これは『壊れかけのRadio』の出だしの部分です。
ここだけを見ても「これって完全に壊れてるでしょ!?」
とツッコミを入れられてしまいます。
確かにこの時点ではラジオは壊れているのかもしれません。
しかし、その後に続く歌詞を見ると、「何も聞こえない」というのはこの「僕」の成長と何か関連があると推測できます。
子供の頃は耳にも心にも入ってきたのに、大人になったと同時に何も感じられなくなったと解釈する人もいるようです。
ベッドに置いていた 初めて買った黒いラジオ
いくつものメロディーが いくつもの時代を作った
思春期に少年から 大人に変わる
道を探していた 汚れもないままに
飾られた行きばのない 押し寄せる人波に
本当の幸せ教えてよ 壊れかけのRadio
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=36895
歌詞を見ながら意味を予想してみると・・・
当時はまだラジオは新品だったはず。
純粋だった少年時代に初めて買った黒いラジオをベットのそばに置いて、
夜更かししながらガンガン音楽を聞きいてノリまくっていたのかもしれないし、
(・・かどうかは分かりませんが・・)
ラジオから流れてくる、当時の時代を作り上げた数々の名曲を通して
何かを共感したり、ヒーリングされながら少年時代を送っていたのだと思います。
むしろ現代よりも、この「僕」が若かったころはラジオがもっと身近な存在で、
ラジオと共に時代を過ごしてきたと言っても過言ではないと思います。
しかし、思春期を迎え、少しずつ大人になるにつれてこの「僕」は様々な問題や葛藤を抱えたのかもしれないし、
成長するにつれて見えてきたものがあったのかもしれません。
純粋で汚れることのないままに道を歩んできたのに、何かが上手くいかなくなったのかもしれません。
押し寄せる人波は、行く宛のない「僕」のそばを通り過ぎる群衆なのか、様々な葛藤なのか。
自分が成長するにつれてどんどんラジオは古くなって壊れかけていくけれど、
純粋だった当時の自分を一番よく知っているこのラジオに、幸せについて問いかけている、
という風に解釈することもできるのではないかと思います。
様々な憶測がネット上でも飛び交っていますが、
とにかく歌詞の内容だけ見ると、ただラジオが壊れている、いないにこだわらず、
「昔は純粋だったのに、大人になった今では分からなくなった本当の幸せについて
共に過ごしたラジオに尋ねている」と言った解釈が多いようです。
『壊れかけのRadio』誕生秘話
大切な人との別れがテーマ
実はこの曲が誕生した背景には、あるエピソードがありました。
徳永英明がデビュー曲『レイニーブルー』で大きなヒットを飛ばしたものの、
その後の音楽活動は所属事務所の社長と徳永の二人だけで行い、
徳永は音楽活動以外の事務的な仕事まですべてをこなさなければならなかったそうです。
それでも楽しみながら活動していた矢先、音楽性の違いで社長とは全く違う方向に進むことになりました。
一人での独立後、苦しみや葛藤を抱えながらも、自らの作詞、作曲で『壊れかけのRadio』を完成。
この曲で、シンガーソングライターとしての転機を迎える曲となったと言われています。
「本当の幸せは何だろう・・」と思いながら作り、シンガーソングライターとして生きていけるかどうかに
不安を抱いていたという徳永英明。
徳永英明自身の経験が『壊れかけのRadio』の内容に大きく反映されているのではないでしょうか。
『壊れることのない』名曲
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