「夜明けをくちずさめたら」は、NHKみんなのうたミュージカル「リトル・ゾンビガール」の主題歌です。
デジタルシングルが発売された後、アルバム「note」に収録されています。
歌い手の上白石萌音は、ミュージカル女優として目覚ましい成長を遂げている人物。
透明感のある歌声が持ち味です。
他方、作詞作曲を担当している水野良樹は、文学性に富んだ楽曲の制作が得意。
リスナーの心を一気に曲の世界へ引き込みます。
この2人がタッグを組んだからこそ、表情豊かな楽曲に仕上がった模様。
上白石萌音「夜明けをくちずさめたら」歌詞
現代社会では、多様性を認めることが各所で叫ばれています。
その一方では、偏見を押し付け、傷つける事件が発生。
この状況を水野良樹は憂い、詞を記したのではないでしょうか。
本当に理解しようとする気持ちが芽生えれば、別離しても再び巡り会えるよ。
詞を通じて人の優しさに触れ、涙がこぼれ落ちそうになります。
何度すれ違っても、生きている限り、会えるチャンスがある。
だって、今は離れ離れになっているけれど、同じ”月”を見ているでしょ。
別れによる悲しみと淋しさの裏に隠された希望をフレーズ1つ1つから感じ取れます。
ザ・フォーク・クルセダーズ「悲しくてやりきれない」
多くのアーティストから愛され
1960年代後期にザ・フォーク・クルセダーズが発表した「悲しくてやりきれない」。
幾度もカバーされ、歌い継がれてきたポピュラーソングです。
ザ・フォーク・クルセダーズ「悲しくてやりきれない」歌詞
歌詞には、孤独感から逃れられず、愛する人の姿を“空”の様相に重ね合わせる主人公の姿が描写されています。
愛する人に逢えない悲しみによって、胸の中に立ち込めるモヤモヤ。
それをよそに、澄み渡る青空。
正反対の事象を並べることによって、主人公の苦悶が強調されています。
「悲しくてやりきれない」が流行した1960年代後期、日本国内は混沌としていました。
全国各地の校内で度重なるデモ、反体制とラブ&ピースを主張する学生の誕生。
学生運動が活発化する中、若い命が粗末に扱われることも。
このような時代背景を踏まえると、詞から命の儚さや若者の危うさを実感できます。
原曲とカバー曲を聴き、それぞれの情緒を味わってください。
ONE OK ROCK「Pierce」
心奪われるミディアムバラード
「Pierce」は、アルバム「残響リファレンス」に収録されています。
ハードロックのイメージが強いONE OK ROCKですが、こちらの楽曲は叙情的なミディアムバラード。
ピアノをメインとする旋律、Takaの熱のこもった歌声に心奪われます。
ONE OK ROCK「Pierce」歌詞
出逢ったことを全て忘れてしまえば、この苦しみから解放されるのかな。
いいや君を愛する気持ちは、半永久的に忘れられないさ。
英語と日本語を巧妙に組み合わせた歌詞が悲恋を美しく描写しています。
ロミオとジュリエット、「タイタニック」のジャックとローズ。
哀しい末路をたどったヒーロー・ヒロインが想起され、キュンとなります。
叶わない恋は、胸が締め付けられるような痛みを伴うものです。
しかし、人は辛い体験を通じて成長できるのではないでしょうか。
別れの曲を聴く中、思い切り泣いて、新しい恋に挑戦する英気を養いましょう。