離れていく恋人へ

Sori Sawadaの「またねがあれば」は、離れていく恋人への心が表現された楽曲です。

この楽曲では、恋人から別れを切り出された側の心情が綴られています。

自分は別れを切り出されて動揺するものの、もう恋人の心は戻らない。

相手に感情をぶつけ、それでもどうにもならないと、心は大きく落ち込んでいく。

そして、虚しさを抱えながら、これまでを振り返るのです。

ああ、こんなことがあったな、あんな姿もあったなと。

恋人がいなくなった部屋の中、自分は恋人とのこれまでを振り返ります。

本当は、まだ好きなのに、その一言がいえない。

足掻いても戻らない恋人。

そんな恋人に対して、心で語りかけるリリックとなっています。

切ないけれど、強がりと見られても、前を向こう

そんな気持ちも伝わってくる「またねがあれば」のリリックを深読みしていきます。

増える「後悔」の数の意味

「思えば2つ」というけれど

思えば後悔は二つくらいしかないな
誕生日プレゼントが渡せそうにないこと
あなたに見せたかった服が無駄になってしまったこと
さよならしなきゃいけないこと ああこれで三つめか

出典: またねがあれば/作詞:Sori Sawada 作曲:Sori Sawada

「またねがあれば」冒頭のリリックです。

ふと、素に戻るような様子から始まります。

突然、恋人からの別れを切り出され、心乱れて動揺していたのでしょうか。

若しくは放心状態でいたのかも。

どちらにしても、楽曲の中で表現されている当人は、ふと思い出したと表現されています。

思い出したことは「後悔」です。

ちょっとした強がりも含まれた表現でもあるといえましょう。

別れを切り出され、動揺したけれど、思い出すのは二つくらいかな。

ああ、それほど多くないじゃないか。

そう思いたい、強がりにも似た感情が込められています。

でも、その強がりはすぐに自分で否定することに。

数えてみたら、結構出てきてしまう。

最後には、嘆くような表現が続きますが、本当は、ここが一番本音かもしれません。

「まぁいっか」はいいと思っていない?

まぁいっか
あなたのせいで部屋を片さなきゃならないよ
あまり時間がないのに、なんてことすんだ

出典: またねがあれば/作詞:Sori Sawada 作曲:Sori Sawada

強がって、でも自分の本音に気付いて嘆いたあとのリリックです。

「まぁいっか」というのは、それはそのままでも仕方がないか、と諦めたような感情です。

でも、ここでは諦めという表現よりも、気持ちを切り替えるという方が適切かも。

別れを決意した恋人に、別れを告げられた自分。

動揺して、心が定まらなくて、少し落ち着てきて、また後悔して。

そこで、それはもう考えなくていいかな、と自分で心を切り替えようとしているのです。

今の沈んだ心を転換させようと、さらに強がった心模様が感じられます。

そして、乱雑になってしまった部屋を見回したようです。

出ていくことを決意した恋人ともめて部屋が乱れてしまったのか。

恋人の荷物が無くなって、部屋の中が整っていないのか、どちらの可能性もあります。

そんな悲しい風景を目にして、片づけなきゃならない自分。

「時間があるかないか」よりもそこに時間を費やすことが辛い。

いなくなったことを実感させられてしまうから。

そんな自分の寂しい心を強がって、このリリックのように表現したのでしょう。

別れたくないのに

今はやめてほしい

でも冬が濃くなってそんな話を切り出されたら
次こそ泣いてしまうから 春じゃダメですか

出典: またねがあれば/作詞:Sori Sawada 作曲:Sori Sawada

 「冬が濃くなって」とは、ますます寒さが増してくること、真冬の時期を指しています。

寒さが増してきたときに、別れ話を「切り出された」ら、寒さと寂しさで耐えられない。

でも本当は、今、「泣いて」しまいそうなのです。

もっと、後にしてほしい、今言わないで

今、別れを切り出さないでほしい。

だから、時間が経過して冬が過ぎた後、春まで待とう。

そう、恋人に心で懇願するリリックです。

あくまでも季節を利用しているだけで、問題は、そこではないのです。

ずっとやめてほしい

いやいや春の陽気に中てられたら
流石のあなたも言いにくいだろうから夏にしよう
涙も汗と一緒に紛れるから
でも暑いのは嫌だから秋にしようよ
なんて、言ってみただけだよ

出典: またねがあれば/作詞:Sori Sawada 作曲:Sori Sawada