電話の相手は?

さて、かかってきた電話は誰からのものでしょうか?

受話器を耳に当てた直後、シーンが切り替わって木漏れ日が映ります。

その後、シーンは再び電話の周りに集まるメンバーへ。

映る口元が微笑んでいることから、電話の相手に歓迎的であることが分かります。

シーンの切り替え方から考えるに、電話の相手は熱帯雨林にいる人物でしょうか。

つまりは、エスニック調の衣装に身を包んだONEPIXCELメンバー自身ともいえます。

2種類の衣装と昼と夜

時間帯に込められたメッセージとは?

ここで、印象的な衣装の使い分けに注目してみましょう。

曲中では、雰囲気の違う2種類の衣装が登場します。

1つ目は、曲の序盤、ダンスパートで映る、現代的な衣装。

そして2つ目は、森の中で着用しているエスニック調の衣装です。

さらに面白いのは、衣装とともに昼夜が分かれていること。

現代的な衣装でのダンスシーンは、夜。

ライトが躍動感を盛り上げています。

対するエスニック調の衣装の時は、森は昼です。

自然な木漏れ日に照らされたメンバーの笑顔が光ります。

ここからも何らかのメッセージが読み取れそうです。

「夜」が象徴するもの

まずは、現代的な衣装をまとっている夜から見てみましょう。

「夜」には「潜在意識」「解放」「疲労感」などを象徴する意味があります。

この時の衣装はモノトーンを基調にしており、シャープな印象です。

また、衣装の中には制服を連想させるようなものも。

制服から私服に変わることは、学生生活を終えて大人へ変化していく現れでもあります。

フォーマルでの躍動感あるダンスは、制約を打破したい気持ちの表現かもしれません。

「昼」はエネルギーの高まり!

対する昼は、エネルギーが高まり、活動的になっていることの象徴です。

それは実際の生活に当てはめても同じことがいえますね。

また、この時の衣装はエスニック調のもの。

独創性が強調されているといえるでしょう。

日本でも、アジア圏から輸入されるエスニック衣料を購入できるお店があります。

しかし、異国情緒あふれる服装をしている人は、まだそう多くありません。

異国風の涼しげな格好を選ぶことは、一種の個性を主張することにもなります。

本来、人間のエネルギーが高まった時、それを何に使いたくなるかは千差万別。

人によって得意なこと、好きなことが違うからです。

エネルギーが高まり、自分のやりたいことを追求するほど個性的になる。

それを表現した場面と衣装なのかもしれません。

冒険心をくすぐる森

さて、MVの中で大きな比重を占める背景がです。

それも、日本でよく見られるような森ではない様子。

アジア圏に広がる熱帯雨林と表現した方がぴったりきそうです。

ひとたび都会を離れて森に向かえば、そこには静かな時間が流れています。

森は非日常であると同時に、古来から人間が共に暮らしてきた自然でもあるのです。

ここでは森を登場させることで、迷いと向き合うことを伝えている可能性があります。

昼間の森は明るくて、進むほどに新しい景色が現れます。

冒険心をくすぐる世界です。

人生も同じように、進むほど新たなわくわくに出会えるのではないでしょうか。

辺りを見回しているだけだと方向感覚を失い、迷ってしまうのです。

電話を切って、最後のメッセージ

最後のサビに入る直前、一瞬だけ無音の時間が訪れます。

映像では、ちょうど受話器を置いて電話を切るところです。

電話を切ることは、「課題を1人で解決する」ことを象徴します。

これは、解決「しなければいけない」という意味ではないでしょうか。

むしろ「解決する糸口を見つけたから、あとは1人で大丈夫」という意味かもしれません。

続くダンスシーンでは、いよいよ力強さを増したダンスが見られます。

ここまで歌われてきたサビの歌詞も、迷っている人の背中を強く押します。

Make it bang, bang, bang
To the top, top, top
Make it ring, ring, ring
It’s the, It’s the final call

出典: Final Call/作詞:Komei Kobayashi :作曲Nicklas Elkund・Ida Pihlgren