ロザリーナ 百億光年
魅力的なハスキーボイス
ハスキーボイスが魅力的なロザリーナさん。
その声は一度聴いたら、耳から離れず誰しも虜になってしまいます。
2019年10月にリリースした「百億光年」も彼女の美しい声が楽しめる一曲です。
内容は夢を追いかける人へ向けた応援歌となっています。
ロザリーナ自身もアーティストの夢を追いかける中で、経験してきたことなのでしょう。
彼女だからこそ綴ることのできた歌詞だと感じます。
揺れ動く彼女の想いを、今回は紐解いていきます。
「歌舞伎町シャーロック」に抜擢
舞台は新宿區歌舞伎町イーストサイド。そこはオネエのハドソン夫人が店長を務め、
京極冬人、メアリ・ルーシー姉妹、ミッシェル・ベルモント、小林寅太郎たちが集う
「探偵長屋」だった。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/歌舞伎町シャーロック
完全オリジナルのアニメは、独特のキャラクターが勢ぞろいです。
キャラ名は推理小説が元ネタになっており、知っている人ならニヤリとできます。
ストーリーも原作をリスペクトした内容で、推理小説好きならチェックしてみましょう。
そして「百億光年」は、このアニメのED曲として流れます。
最後に流れるロザリーナさんのしっとりとした歌声は、物語の雰囲気によく合っています。
雪降るMV
雪が降る中ロザリーナさんが歌っています。
冬の訪れを感じさせる一場面です。
しかし、この雪はどうやら街に降っているだけではないようです。
それを表すのが部屋の中でのワンシーン。
透明な箱で囲まれた彼女の周りだけが、雪で真っ白になっています。
この箱はおそらく彼女の心の中なのでしょう。
部屋をどんなに暖かくしても、彼女の心は寒いままです。
そして冬の寒さとともに連想されるのが孤独です。
夏の騒がしかった虫や動物が冬眠に入り、誰もいなくなる季節。
彼女はいま独りぼっちだと感じています。
それはいったいなぜなのでしょうか?
歌詞解説スタート
白と黒
眩しいこの街にも月が優しくささやく
『今日が終わる』寂しく思う向かいのホームの方が先に
最終電車が来てみんな連れて行ったモノクロになったみたいに
出典: 百億光年/作詞:ロザリーナ 作曲:ロザリーナ・亀田誠治
終電間際、お店の灯がひとつ、またひとつと落ちていくのがホームから見えます。
明るかった夜に少しずつ、夜本来の暗さが戻っていく光景。
さっきまで目立たなかった、月明かりが際だってきます。
向かいのホームには幸せなカップルから、酔っ払いのサラリーマンまで様々です。
最終列車はそんな人たちの賑やかさも残らず、すべてを乗せていきます。
誰もいなくなったホームに雪がチラつき、残ったのは白と黒のコントラストだけです。
歌詞の最初は、街がこれから眠りにつくことを表しています。
人々が眠りにつく時間、星々は徐々にきらめきはじめます。
ひとり取り残される
取り残されたわけじゃないのに
急かす風荒れ狂う波
飲み込まれそうになるけど
出典: 百億光年/作詞:ロザリーナ 作曲:ロザリーナ・亀田誠治
彼女の終電はまだ来ていません。
それなのに自分だけが取り残された感覚に陥ります。
ここで筆者は地方から、夢を追いかけて出てきた少女を思い浮かべました。
仕事では先輩にせかされ、社会の荒波にもまれていきます。
彼女は夢に向かって頑張っている途中なのです。
必死で歩んできた道なのに、いつの間にか同じ日々を繰り返しています。
自分が本当に夢に向かっているのかも分からなくなっています。
周りの友達は会社で手柄をあげたり、結婚してどんどん前へ進んでいきます。
社会の中で、自分だけが歩みを止めている感覚なのでしょう。
自分も夢を諦めたほうがいいんじゃないか、そんな気持ちが浮かんでは消えを繰り返します。