ゲスの極み乙女。メジャー1stフルアルバム「魅力がすごいよ」収録

【ラスカ/ゲスの極み乙女。】深い歌詞の意味を考える!最後に描かれる”嘘”をあなたはどう受け止める?の画像

「魅力がすごいよ」第1曲目の「ラスカ」

ゲスの極み乙女。は2012年に結成されたロックバンドです。

メンバーの中心は、ボーカルやギターを担当し、全楽曲の作詞作曲を手掛ける川谷絵音

そして、ベースの休日課長、キーボードのちゃんMARI、ドラムスのほな・いこかの4人編成です。

ちなみにメンバーの名前は川谷絵音がネーミングしたものです。

「ラスカ」は、ゲスの極み乙女。の記念すべきメジャー1stフルアルバム「魅力がすごいよ」に収録されています

2014年発売のメジャー1枚目のフルアルバムの第1曲目を飾る「ラスカ」。

それ以前に発売されていたミニアルバムよりも、ゲスらしさ全開、といった印象です。

アルバム「魅力がすごいよ」の中でシングルカットされているのは「猟奇的なキスを私にして」の1曲

この曲はどこかで耳に挟んだことのある方も多いのではないでしょうか?

ポップなだけでは終わらない”ゲス”の魅力

ゲスの極み乙女。楽曲はポップなロックチューンでありながら、その歌詞は非常に深い解釈を必要とします

軽快な曲調で、聴きやすく耳に残るキャッチ―なメロディー。

改めて読むと深く考えさせられる哲学的な歌詞。

作詞作曲を手掛ける川谷絵音の作り出すゲスの極み乙女。世界感は唯一無二です。

ポップなだけでは終わらない魅力が、リスナーの心を強く掴んで放しません

それでは「ラスカ」の歌詞を紐解いていきましょう。

疑問だらけの日常

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腑に落ちない毎日

一体どうして何も考えず
あれに同意したりしてるの?
散々嫌になったろ?
そう思ってるのは僕だけ?
「魅力がすごいよ」垂れ流しのメディアの声
うまくは笑えないような週末

出典: ラスカ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音

曲冒頭から、たたみかけるようにして湧く数々の疑問の声。

この疑問だらけの思考の持ち主がこの曲の主人公「僕」です

「僕」は誰かに対して、あるいは何かに対して納得できない点が多々あるようです。

この部分の歌詞で問われるのは3つの疑問

1つ目のどうして何も考えず「あれ」に同意しているのか、という問い。

肝心の部分が「あれ」と遠回しに表現されていることで、疑問は更に漠然とします。

2つ目の「散々嫌になったろ?」、3つ目の「そう思ってるのは僕だけ?」とういう問いは1つ目の疑問に関係しています。

何も考えずに「あれ」に同意しているのはなぜ?もう懲りたはずだろ?そう思ってるのは僕だけ?

この言葉が実際に相手に伝えられたのかはわかりません。

しかし、いずれにせよ「僕」は腑に落ちない疑問を胸に抱えています

ここで「魅力がすごいよ」というアルバムタイトルが歌詞として登場します。

「魅力がすごいよ」は何でもとりあえず称賛するメディアに対する風刺とも取れます。

週末、テレビなどのメディアから垂れ流される中身のない称賛にうまく笑う事の出来ない「僕」がいます。

求めるのは表面的でないもの

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誰か楽しい話を聞かせて
それと真逆な短文はすぐに
指でなぞるだけでできるんだ

出典: ラスカ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音

メディアでは満たされない「僕」の知的欲求。

メディアではない誰かに「楽しい話」を求めています。

「それと真逆な短文」の「それ」は、「楽しい話」です。

つまり、つまらない話はすぐにできるのです。

指でなぞるだけ、という部分は解釈が分れますが、「短文」という部分がポイントかもしれません。

つまらない短文、つまり中身のない薄っぺらな短い言葉。

それは物事を表面だけなぞるだけで簡単にできる、という解釈が可能です。

嫌なことや綺麗ごとばかりでも前を向いて歌う

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踏んだり蹴ったりの毎日の中で

今日もまた
嫌なことばっかり
泣いた振りで避けてばっかり
漕いだ舟もまた潜って
明日も綺麗ごとばっかり
前向いて歌わないと

出典: ラスカ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音

最初のサビの部分です。

「今日もまた嫌なことばっかり」というネガティブな発言で始まるサビ。

「今日もまた」ということは、昨日も、その前も嫌な事ばかりの日々に嫌気が差しているのかもしれません。

悲しい事は泣いた振りをして避けてばかり。

もしかすると、嫌気が差しているのは、そんな自分自身に対してなのかも知れません。

「漕いだ舟もまた潜って」というのは、必死に漕いで距離を進めたのに、また水の中に沈んでしまうということ。

努力が報われない事の比喩とも考えられます。

嫌なことばっかりの昨日、今日。

そして綺麗ごとばっかりの明日。

それでも「前向いて歌わないと」と「僕」は思っています。

報われない、嫌なことや綺麗ごとばっかりの日々でも、それに沈んでいくのではなく前を向こうと自分に言い聞かせます。