はじめに
せっかくバンドをやるならライブ!
ギターでもベースでもドラムでもどの楽器でもそうなのですが、その楽器に魅せられてせっかく楽器を手にとってプレイすることを決めたのなら、ぜひともバンドを組んでアンサンブルの楽しさを味わってほしいと思います。
そしてできればそのバンドで、ライブ演奏を体験してみることを強くおすすめします。
ライブで、バンドメンバーと一緒にプレイすることで初めてわかる、貴重な体験をたくさんできるからです。
自分の演奏レベルはまだまだだからとか、もっと練習して上手くなってからとか、そう言ってライブ出演になかなか踏み切れない人たちをよく見かけます。
そんな人たちには、初心者で演奏レベルがまだまだだと思っていても、ライブにはどんどん出るべきだと言いたいのです。
もちろん、リズムが安定しているとか、アンサンブルがある程度まとまっているとか、最低限必要な演奏レベルというのはあるので、それをクリアした上での話ですが。
でも、ライブ演奏で得られる経験には、家での個人練習や、スタジオでのバンド練習では決して得られないものがたくさんあります。
初心者だからと躊躇せず、機会があればどんどん出て行って欲しいと思います。
ライブ経験は練習とは別モノ
バンドで課題曲が決められ、がんばって家で個人練習をして、次のスタジオリハーサルにのぞんだとします。
家で個人練習していたときは100点だったとしても、スタジオリハーサルで他のメンバーと合わせてみたら思うように弾けず、60点くらいの出来になってしまったことってありませんか?
ライブ本番で演奏するときにもやはり、同じようなことが起こります。
つまり、スタジオリハーサルで100点満点のプレイをしていたとしても、同じ曲のプレイがライブ本番では60点とかになったりするわけです。
本番では緊張もするでしょう。
ライブ会場の雰囲気や、対バン、スタッフ、観客の存在にプレッシャーを感じて思うような演奏ができなくなったりもするでしょう。
いろんなことが影響して練習よりも出来が悪いということは、当然起こり得ます。
でも、そんな環境の中でも、60点のところを80点に上げることは大切です。
そうするためのコツは?と言われれば、
「ライブにたくさん出演すること」
と、筆者は答えます。
それくらい1回のライブ経験は、スタジオリハーサルや自宅の個人練習なんかよりも大きな経験だと思うのです。
スタジオリハーサルは100点だったのにライブでは60点に下がってしまうよりも、スタジオリハーサルでは80点だけれどライブでは70点ってなった方がいいじゃないですか。
このような結果を得るには、やはりライブ経験をできるだけたくさん積むことなのです。
セッティング
ライブの予定がきまり、本番に向けて練習を積み重ね、とうとうライブ当日がやってきました。
初めてのライブに臨むベーシストは、どんなことを意識しておくべきなのでしょうか?
スタジオでのリハーサルとは違う、ライブ会場における具体的なセッティングのノウハウについて、ここではお伝えしていこうと思います。
ライブ会場で初めて出会うDIという機材
初心者のベーシストが初めてライブに臨むとき、最初に出会う関門があります。
そう、DIという機材の存在です。
DIとはなんぞや?
ベーシストとして初めてのライブに臨む人にとっては訳が分からないかもしれませんね。
DIとは、ダイレクト・インジェクション・ボックスを略した呼び方です。
ベース本体からの出力信号を減衰させずに、遠くにあるミキサーまで正確に届けることがDIの役割です。
DIを通さずに直接ベースの音をミキサーに送ると、届くまでの過程で電気信号が劣化してしまい、良い音が出ないと言われます。
そのため、ライブハウスではスタジオのように直接アンプに接続して音を出すのではなく、DIに接続して、そこからアンプとミキサーにそれぞれ電気信号を送信する流れになっているところがほとんどなのです。
アンプとエフェクターのセッティング
DIをとおしてミキサーに電気信号を送っている場合、アンプのスピーカーから出る音はミキサーには全く反映せずに、ダイレクトに楽器から出る音が送信されます。
DIへの入力信号は、ベース本体から発信されたものが直接入り、それがアンプに行く経路と、ミキサーに行く経路に分かれるのです。
つまり、アンプへももちろん音は行くのですが、ミキサーに伝わって行くのはアンプのつまみで作った音ではなく、ベース本体からダイレクトに出された音になります。
だから、アンプのつまみで作った音が客席向けのスピーカーから直接出ることはありません。
もちろん、ギターアンプのようにアンプのスピーカーに集音マイクを当てて、出ている音をダイレクトにミキサーで拾うようなセッティングをしてくれるライブハウスであれば、自分の作った音が直接客席にも伝わります。
そうでない場合は、自分の作った音が確実に客席に伝わる保証はないので、どうしてもそれを避けたい場合はDI機能付きのプリアンプか、イコライザーやオーバードライブなどのベース用エフェクターを使って、自分で作った音を直接ミキサーへ送るようにするといいでしょう。
でも、初心者のうちはあまりこだわる余裕もないので、そんなに気にせずエンジニアさんにお任せしてもいいと思います。
何度かライブを重ねてきて、更にプレイの質を上げていきたいと思ったときに、改善ポイントのひとつとして参考にしてみてください。