シャネルズ
日本初の本格的なドゥー・ワップグループ
いまではシャネルズというよりラッツ&スターのバンド名がお馴染みでしょう。
初期はシャネルズを名乗っていました。
シャネルズが登場する前、男性コーラス・グループといえばダークダックスやボニージャックスあたりが有名。
民謡やポピュラーなど多彩なジャンルのコーラス・グループというイメージが一般的です。
シャネルズが画期的だったのは、本格的なドゥー・ワップグループだったこと。
黒人音楽をリスペクト
ポピュラー音楽における合唱のスタイルの一種。ドゥワップ、ドゥー・ワップ、ドゥ・ワップとも表記される。1950年代半ばから1960年代初頭のアメリカ合衆国で隆盛し、数多くのコーラス・グループが生まれた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ドゥーワップ
黒人音楽が好きな音楽ファンの間で人気のあったドゥー・ワップを日本のお茶の間に持ち込んだのがシャネルズ。
アマチュアバンドだったシャネルズがCMソングの「ランナウェイ」で人気に火が付きレコードも大ヒット。
ボーカルパートの4人が黒人音楽をリスペクトした黒塗りメイクと衣装はインパクトがありました。
そして何よりも、「ランナウェイ」の親しみやすいメロディがヒットした最大の要因といえます。
ランナウェイ
駆け落ちを誘う歌
ランナウェイ(ランナウェイ) とても好きさ(ランナウェイ)
連れて(ウー) 行ってあげるよ(ワウワウワウ)
二人だけの 遠い世界へ
お前を抱いて ランナウェイ
ひとりさまよい 傷ついた
魂のぬけがらに(ワー)
愛をともした おまえもロンリー・ガール
ふたり激しく 燃える(ワー、パッピデュワデュワ)
ランナウェイ とても好きさ
連れて 行ってあげるよ
二人だけの 遠い世界へ
お前を抱いて ランナウェイ
出典: ランナウェイ/作詞:湯川れい子 作曲:井上忠夫
1番のAメロは冒頭から「ランナウェイ」のサビが登場。
「あげるよ」のサビを受けてコーラスがデクレッシェンド。
リードボーカルのサビで上がった音程をコーラスが下げる。
この掛け合いが一番盛り上がります。
歌詞は惚れた彼女に二人だけでどこかに逃げようと逃避行の呼び掛け。
続いてBメロ。
ここで彼女の置かれた境遇が明らかに。
理由は分からないけど、彼女は精神的に追い詰められた状況にあることが伺えます。
そんな彼女と出会い、深く愛し合ったということ。
最後にコーラスの「ワー」に続く「パッピドゥワドゥワ」が佐藤善雄のソロでドゥー・ワップ。
彼が主にドゥー・ワップのパートを担当しています。
バックボーカルを注意して聴いてみてください。
コーラスパートは音域の高い方から久保木博之(トップテナー)、田代まさし(バリトン)、佐藤善雄(バス)。
孤独な彼女を誘う
1番のBメロに続く2番のAメロは歌詞が1番と同じ。
ただしすぐにはBメロに行かず、間奏が入ります。
この間奏は桑野信義のトランペットソロが見せ場。
桑野はバカ殿を始めとして、すっかりタレントのイメージが定着していますが、このソロはカッコいい。
かわいた街は爪をとぎ
作り笑い浮べ(ワウウウ)
きづいた愛も 奪うロンリー・タウン
だけど放しは しない(ワー、(パッピデュワデュワ)
ランナウェイ とても好きさ
連れて 行ってあげるよ
二人だけの 遠い世界へ
お前を抱いて ランナウェイ
お前を抱いて ランナウェイ
出典: ランナウェイ/作詞:湯川れい子 作曲:井上忠夫
2番のBメロ。
二人のいる街は、彼女に対してとても冷たい雰囲気が漂っているようです。
彼女の回りの人は表向き笑顔を浮かべながら、せっかく育んだ愛を引き裂こうとしているのでしょう。
だから男は、現状を打破するため駆け落ちを決心したと思われます。
そして3度目のAメロは最後のパートをリフレイン。
彼女との逃避行が強調されています。