もう前に進めないの。。。?
画面いっぱいの白のイメージです。
テヨン自身も白を基調とした衣装を纏っているのが非常に印象的です。
このカラーに隠された意味とは何でしょうか。
あなたの声が、力をくれた
その人は孤独で臆病だった自分に優しく強い言葉で支えてくれたのです。
その人の声を聞くだけで、安心感と共に勇気や力が生まれてくるような、「声」。
それはどんなに遠くからでも、温かさと強さを感じられるものだったのではないでしょうか。
Here we go here we go
あの声が
背中を押してくれるから
だから歩いて来れたんだ
出典: VOICE/作詞:STY 作曲:Aaron Benward, Matthew Tishler, Felicia Barton
強さと勇気
ここでは、白い衣装を纏ったテヨンが登場します。背景のセットも全面白を基調としたものです。
白のカラーイメージは「強さ・涙・始まり・純粋」などがあります。
あの人の声や言葉から一歩踏み出す強さをもらって、時には涙したこともあった。
それでもなんとかここまで歩みを進めることができたということを表現しているのでしょう。
ただ、ここでの白のテヨンは前に進もうとしているのですが、後ろへと引き戻されています。
この演出が示すものは、あの人を失いもうその声を聴けなくなった哀しみと喪失感なのではないでしょうか。
これまで自分を支え、背中を押してくれたあの人の声。
それを失った今、もう未来へと進む心の力も生まれてこないのでしょう。
そればかりか、昔の弱い自分に戻ってしまっているのです。
あなたの声の全てが
白・黒・赤の3人のテヨンが交互に登場します。
そして、印象的な積み上げられた「椅子」。
ここでキーと思われるものは、黒と12です。
その意味を深読みすると、哀しくて切ない物語が見えてくるようです。
All the vioce in my heart
消えない声が 幾度こだました
あなたはいま どこにいますか
You're always in my heart
耳をすませば あなたの声が
まだ私には頼りなの
I got your voice
どこにいますか
You hear me call?
出典: VOICE/作詞:STY 作曲:Aaron Benward, Matthew Tishler, Felicia Barton
繋がっていたい
赤はその鮮やかな色彩から血液を表すともいわれています。
このことから、赤は「繋がり」を表すカラーイメージがあります。
ここでは全身赤の衣装を纏ったテヨンが登場します。
あの人の声で満たされていたい、そしていつでも繋がっていたいといった強い愛情が伝わってきます。
一歩踏み出せたなら…。
ここではもうひとりの黒い衣装のテヨンが登場します。
黒のカラーイメージは、孤独や不安などがあります。
一方で「未知なるもの」「一歩を踏み出す時」などといった意味もあるといわれています。
2番のMVで注目すべきは実は黒のテヨンなのではないでしょうか。
白と赤のテヨンはそれぞれ、いわゆるソロでMVに登場しています。
しかし黒のテヨンは、どのカットを観てもソロではありません。
それが意味し示すもの。
それは、「混在した感情」です。
そして、夢の途中で大切な存在を失ってしまったことを意味し、表しているのではないでしょうか。
あの人の声によって、勇気や強さの種を植えることができた自分が白のテヨンです。
いつもあの人の声に包まれていたいという気持ちに気づき、愛しいという感情が芽生えたのが赤のテヨンでしょうか。
そして、愛と強さを得てこれからあと一歩進みたい、進めたなら…。
そんな未来への花を咲かせようとしていたのが黒のテヨンなのでしょう。
しかし、その途中で大切な人はいなくなってしまったのです。
一緒に過ごした季節
もうひとつ注目したいのが、後半で出てくる無造作に積み上げられた椅子です。
そのなかでも、黒い12脚の同じ形のダイニングチェアが印象的です。
この「12」の数字が表しているのは、一緒に過ごした時間なのではないでしょうか。
単に12ヶ月や12年というものではなく、春夏秋冬の季節です。
春の暖かな風、夏の鮮やかな空の色、秋の優しい太陽、冬の真っ白な静けさ。
そのどんな空気も、景色も、きっと一緒に感じて見ていた頃はそれぞれの色があったはずなのでしょう。
しかしあの人がいない今はもう、なんの色さえも失くしてしまったのです。
大切にひとつずつ並べていた思い出は色を失くし、無造作に積み上げたただの時間となってしまったのです。