海援隊にとって起死回生の曲
テレビドラマとのタイアップ
海援隊の「贈る言葉」は1979年の人気ドラマ「3年B組金八先生」シリーズ1の主題歌として世に出ました。
1972年にデビューした海援隊は2枚目のシングル「母に捧げるバラード」が大ヒットするもその後低迷。
本来なら一発屋に終わる可能性もありました。
そんな海援隊にとって起死回生の一発となったのが「贈る言葉」です。
作詞の武田鉄矢にとっても「金八シリーズ」は歌手から俳優業へと活動の場を広げるきっかけになりました。
今ではテレビドラマと曲のタイアップは珍しくありません。
「贈る言葉」は歌手本人がドラマの主人公となり、曲のすばらしさと相まって大ヒットになりました。
この曲を契機に海援隊は息の長いグループとして活動を続けています。
だれでも歌いやすいメロディ
卒業式の定番ソングへ
海援隊は武田鉄矢が作詞、作曲を千葉和臣と中牟田俊男で役割分担しています。
「贈る言葉」のヒットはタイアップの効果が大でした。
でも、それ以上に楽曲としての魅力が大きく寄与しています。
それは武田鉄矢の歌詞を最大限に引き立たせたメロディにあります。
サビといえるほどに大きな盛り上がりはありません。
だけど言葉を流れるように歌わせるなじみやすいメロディ。
つまり、歌があまり得意でない人でも歌いやすい曲なんです。
「3年B組金八先生」は学園ドラマの一時代を築いた作品です。
生徒たちの旅立ちと「贈る言葉」が結びつき卒業ソングとして定着していきました。
歌いやすいメロディが卒業式にピッタリだったんです。
他のアーティストもカバー
そして、たんなるヒット曲に留まらず息の長いスタンダードナンバーになりました。
多くのアーティストがカバーしており、金八先生第6シリーズに生徒役で出演した上戸彩も歌っています。
武田鉄矢の実体験
失恋ソングを卒業式で歌う
この曲は、福岡市中央区桜坂で「女々しか(女々しい)」という理由で当時21歳の女性(ウメダさん)にフラレて、それを契機に作られた曲(失恋ソング)である、とも語っている。別の機会には、海援隊が出演していた、福岡市天神の喫茶店「照和」の前にあった福岡スポーツセンター(現在のソラリアプラザ)前で女性にふられ「大きい声出すよ!」と去られた経験から生まれたとも語っている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/贈る言葉#cite_note-5
なんと、1度の失恋ではなかったのです。
卒業式で失恋の曲を歌っているわけですから、よく考えたら変な話です。
やはりドラマで染みついた印象が勝っているということなのです。
だからこの曲が持つ本来の意味を知るのもよいでしょう。
ずいぶん違った印象に聞こえてくるかもしれません。