2013年のアルバム

星野源【stranger】アルバムを全曲解説!自分の中のstrangerはどう描かれている?の画像

ジャケットのデザインは、いかにも星野源らしいたたずまいの男性です。

青や黄色や赤の斑点。

まるで銃で撃たれて血が飛んだようなしぶきのなかで、立ちすくんでいます。

彼の体から噴き出るのは、「夢の血」。

青や黄や赤の、華やかな色をした「汗と涙の詩と曲」が、飛び散るのです。

アルバムの内容も、この絵に繋がっているよう。

序盤は、仕事のこと。

その苦労や、悩み、悲しみ、そして夢

中盤は、ツアー移動、子供時代の思い出、創作の秘密

終盤は、休息、いやし、失恋

そして最後に人生全体のこと。自分を見つめなおす。

さあもっとも充実した、完璧に構築された星野ワールドへどうぞ!

序盤戦

化物

星野源【stranger】アルバムを全曲解説!自分の中のstrangerはどう描かれている?の画像

星野さんは舞台役者であり、日々舞台で拍手を受ける日常です。

ハイで盛り上がった舞台を終えて、ひとり家に帰ります。

そしてひとり風呂につかっている時、あまりの静けさに戸惑うのです。

このギャップ

舞台の上で化物にふんした僕がさっきまでいました。

役者たちの大声が響き合い、自分は奈落から、装置で上ってゆく。

そのあとしばらくして、また静かにお辞儀をして家に帰る。

このギャップ

星野さんの仕事の一面を歌った作品です。

ワークライフ

星野源【stranger】アルバムを全曲解説!自分の中のstrangerはどう描かれている?の画像

仕事のことを歌った楽曲

朝の通勤の人混みの描写から始まります。

毎日職場まで行き、帰るのをくり返す人たち。

血反吐とか涙とか、辛い言葉と厳しい世界。

定時まで働く日々の繰り返しの中で、何が見えるのでしょうか。

みんな何か背負い、それぞれ目標を追い、「救い」「奇跡」を待っていると歌います。

働き過ぎと言われる日本の社会に、すこし問題提起をしたいような歌です。

夢の外へ

夢の外へ連れてって
ただ笑う顔を見させて
この世は光 映してるだけ

出典: 夢の外へ/作詞:星野源 作曲:星野源

夢の中へという歌はありますが、外へとは如何に?

星野さんは、夢をプロとして扱う日々にすこし疲れています

外って扉の外、自意識の外、自分の外。

「リアル」が欲しいよって叫びです。

夢を創り、与えるお仕事。

だからこそ、夏の外の日差しに焼かれたいって歌うのです。

フィルム

笑顔のようで 色々あるなこの世は
綺麗な景色 どこまでほんとか
フィルムのような 瞳の奥で僕らは
なくしたものを どこまで観ようか

出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源

 見た目の美しさの裏に、複雑なことがあるのを星野さんは見抜いています。

フィルム、映画のことですが、手を上げて称賛はしない。

ものを見る、ほんとうに見るための、一手段として考えているようです。

テレビで報道される事件でさえ、疑ってしまう。

電気じゃ、機械の力じゃ、、つまり見えにくいものは映し出せないと言います。

夢をつくれといいながら、本当はリアルを求めている!

だから僕の前に来て、と言うのです。

過ぎ去ったもの、自分が失くしたものをもう一度リアルに見るために。

ワクワクする楽しい事を、自分で創ることでリアルとして見るために。

みせかけ、いつわりの時代の、strangerです!

映画主題歌として書かれた曲、星野流の映画です。

中盤戦

ツアー