故郷の仲間のために自分らを奮い立たせる

HIP HOPにはJ-POPとはかなり違う独特な文化があります。

ストリートギャングから生まれた音楽ですので、ギャング抗争における武器であるというなかなか血なまぐさい一面も・・・

今回とりあげるMIGHTY WARRIORSのDREAM BOYSという曲は、映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』の挿入歌です。

この映画はまさしくチーム同士の抗争の物語。自分らの信じる道を突き進み、互いにぶつかり合います。

これぞHIP HOPにぴったりなシチュエーションですね!

歌詞全体の意味は必見!

DREAM BOYSはフック(サビと考えてください)に「夢」「金」「悪い奴」といかにもなキーワードが並びますが、歌詞全体をよくよく見渡してみると「故郷にいる仲間のために淡々と積み上げるぜ!」と自分らを奮い立たせる曲に思えました。

それでは一緒に歌詞を読み解いていきましょう!

「夢」「金」「悪い奴」はHIP HOP重要キーワード

俺らがDREAM BOYS
積み上げたBANK ROLL
君だけのBAD BOYS

出典: DREAM BOYS/作詞:ANARCHY, CRAZYBOY, SWAY 作曲:Chaki Zulu

まず最初にフック(サビ)から解説していきます。

曲中で繰り返す印象的なフレーズで、リリック(歌詞)には特に伝えたい内容を書くのが通例ですよね。

「夢」「金」「悪い奴」と高らかに歌っています。この「悪い奴」部分で「女」について匂わせています。

それは「君だけの」はパートナーに向けた言葉と思われるため。

注目フレーズ「BAD BOYS」

BAD BOYSという言葉は、HIP HOPにおいて大切なものです(Bad Boy Recordsというレーベルがあるくらい)。

直訳すれば「BAD BOYS = 悪い男の子たち」ですが、HIP HOP的ニュアンスを考えると「悪い香りのする、キケンで、イケてる男」といった具合。

みなさんもこのフレーズをご存知ではないでしょうか?

俺は東京生まれHIP HOP育ち 悪そうな奴は大体友達」・・・悪そうな奴はHIP HOPにおける必須要素です。

「夢」「金」「悪い奴(女を匂わせつつ)」とHIP HOP王道キーワードでフックを彩ってます。

それではフックに続いて、ヴァース(AメロやBメロに該当)を順々に見ていきましょう。

成功に向かって歩んでいる最中

眠れない夜の過ごし方も街で覚えた
音があって酒があれば踊れた
もう稼ぎ方は心得たし
後は積み上げるだけ

出典: DREAM BOYS/作詞:ANARCHY, CRAZYBOY, SWAY 作曲:Chaki Zulu

DREAM BOYSの導入部。アウトローにとって眠れない夜なんてありきたりなフレーズ。

食うか食われるかの殺伐とした世界ですから。しかしそれはもう過去の話。

今はただ夢に向かって淡々と積み上げるだけ・・・積み上げるだけ・・・あれ?すでに成功した『というわけはではない』ということ?

過去から未来への旅路

この曲は、過去の回想、現在の状況、未来への願望を歌っていますが、現在の自分らの状況に触れているのは実はこの歌い出し部分くらいなんです。

過去の回想から、かつての仲間に挑発的なメッセージを送るヴァースについて解説します。

行動した者としなかった者の差