争は大体夜に行われるので、戦いに臨むという意味で夜の街へ飛び出すのでしょう。