他と違うことが許されない世界

勘違いの言葉を紡いで

勘違いの言葉を
ただただ叫んでここに来ました
怒鳴って成ったこの歌も
アナタなら信じてくれますか?

出典: ギャンブル/作詞:syudou 作曲:syudou

幼い頃から、自身の感じた思いを叫びに乗せて吐き出してきた主人公。

しかしどれだけ大きな声で訴えようとも、周りの人々が耳を傾けてくれることはありませんでした。

やりたいことやなりたいものがたくさんあったにも関わらず、他と違う道を歩むことを許さない社会。

そんな「当たり前」に疑問を抱きながらも、幼い主人公の声が何かを成し遂げることはないのです。

そして、自分に力がないことを思い知る主人公。

次第に叫びは怒鳴り声へと変わり、思いには怒りが込められるようになっていきます。

周りの大人がほんの少し、彼の言葉を聞こうとするだけでも違っていたはずの未来。

ひねくれてしまった主人公を生み出したのは、紛れもなく周りの大人たちのせいです。

そんな幼少期を送ってきた主人公が、今ここで出会った「アナタ」の存在。

本心を話すなんて無駄だ、と思いながらも、「この人ならば……」と縋るような気持ちで打ち明けます。

聴き手それぞれに語りかける

syudou【ギャンブル】歌詞の意味を解説!人生を賭けとみなす理由は?掛け替えないものへの叫びに迫るの画像

「やっぱいいや」の続きを
アナタと見たいと思いました
未来に貰ったこの道を
心から信じていいんですか?

出典: ギャンブル/作詞:syudou 作曲:syudou

これまで誰にも信じてもらえずにいた主人公は、いざ心の内を打ち明けようとしても上手くいきません。

話そう、でもやっぱりやめよう、の繰り返しでなかなか前に進めない主人公。

しかしそんな状態の主人公を、辛抱強くずっと待ってくれていたのが「アナタ」だったのです。

煮え切らない思いを抱えながら、ある日主人公は全てを話すことに決めます。

それは、アナタと一緒に過ごす未来が頭の中に浮かんできたから。

何を打ち明けようと自分の前からいなくならない、そんな確信を持つことができたからです。

幼い頃から感情を表に出すことができなくなり、いわばその時のまま成長できずにいた主人公。

この歌詞から読み解けるのは、「アナタ」がこの楽曲の聴き手それぞれを指す言葉ということです。

今この曲を聴いているアナタなら、自分の気持ちを分かってくれるだろう……。

そんな願いすら感じさせる歌詞になっています。

人生に批判はつきもの

誹謗中傷など見ないふりをして

心無い 名も無い 美徳も知も無い奴が
やいやいまた言ったって
悪いけど全部が飯の種だから
一層儲かるんだ

出典: ギャンブル/作詞:syudou 作曲:syudou

人の感情を読み取ることに長けている主人公にとって、飛び交う誹謗中傷など大した問題ではありません。

さまざまな暴言を吐かれ、悲しいことにもう慣れっこになってしまっている主人公。

今は誰に何をいわれたからといって、その1つ1つに反応することもなくなりました。

それどころか、自分に向けられた誹謗中傷を糧に、さらに成長を遂げることができるように。

それもこれも、どんな時も主人公を信じてくれる聴き手の存在があるからだといえます。

SNSを見れば、本名がわからないのを良いことに悪口や批判が言いたい放題に。

しかしそんなことをする人など、所詮頭も良くなければ性格だって良いわけではないでしょう。

だからこそ、そんな「悪い人」にいわれたことなど気にする必要がないと断言している主人公。

悲しい現実の中でも、強く生き抜こうとする姿勢に勇気をもらえます。

降り続く雨のように

でも淡々と至極真っ当な
道を闊歩してたって完璧はない
何度避けたって止んだりしない
批難 批判の五月雨

出典: ギャンブル/作詞:syudou 作曲:syudou

いくら誹謗中傷を気にしないからといっても、他者からの評価は高い方が良いに決まっています。

顔の見えない他人からもらう褒め言葉は、時に頑張るための大きな力となるはず。

そのためにまっすぐ、そしてひたむきに歩むことを誓う主人公ですが、道のりは簡単なものではありません。

いくら一生懸命に生きていようと、その頑張りすらも誰かに目をつけられてしまう可能性があるのです。

誹謗中傷はいつだって、理不尽な内容が多いもの。

それは止むことのない春の雨のように、静かに、日常にはびこっているのです。

土砂降りの雨が急に止むのは、それだけ一瞬のダメージが大きいから。

しかし主人公にとっての誹謗中傷は、日々少しずつダメージを蓄積させながら、永遠に続いていくのです。

それはある意味では、土砂降りの雨よりも辛く感じてしまうもの。

長い間の誹謗中傷に耐える勇気と覚悟を持っている人はなかなかいないのです。

誰と比較されようとも