クリープハイプの準主役格を担うのは
クリープハイプと言えばVo,Gtの尾崎世界観の独特の甲高い声が一番に思い浮かぶという方がほとんどでしょう。
作詞作曲もほとんどの曲が彼によるもの。
まさにクリープハイプの世界観を作り出しているバンドの顔、主役です。
そんな彼のステージネームは「世界観ってなんだよ」っていう皮肉から来るもの。
数多くのアーティストさんの記事を書かせていただいていてもわかるのですが、「世界観」って本当にいい加減な言葉です。
評価されているアーティストなら誰しも持っているものだし、当たり障りなく評価を伝えるには本当に都合がいい。
これを自分の呼び名にしてしまうとは、小説家としても活躍するだけあって、やはり斜に構えた物の見方が面白いですよね。
長谷川カオナシとは
しかしちょっと待ってください。
クリープハイプには、メインを張る尾崎にも負けない人気を誇っているメンバーがもう一人居ることをご存知でしょうか。
そう、ベーシスト長谷川カオナシです。
これまたユニークなステージネームですね。
しかしその呼び名に特に意味はないとのこと。
名前に意味がないこともひっくるめて、彼のキャラクターなのでしょう。
前述の通り、クリープハイプのほとんどの楽曲は尾崎世界観の作詞作曲によるものです。
そしてアルバム、シングル1枚につき大体1曲ぐらいのペースで顔を覗かせるのが「カオナシ曲」と呼ばれる長谷川カオナシ作詞作曲によるもの。
さらにカオナシ曲ではヴォーカルも担当することから、言わばバンドの準主役的な立ち位置を担っているのが彼なのです。
ちなみに見た目のかっこよさもその人気の秘密だったりします。
「かえるの唄」を紹介
今回スポットを当てるのはそんなカオナシ曲の一端。
2013年7月24日にリリースされた2ndアルバム「吹き零れる程のI、哀、愛」に収録されている「かえるの唄」という曲。
「かえるの唄」と言われると、皆さんご存知のあの曲が浮かんできますね。
そう、「かーえーるーのうーたーがー」ってやつです。
童謡との関係は?
一見タイトルが同じというだけで、童謡のそれとこの曲とは一切関係がないように思えます。
しかしカオナシ曰く、意識的に童謡のようなイメージで曲を書いているとのこと。
というのも、子供が理解できて楽しめる曲が一番パワーがあってキャッチーだという理由からだといいます。
確かに童謡って、すごく覚えやすいメロディだと思いませんか?
難解な楽曲にも魅力はありますが、それは音楽を聴き込む人が感じる魅力。
パッと聴いて覚えられる童謡のような要素というのは、ポピュラーミュージックにとっても大切なものの一つですね。
カオナシの素養が表れた楽曲
動画などがあれば良かったのですが、アルバム曲ということもあり残念ながら本人の演奏しているものはありませんでした。
しかしアルバム曲だからと言って侮れません。
激しさと哀愁を感じさせるバンドサウンドに、前述のようなポピュラリティを秘めたメロディ。
そしてカオナシの柔らかい歌声も耳になんとも心地が良い。
シングルカットの曲にだって負けないインパクトを持っています。
ソロ活動を志していた
メインのヴォーカルを張っていてもおかしくないような歌声を持つ彼。
実際、クリープハイプに加入する前はソロで活動していくつもりだったようです。
幼い頃からヴァイオリンやピアノに触れていたこともあり音楽的な素養も高く、ソロでも十分やっていける資質を持っています。
ベースラインを考える際も弾いた感じではなく、きちんと音程で考えているそうですよ。
このことが歌うようなベースを実現しているのですね。
なんでもソロを志した当初は「クリープハイプのような曲が歌いたい」と思っていたんだそうな。
そこから当の本人からバンドのお誘いが来るとは、まるで漫画のような展開に驚かされますね。
悪役の気持ちを歌った歌詞を解釈
楽曲もさることながら、歌詞の内容にもやはり尾崎にも負けない才能が発揮されています。
「かえるの唄」の歌詞は物語の悪役の気持ちを歌ったもの。
まず悪役の気持ちを歌うという着眼点が面白いですね。
そしてタイトルに込められた意味ももちろん登場します。
「かえる」とは一体何を表しているのでしょうか。
ここからその内容を解釈していきましょう!