クリープハイプ『グレーマンのせいにする』をチェック

クリープハイプについて基本情報はこちら!

2001年に結成されたクリープハイプ、初期メンバー尾崎世界観(当時は尾崎祐介)をボーカルに、地元の葛飾の友人であった西田裕作(にしだ ゆうさく)、美代一貴(みしろ かずき)の3ピースバンドとしてスタートしました。

 2008年に西田と美代が脱退し、尾崎だけが残って一人ユニットとして活動を継続します。この時のエピソードを、尾崎は自身が書いた半自伝的小説『祐介』の中で紹介しているとのこと。

祐介
尾崎 世界観
文藝春秋

その翌年、新たにギター小川幸慈(おがわ ゆきちか)、ベース長谷川カオナシ(はせがわ かおなし)ドラム小泉拓(こいずみ たく)が加入し、現在に至ります

この頃から精力的な活動がメディア露出とリンクし、徐々にですが世間に名を知られるように。

4人で活動しはじめてから3年ほどが経過した2012年、4月18日にアルバム死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビューを果たします。

その後、アニメ主題歌映画のオープニングテーマ、CMソングなどジャンルやカテゴリーに固執することなく楽曲を作り続け、現在に至ります。メジャーまでの道のりが長かった分、ロケットスタートでぽしゃる若手のバンドとは違い、しっかりと芯のある成熟したバンドに成長していました。


『グレーマンのせいにする』について

『グレーマンのせいにする』は2011年7月6日に発売されたアルバム『待ちくたびれて朝がくる』に納められた1曲。メジャーデビューの直前に出したものですが、この頃すでにライブなどでホットな楽曲を演奏するバンドとして注目を集めていましたし、それこそ2005年から名乗っている尾崎世界観の名の通り、クリープハイプの世界観がしっかり確立されています。

気になる歌詞をチェック!

この楽曲は作詞・作曲とも長谷川カオナシが担当しています。長谷川もまた、尾崎世界観と同様、言葉に関して独特な感性を持ち合わせているようで、オーディエンスの共感を呼び、コアなファン層から圧倒的に支持されている曲です。 

さっそくその歌詞をチェックしてみましょう。

考えたって何も出てきてくれやしないよ
そりゃそうだ だって頭の中身はいつも空っぽじゃんか
今までたった一つも一人でこなしてないのにね
そのクセちょっと痛いとすぐあいつのせいにしたがるんだって

出典: https://twitter.com/depre69bot/status/908532977004552192

こんな所をまわってたらさ 敵か味方かわからないグレーマンが
もうすっかり 頭の隅で踊り始めてしまうのでした

出典: https://twitter.com/haipu_kashi/status/918601788017610752

グレーマンはどうやら自分に内在している存在のようです。一体何なのかははっきりと分からない。不気味ですよね。

ずるいよ白旗を振って近づくなんて
だめだよ それを深く刺すなんて
ずるいよ 手ぶらで油断させるなんて
だめだよ 両手で絞め殺すなんて

出典: https://twitter.com/creephyp___bot/status/919104713559121924

ぬくぬくと育ってきたからさ
本当はどこにも居ないグレーマンに
もう すっかり 頼りすぎて
こんなことばっか言うのでした

出典: https://twitter.com/haipu_kashi/status/910266874583060480

グレーマンは自分の中にいると思っていたのに、実はどこにもいなかった・・・・・・とはいえ、彼のせいにして、自分は重大な局面で逃げ出したり、言い訳したりしていたことに気が付くのです。それが自分の弱さであることも、よく分かっているのが辛いですよね。

歌詞の意味や世界観をチェック。

歌詞には何か、重苦しい気分が内に秘められていると思われます。”グレーマン”という“えたいの知れない何か”に、自分が抗(あらが)うこともできないもどかしさを歌に込めています。

”グレーマン”とは一体なんなのでしょうか? それはオーディエンスに任されているのだと思います。特にこれだ、とは一概には言えない。ただ、この曲を聞いた人は、自分にも思い当たる節がある、と感じるのです。自分の体験と歌詞とがリンクすると、ハマるのです。その世界観にのみ込まれていくのでしょうね。