「All Day」というフレーズの間に早口のラップが詰め込まれていることがわかるだろうか。
ビートに乗せるのではなく、空白を埋めるようにラップをしているのである。
ビートも特徴的である。テンポが遅い中に狂ったような連打音が使われている。(ex0:40~)
これがトラップと呼ばれるスタイルの特徴である。
アメリカで大人気
このトラップというスタイルがHIPHOP発祥の地、アメリカで流行っている。
これもトラップである。普通のラップよりも強烈な緩急があり、ビートも特徴的なのでわかりやすいと思う。
トラップを日本語でやるという革命
KOHHの特徴をまとめると
- ストレートな日本語のリリック
- アメリカで大流行のトラップというスタイル
ということになる。
はじめて日本語とトラップの融合を成し遂げ、日本でも海外でも注目されているのがKOHHなのである。
カニエ・ウェストのビートジャック曲「毎日だな」
お分かりかもしれないが、先ほどお見せしたカニエ・ウェスト「All Day」のトラックを使い、日本語のリリックを詰め込んでいる。
「All Day」の部分は「毎日だな」に置き換わっている。そして早口なのに驚くほど聞き取りやすい。
カニエ・ウェストへの尊敬を感じるフロウ(ラップのリズム)は、3:07~で非常に独創的な形を取ってくる。
KOHHここにあり。最新のビートを日本に紹介しつつ、自分の個性も見事に見せつけたのである。
アメリカのトレンドをふまえた見事なトラップに仕上がっていて、日本に大きな衝撃を与えた。
RHYMESTER宇多丸が絶賛
宇多丸(うたまる、1969年5月22日 - )は、日本のラッパー。ジャパニーズヒップホップ黎明期の1990年代前半から活躍するヒップホップグループ・RHYMESTERのMC、マイクロフォンNo.1。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/宇多丸
日本のヒップホップ界のレジェンド、RHYMESTERの宇多丸から絶賛されたことも知られている。
「毎日だな」を「中毒的に聴き込んじゃっている」とラジオで紹介した。
この曲が日本に与えた衝撃はそれだけ大きかったのである。
『TOKYO TRIBE』に出演
園子温監督の傑作エンタメ映画、『TOKYO TRIBE』に、MC漢やD.Oとともに出演している。
多数のラッパーが出演した同作で、KOHHがどれだけ個性を出せているのか、ぜひとも見ていただきたい。