そして誰もいなくなれば望み通りと
突き放すための言葉を口にするほど
出典: ever since/作詞:高橋優 作曲:高橋優
誰もいなくなってしまうことが、なぜ「望み通り」といえるのでしょう。
ぼくは傷つけられないための予防線を張っていました。
あなたに対してもわざわざ傷つくことを言って黙らせ、自分の主張を押し通しています。
ぼくの周りから誰もいなくなってしまえば、自分を否定されることも邪魔されることもありません。
つまり”一人きり”になれば自分は自由に意思決定ができ、うっとおしい心配性に思考を乱されなくなります。
そんな寂しくも感じてしまう状況を「望み通り」だと、ぼくは強がってあなたに言い放ったのです。
…そう、単なる強がりなのです。
本当は独りなんて望んでいない
「そばにいてほしい」と泣き叫ぶ子供のよう
出典: ever since/作詞:高橋優 作曲:高橋優
誰にも心配されず、一人きりで意思決定することはぼくにとっての”自由”であり”本望”であったはずです。
でも本当はあなたにそばにいてほしい、味方でいてほしい。
ぼくがあなたに対し望んでいるのは、ぼくの考えを尊重し、無条件に肯定してくれることなのでしょう。
でもあなた=親は、ぼくが生まれたときから知っている自負もあり、どうしても口出ししてしまいます。
そこにはもちろん心配もありますが、大切なぼく=子の人生の選択に関わりたい気持ちもあるのかもしれません。
ぼくとあなたはお互い関わり合いたい、でもお互い自分が本当はどうしたいのかは伝えない。
お互いのエゴが見え隠れし、綺麗事だけでは語れないリアルな親子関係が絶妙に描かれています。
一人で生きているような顔とは
一人きりで生きてきたような顔してても
出典: ever since/作詞:高橋優 作曲:高橋優
一人で生きてきたわけではないことは、ぼくも分かっています。
だから「ような顔」と続くのです。
自分の人生の選択は自分でしたい。
あなたには頼りたくない。
自立心が強くなりすぎた結果、一人で生きているかのような強がりを見せてしまうのでしょう。
あなたはぼくの親
あなたの背中を追いかけて走った
優しい人だけど 優しさが下手な人
出典: ever since/作詞:高橋優 作曲:高橋優
ぼくとあなた、子と親。
あなたの背中が小さく見えてしまっても、結局はどこか尊敬して追いかけてしまします。
優しいけど優しさの表現が下手だというのは、ぼくがあなたをよく見ているからいえるのではないでしょうか。
そして背中を追いかけているというフレーズから、ぼくが似てしまったあなたの性格のことだと分かります。
大人になったぼく
あれからもうどれほど時は流れただろう
なんにも変わってないよ
ぼくもこの街も
つよがりが上手なとこばかり似ているよ
ただ弱さを誤魔化すことはもうしないよ
出典: ever since/作詞:高橋優 作曲:高橋優
先ほども触れたように、親は子の人生に関わっていたいのです。
親が知らないところで子が変わっていってしまうのは寂しい。
ぼくがわざわざあなたに「変わってない」ことを伝える理由はここにあるのでしょう。
「あなたが口うるさくしなくても、ぼくはあなたの知っているぼくのままだよ。」と伝えたいのです。
もう弱さを誤魔化さないことを伝えているのも、同じ理由でしょう。
「ぼくを心配する優しい手を振り払ってしまったけど、今ではちゃんと聞き入れているよ。」