抑えていた感情が爆発するように、多くのテヨンが登場します。
しかし、それはひとり、またひとりと消えていってしまいます。
まるで時間とともに思い出が消えてゆくように。
あなたの「声」が聞きたい
そこに存在することが当たり前の日常だったからこそ、喪失感は大きいものなのでしょう。
突然その大切な存在がいなくなってしまっても、まだいるような感覚になるのです。
そして、もういないのに一緒にいた頃と同じ行動をひとりでしてしまうのです。
そんな自分を、笑って、笑い声でもいいから聴かせてほしい…。
涙を誘う一節です。
毎日あなたを待ってしまう
思い出と生きる私を
笑い飛ばしてくれるの?
出典: VOICE/作詞:STY 作曲:Aaron Benward, Matthew Tishler, Felicia Barton
消えてゆく記憶
過去から再び現在へと入れ替わります。
ここでは9人のテヨンが登場。
曲が進むごとに一人ずつ消えてゆき、最後は中央のひとりになってしまいます。
これは記憶や思い出が時間と共に消え去っていってしまうということを表現しているのではないでしょうか。
どんなに輝いて、素敵で、大切な記憶や思い出も、時間と共に消えていってしまうのです。
そして最後に残るのは、今その瞬間を生きている自分だけなのです。
孤独感と、虚無感と、絶望感が強く心を揺さぶります。
お願い…一度だけ
深い深い哀しみの感情が伝わってくるシーンです。
彼女はなぜこんな姿になったのでしょうか。
想いを巡らせば巡らすほどに、深く悲しいストーリーが想像できます。
どんなことでもするから
叶わない願いというのは分かっているのです。
それでも、あの人の声を聞く術があるのならどんなことでもするということなのでしょうか。
たとえば、大切な思い出と引きかえにしたとしても、です。
All the voice in my heart
あなたの声がもう一度だけでも
聞けるのならどうか教えて
出典: VOICE/作詞:STY 作曲:Aaron Benward, Matthew Tishler, Felicia Barton
あの人の声と引きかえに…。
衝撃的なシーンです。
ここでは、AIになったテヨンが登場します。
大切な人と引きかえに、自分の記憶と心を差し出してしまったのでしょうか。
愛情の深さと、その深さゆえの哀しい選択。
しかし、もしかしたら彼女はそれで幸せだったのかもしれません。
強さと覚悟
一度消えてしまった9人のテヨンが再び姿を現します。
そしてまた一人のテヨンを残して消えてゆきます。
しかし、それが示す意味は前半のそれとは全く異なるようです。
会いたい…。
声が聞きたい、できるのならば会いたい…。
二度ともう会えない大切な人を探してさまよっている感情がひしひしと伝わってくるようです。
All the voice in my heart
願いかなうなら ひと目でいいから
あなたはいま どこにいますか
You hear?
あなたはいま どこにいますか
出典: VOICE/作詞:STY 作曲:Aaron Benward, Matthew Tishler, Felicia Barton