楽曲の背景
テーマは「夢」
つかみかけた夢のかけらカワラナイモノ
追ってる僕らは憧れ大空に浮かべて
出典: エターナルポーズ/作詞:エイジアエンジニア 作曲:U.S.B.2.0
歌詞を見ると、夢を追っている描写があります。
それは現在進行形で行なわれているようです。
何度も夢にあともう少しで手が届くところまではいっているのでしょう。
しかし、まだ自分の思う夢を丸ごと手にしてはいないようです。
この歌詞を見るに、同曲のテーマは「夢」だといえます。
小さい頃からずっと追いかけていた夢。
それを成長した今になっても追いかけている人物が主人公です。
ちなみに【エターナルポーズ】というタイトルについて見てみましょう。
「エターナル」は和訳すると「永遠」という意味を持ちます。
そして「ポーズ」は文字通り、「ポーズ」や「気構え」といった意味がある言葉です。
つまり直訳すると、「永遠の気構え」ということになります。
意訳すれば、「ずっと変わらない気持ち」といったところでしょうか。
歌詞にも「不変」という意味の言葉が登場しています。
これはタイトルともリンクする、同曲のキーワードといえるでしょう。
夢と同時に、主人公は「変わらないもの」も求めているようです。
主人公は夢を追う大人
疲れ果てた時の中でもカワラナイモノ
探すコンパスねぇいつまでも持っていれるかな
出典: エターナルポーズ/作詞:エイジアエンジニア 作曲:U.S.B.2.0
この歌詞は疑問形で締めくくられています。
これには主人公の不安や迷いが感じ取れますね。
「本当に自分がこのまま夢を追い続けられるのか。」
「変わらない気持ちを持ち続けられるのか。」
そんな想いが伝わってきます。
当然幼い頃は想像力もたくましく、いくらでも夢を持てたでしょう。
そして直感だけで自分の良いと思う方向へ歩めるものです。
しかし大人になったらどうでしょうか。
働くことや人間関係など、気を遣うことが増えていきます。
思考は徐々に現実的になり、夢らしい夢を描く機会も少なくなるでしょう。
仕事で、肉体的にも精神的にも疲れてしまうことだってしばしばあります。
だからこそ主人公は不安なのです。
このまま幼い時の繊細な感性を忘れてしまうのではないか。
さらには、夢への道をかぎ分ける感覚すら失ってしまうのではないか、と。
つまり主人公は自分の成長と共に、子供の感性を失うことを危惧しているのです。
となると、主人公はある程度大人だと考えられます。
主人公の心情
夜に思い出す懐かしい過去
小さな思い出 そっと開いたノート
古い過去の行動を綴ったノート
それは丁度引き出しの一番奥の方の今も大切な宝物
眠りに付く頃訪れる夢の構想少しずつ
出典: エターナルポーズ/作詞:エイジアエンジニア 作曲:U.S.B.2.0
この歌詞では主人公の日常が語られています。
手に取っているのは、昔の日記帳でしょうか。
大人になった今でも大切に保管しているようです。
それを見れば、きっと幼い頃に戻ったような感覚になるでしょう。
昔の自由な発想と、子供ながらの感性で描かれた日記帳です。
これを定期的に読む主人公。
決まって時間は眠りにつく前のようです。
寝る前には色々な想像が頭をめぐるもの。
寝る前に色々考えてしまう人は少なくないでしょう。
きっと主人公も同じです。
昔の日記を読むことで、再び自分の夢が鮮明に思い出される。
そしてさらなる夢への構想に胸を躍らせるのです。
こうして主人公は、自分の夢を忘れないようにしているのかもしれませんね。
また、そうすれば幼い頃に戻ったような気持ちになれることでしょう。
中に何が描いてあるのかは、歌詞には描写がありません。
それは主人公だけが知る内容です。
先の分からない未来への不安
形変えながらも俺は気づくと大人になり
How to make my dream come true
分かるはずなんてないせいでブルー
四苦八苦繰り広げ涙出る夢見る心のみ残る
星屑のように散った夢のかけら
今はもう消えているその輝きが
でもまだ皆胸奥底どこかずっと大切な宝物
出典: エターナルポーズ/作詞:エイジアエンジニア 作曲:U.S.B.2.0
昔の日記を読み返した主人公。
ついさっきまで夢に胸を躍らせていたはずが、今は違うようです。
歌詞を見ると、そこにはうっすらと「諦め」の色が窺えます。
小さい頃に描いた夢はきっと何度も主人公を励まして来たでしょう。
しかし、今となってはそれを現実にする術が全く見つかりません。
ただ夢を描いては、全く夢とは関係ない生活に明け暮れる日々。
主人公が本当にそうかは不明ですが、夢とは遠い現実世界にいることは事実でしょう。
「どうしたらいいんだろう…。」
昔からの夢見る気持ちを大切にしたい主人公。
しかしその反面、現実は厳しいものです。
今や幼い頃に煌々と輝いていた夢の理想図は、その輝きを失いつつあります。
胸の奥底でわずかにちらつくだけの輝きを、主人公はどのようにして取り戻すのでしょうか。